(101~200話)
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●第101話 続・イナゴ 2013.10.16
●第102話 品川駅で 2013.10.16
●第103話 センター 2013.10.29
●第104話 もう一つは? 2013.10.30
●第105話 ガス事件 2013.11.12
●第106話 温水洗浄便座 2013.11.14
●第107話 ただいま 2013.11.18
●第108話 松と杉 2013.11.19
●第109話 心臓の音 2013.11.19
●第110話 またまたゆうさんの出張 2013.11.23
●第111話 出張の帰り 2013.11.24
●第112話 ラウンド 2013.11.26
●第113話 松と杉、後日談 2013.11.27
●第114話 松と杉、後日談のコメント 2013.11.28
●第115話 謙虚!? 2013.11.29
●第116話 キー 2013.12.2
●第117話 バナナが嫌い 2013.12.3
●第118話 火事 2013.12.6
●第119話 燃えてる 2013.12.9
●第120話 スペシャル 2013.12.10
●第121話 ややこしい 2013.12.11
●第122話 早口言葉 2013.12.16
●第123話 梅の味 2013.12.20
●第124話 三葉虫 2013.12.21
●第125話 あったかい 2014.1.5
●第126話 馬の置物 2014.1.6
●第127話 ガス事件ふたたび 2014.1.7
●第128話 スモールライト 2014.1.13
●第129話 ゼロ・グラビティ 2014.1.15
●第130話 ゼロ・グラビティのコメント 2014.1.17
●第131話 どう見ても 2014.1.20
●第132話 エスカレーター 2014.1.23
●第133話 お決まり 2014.1.24
●第134話 駐車場で 2014.1.27
●第135話 病気かな 2014.1.30
●第136話 変な名前 2014.1.30
●第137話 そんな人知らない 2014.2.1
●第138話 スペアキー 2014.2.3
●第139話 マンドリン 2014.2.3
●第140話 青い線 2014.2.19
●第141話 なに人 2014.2.21
●第142話 イヤホン 2014.2.21
●第143話 かまやつひろし 2014.3.3
●第144話 サーカス 2014.3.5
●第145話 携帯 2014.3.14
●第146話 ウミウシ 2014.3.18
●第147話 ランゲルハンス島 2014.3.31
●第148話 たにざきしゅんいちろう 2014.4.8
●第149話 コンタクトレンズ 2014.4.8
●第150話 耳が痛い 2014.4.10
●第151話 ブラジル 2014.4.15
●第152話 嘘のような本当の話 2014.4.16
●第153話 どんな番組 2014.4.21
●第154話 割引 2014.4.25
●第155話 乾燥剤 2014.5.7
●第156話 音読み 2014.5.9
●第157話 順応性 2014.5.12
●第158話 アナと雪の女王 2014.5.13
●第159話 読んで字のごとく 2014.5.15
●第160話 秘書室で 2014.5.29
●第161話 ピンマイク 2014.6.4
●第162話 ピンマイク・続き 2014.6.4
●第163話 ライブにて 2014.6.7
●第164話 誰の子? 2014.6.19
●第165話 誰の子?続き 2014.6.20
●第166話 納得 2014.6.20
●第167話 ふなっしー 2014.6.20
●第168話 ダニ退治 2014.6.24
●第169話 出ちゃう 2014.6.24
●第170話 残念! 2014.6.26
●第171話 国際電話 2014.7.6
●第172話 賞味期限切れ 2014.7.6
●第173話 ラミネート加工 2014.7.7
●第174話 ずるい 2014.7.9
●第175話 何を見てた? 2014.7.11
●第176話 スリッパ 2014.7.14
●第177話 不食 2014.7.15
●第178話 喜劇 2014.7.29
●第179話 紙兎ロペ 2014.7.31
●第180話 予想通り 2014.8.1
●第181話 誰のせい 2014.8.11
●第182話 ちゃんと見て 2014.8.13
●第183話 ちゃんと書いて 2014.8.13
●第184話 ボケとツッコミ 2014.8.14
●第185話 足の付け根 2014.8.15
●第186話 練習 2014.8.18
●第187話 何のたとえ 2014.8.20
●第188話 サンドイッチ 2014.8.22
●第189話 色彩感覚 2014.8.23
●第190話 カーナビの更新ふたたび 2014.8.25
●第191話 できるホテルマン 2014.8.25
●第192話 駐車場でふたたび 2014.8.27
●第193話 気づき 2014.8.28
●第194話 パンづくし 2014.8.29
●第195話 シュレッダー 2014.8.31
●第196話 パンづくしのコメント 2014.8.31
●第197話 呪いの帯 2014.9.1
●第198話 ふるさと 2014.9.2
●第199話 バスで 2014.9.3
●第200話 花子とアン 2014.9.8東京での講演会終了後、
残ったお客さん3人と、ゆうさん、私で話していました。
ゆうさんの天然ボケの話題で盛り上がり、
私がゆうさんを指して言いました。
龍人「この人、イナゴを知らないんですよ」
ゆう「みなさん知ってるんですか?」
お客さんの一人が皆に向かって
「知ってる人!」
ゆうさんを除く4人が手を挙げ、
「は~い」
ゆう「バッタは知ってますよ」
お客さん「水田にいるのがイナゴですよ」
龍人、ゆうさんに
「バッタだと思ってたんだよね。
イナゴをイナゴと呼んでなかったんだよね」
ゆう「イナゴに?」
一同爆笑。
龍人「イナゴに『イナゴ!』って呼んだってわかんねえよ。
人間がつけた名前なんだから」JR東海のエクスプレス予約EX-ICサービスは、
携帯電話から新幹線の切符の予約ができ、
発券する手間がいらない便利なシステムです。
カードをかざすと改札を通れ、
電車の発車・到着時刻や座席番号の印刷された紙が出てきて、
それを検札の時に車掌さんに見せます。
東京での講演会の翌日、ゆうさんは一人で、
品川駅から名古屋に向かう新幹線に乗ろうとしました。
携帯電話から切符を予約し、ホームで待っていましたが、
いつまで経っても電光掲示板に
自分の乗る新幹線の表示が出ません。
心配になったゆうさんは駅員さんに聞きました。
「10時30分の新幹線の案内が出てないですけど」
座席番号などの載った紙を見た駅員さんが言いました。
「これ、東京駅発ですね」ゆうさんとテレビで野球を見ていた時のこと。
センターがあわやホームランという大きなフライを
フェンスにぶつかりながら捕りました。
私が言いました。
「センター、よく捕ったな」
ゆうさんが言いました。
「センターがあんなとこまで行かなきゃいけないの?」
「センターが行かなきゃ誰が行くんだよ」
「だって、センターって真ん中でしょ?」
「え?外野の真ん中だよ」
ゆうさんは、センターの守備位置は
グラウンドの真ん中だと思っていたようです。
ちなみにゆうさんの旦那さんは高校の先生で、
軟式野球部の監督をしていますので、
ゆうさんは何度も試合を見に行っています。私がゆうさんに聞きました。
「野球のポジションは知ってるの?」
「知ってるよ。
ピッチャー、キャッチャー、ファースト、セカンド、サード、
レフト、センター、ライト」
「もう一つあるよ」
「え?……監督?」
「監督は別だよ」
「コーチ?」
「コーチは何人もいるよ」
「わかんない」
「ショートだよ」
「知らない。どこなの?」
「セカンドとサードの間」
「そんなとこで何するの?」
「ショートは難しいポジションだぞ!」※ちなみにゆうさんは、
ショートゴロは短いゴロだと思っていたそうです。冬のある日、会社から帰ったゆうさんは
ガスファンヒーターをつけようとしました。
でもなぜかつきません。
ガスコンロとガス湯沸かし器のスイッチも入れてみましたが
やはりつきません。
ゆうさんは慌てて都市ガスの会社であるTガスに電話しました。
「すみません!ガス料金の支払いを忘れていました。
すぐ振り込みますから……」
電話口の担当者は言いました。
「お宅は契約されていませんね。プロパンガスではないですか?」
(あ、そうだった)
ゆうさんはプロパンガスの会社に電話しました。
「すみません!ガス料金の支払いを忘れていました。
すぐ振り込みますから……」
電話口の担当者は言いました。
「ちゃんと支払われていますよ。
クレジットカードでの引き落としになっています」
(あ、そうだった)
プロパンガスは、つけてから一定の時間が経つと、
安全のため、止まる仕組みになっているようです。
原因は、ゆうさんのガスファンヒーターの消し忘れでした。温水洗浄便座は、メーカーによって「ウォシュレット」「シャワートイレ」
などど名前のついた、おしりを洗ってくれる便利な機械です。
以前、私はゆうさんに聞かれました。
「シャワートイレ使うと背中が濡れない?」
「え?濡れないよ」
その頃まだ、ゆうさんの家のトイレには
温水洗浄便座はついていませんでしたが、
ゆうさんは会社で使っていました。
話しを聞くとゆうさんは、便座に浅く腰かけ、
そのまま後ろに寄りかかるようにして用を足していることがわかりました。
そうしないと出るものが出ないんだそうです。
私は、洗う時に深く座り直せば、背中は濡れないだろうと説明しました。
しかし、これで納得するゆうさんではありません。
ゆうさんは後日、会社で使っている温水洗浄便座のメーカーに電話しました。
担当者と話すうち、その人は、現場を見に行くと言い出しました。
ゆうさんは会社に来られては困ると思い、慌てて電話を切ったそうです。
担当者は不思議に思ったことでしょう。
ゆうさんがメーカーに電話してどうしてほしかったのかは未だに謎です。岐阜県郡上市のオーガニックカフェで講演させていただいた日のことです。
ゆうさんと私がお店に着いたのはお昼の12時頃だったので、
お店を経営されているKさんは、ランチのお客さんの応対で結構忙しそうでした。
Kさんはお客さんに料理を運ぶ時、私たちに
「ただいま」
と言いました。
この場合、『ただいま参りますから少々お待ちください』という意味でしょう。
しかしゆうさんが返した言葉は
「おかえり」
でした。岐阜県のカフェでのイベントの前、私に松村さん(仮名)という方から
参加したいと意思表示がありました。
後日、ゆうさんからメールが来ました。
「杉村さんという人から電話がありました」
私は返信しました。
「松村さんじゃなかった?」
ゆうさんから返信が来ました。
「そうでした。バレちゃった」
ゆうさんの話によると、
松村さんから申し込みがあった後、カフェのオーナーにメールで杉村さんと伝え、
その後、松村さんから電話をいただいて間違いに気付き、
再度オーナーに訂正の連絡をしたとのこと。
その時、「松も杉も親戚のようなもんだけど」と送ったら、オーナーから
「さすがです!」と返事が来たとか。
それを私にばらさないようにと思っていたようですが、
また自分で間違えてばれてしまったのでした。
以前も言いましたが、
ゆうさんは、大会社の役員秘書です。Kさんがご主人と経営されている岐阜県のカフェでのイベント終了後、
ゆうさんと私はカウンターでお茶をいただいていました。
Kさんが私たちの肩などをマッサージしてくれることになり、
Kさんはご主人に言いました。
「ヒーリングの音楽かけてください」
ご主人がCDをかけた後、
しばらくしてゆうさんが言いました。
「心臓の音みたいだね」
Kさんがご主人に言いました。
「水道ちゃんと止めてください。ゆうちゃんが間違えるから」東京に出張するため新幹線に乗ったゆうさんから
メールが来ました。
「いきなり間違えました。4号車だったのに13号車に乗って、
親子連れに『そこ私の席ですけど』って言っちゃった。もうやだ」
私は返信しました。
「やだったのは親子連れだろう」
以下、その後のやりとりです。
「切符見てだいぶ前から並んでたのに最悪。
親子連れ弁当食べてるし」
「親子連れは自分の席で弁当食べてただけだろう」
「そうかな」
「他になんかあんのか」
「やな感じでした」
「間違ってないのに変なこと言われて、気を悪くしたんでしょ」
「彼らは気を悪くしてないよ。ゆうが気を悪くしたの」
「(?)間違ったのはあなたでしょ」
「そうだよ」
(???)
後日話しを聞くと、親子連れから特に何か言われたわけではないそうです。
やっぱり(?????)東京出張の帰り、新幹線に乗ったゆうさんから
メールが来ました。「新幹線に乗って新横浜についたら人が乗ってきて
『C席』って言われました。ゆうもC席です。
仕方なく切符みたら1つ後ろの席でした。なんで?」こっちが聞きたいよ。
ゆうさんの車に乗せてもらった時、
以前、私が入れて録音されたCDがかかっていました。
そのCDは2曲入りです。
2曲目が終わると、また2曲目がかかりました。
私が言いました。
「あれ、また2曲目がかかったね」
ゆうさんが言いました。
「ラウンドっていうのにしてるの」
「へえ。リピートじゃないもんね」
(そんなモードあるのかな?)
ゆうさんがオーディオを開いて見せてくれました。
「ほら、これ」
見ると、『RAND』と書いてあります。
「ああ、ランダムね」
ランダム(RANDOM)は、そのCDの中の曲が
バラバラにかかるので、
たまたま続けて2曲目がかかったのでした。
ゆうさんは、ちょっとやそっとのことでは
疑問に思いません。108話の『松と杉』で、私は松村さん(仮名)と表記しましたが、
仮名ですから実際のお名前は松村さんではありません。
しかし、ゆうさんは(仮名)の但し書きに気づいておらず、
私が単純に間違えたと思っていたそうです。
でも、指摘すると私が傷つくと思ってしなかったとのこと。
お気遣いありがとうございます(笑)。113話の『松と杉、後日談』 に対する
facebookでのゆうさんと私のコメント。
「指摘したら傷つくと思って黙っていたのに、
なぜりゅうじんさんにバレたかというと、
『あの話、松浦さん読んでないかもね?』
とりゅうじんさんが言った時に
(あれ?りゅうじんさん間違いに気づいてる??)
と私が確かめたからでした~
よもや自分が間違っているなんて思いもしませんでした(^^)」
「で、松浦さんってばらしちゃいましたね」
「あ。そうだった」
ゆうさんが言いました。
「ゆうの目は節穴だから」
「(笑)自分じゃ言わないぞ」
「そうなの?」
「お前の目は節穴か!とか言うんだ」
ふし‐あな【節穴】
1 板などの節が抜けおちたあとの穴。「―からのぞく」
2 見る能力のない目。見えるはずのものを見落としたり、
物事の意味を見抜く力のないことをあざけっていう語。
「どこに目が付いているんだ、君の目は―か」
「デジタル大辞泉」よりある日、会社でゆうさんは上司から、
出かけるので車のキーを用意するように言われました。
ゆうさんは担当部署に連絡し、社用車を1台申し込んで
後でキーを受け取りに行きました。
ゆうさんはキーを一つ取ると、
担当者に確認しました。
「これですか?」
「違います!」
担当者は爆笑しています。
「それは自転車のキーです」
見ればわかりそうなもんですが。
ちなみにゆうさんは毎日、車で通勤しています。ゆうさんはバナナが嫌いです。
でも、東京土産の東京バナ奈は好きです。
ゆうさんが言いました。
「東京バナ奈は、うそんこだから好き」
「バナナの匂いが嫌いなんじゃないんだね」
「うん」
「じゃ、食感?」
「サツマイモとかは好きだよ」
「じゃ、ねちょねちょしてるから?」
「里芋も食べられる」
「味は、甘みと酢っぱみだから好きでしょ」
「うん」
色や形が嫌いというわけでもないそうですし、
結局、なぜゆうさんがバナナを嫌いなのかは、
本人もわからないようです。ある日の夕方、ゆうさんから携帯にメールが来ました。
「今、ヨツカン(仮名)本社前が大火事です。こわい」
ヨツカンはゆうさんの勤めている会社です。
その後、何通かやり取りしているうちに鎮火しましたが、
ゆうさんの会社も停電したり、大変だったようです。
翌朝、私は新聞を見てメールしました。
「昨日の火事、新聞出てた。怪我人がいないから
扱いは小さいけどね。住宅、飲食店など4棟全焼」
ゆうさんから返信が来ました。
「ありがとね。さっき会社で中日新聞みたけど出てなかった」
私の返信。
「うちも中日新聞だぞ」
ゆうさんは、ヨツカン(仮名)本社ビルの窓から
同僚と火事を見ていました。
しばらくして鎮火したように思われましたが、
ゆうさんにはまだ周辺に反射する明滅する赤い光が見えました。
「まだ燃えてるよ!」
同僚が言いました。
「あれは消防車のライトだよ」フィギュアスケート「グランプリファイナル福岡2013」
女子フリーの日、知り合いのNさん、ゆうさん、私の3人で
テレビを見ていました。
Nさんが言いました。
「真央ちゃん頑張ってほしいね」
ゆうさんが言いました。
「真央ちゃんはスペシャル1位だから」
Nさんと私は一瞬???でしたが、
私がすぐに気づいて言いました。
「ショートプログラムだよ。
SPはスペシャルって読む時もあるけどさ」
※フィギュアスケートは、ショートプログラムの翌日に、
フリースケーティングの試合が行われます。ゆうさんと恐竜の話をしていました。
ゆうさんが言いました。
「ジュラシックパークがあるのは
USAだっけ、USBだっけ」
「USJだろ。
USAはアメリカで、USBは接続だぞ」
普通、間違えやすいのは、
UFJだと思うんですが。
ガス漏れの話をしていた時、ゆうさんが言いました。
「ガスバスガスハ……ガスガスバスハ……」
「バスガス爆発」
「ガスガス爆発?なんでガス2回も言うの?」
「バス!ガス爆発だよ」
※ネットで調べたら、バスガ スバクハツと意識して言うと、
言いやすくなるそうです。
ちなみに東京特許許可局は、
トウキョウ トッキョキョ カキョクと意識します。ゆうさんと、食べ物持ち寄りの会合に出るため、
私はポテトチップスなどを買って行きました。
私はポテトチップスの袋の裏を破って、いわゆるパーティ開けにしました。
ポテトチップスを食べたゆうさんが言いました。
「梅の味、しないね」
「え?だってこれ梅味じゃないよ」
みんな大笑いしていました。
ゆうさんは、袋に一部使われていたピンク色を見て、
勝手に梅味だと思い込んだようです。
どこに行っても天然ボケを忘れないゆうさんです。ある会合で大昔の話になり、
三葉虫という言葉が出ました。
ゆうさんが言いました。
「森三中?」
大昔に森三中がいるか!ゆうさんは旦那さんとスキーに行きました。
ゆうさんが言いました。「ユニクロのホットモット着てる」
旦那さんが言いました。
「ヒートテックだろ」
意味的には当たってますが。
※ホットモット(Hotto Motto)は
お持ち帰り弁当のチェーン店です。ゆうさんは毎年、年末年始に旦那さんと
長野県の野沢温泉にスキーに行きます。
今年は休みが長かったので5泊6日で行きました。
着いた日にお土産屋さんに入ったゆうさんは、
かわいい馬の飾りのついた羽子板の形をした置物を見つけました。
ゆうさんはそれを気に入りましたが、
馬(午)だと毎年は飾れないと思い、
お店のおばさんに聞きました。
「これ、午年じゃないと飾ったら変ですか?」
「そうですねえ。午年の方がいらっしゃれば
いいかもしれませんけど」
「あたし、戌年なんですけど」
そんなこと言われても困るよね、おばさん。
ゆうさんは最終日にまたお土産屋さんに行きました。
「5日悩みましたけど、これください」
「5日も悩んだんですか」
ややこしい客ですが、
売れてよかったね、おばさん。ゆうさんはスキーから帰って
家のガスファンヒーターをつけようとしました。
でもなぜかつきません。
今回はガスコンロとガス湯沸かし器は使えたので
ガスが出なくなったわけではないようでした。
ゆうさんは、ガス管が長いのと、何日も家を空けていたことが
原因だろうと考え、その日は寒いのを我慢して寝て、
翌日また試してみました。
でもまだつきません。
ガスファンヒーターの取扱説明書も見ましたが、
よくわかりません。
そして、メーカーに電話しようと思った時、気づきました。
(元栓閉めて出かけたんだった)
どうせなら、ガスコンロとガス湯沸かし器の元栓も
閉めて出かけた方がよかったと思うんですが。私が言いました。
「3Dプリンターはすごいよ」
「へえ、それ何?」
「知らない?コンピュータに画像とか取り込むと
立体物ができちゃうの」
「ええ!」
「大きい物も小さくできるよ。
ドラえもんのスモールライトみたいに」
「スモールライトって小さいライトかと思ってた」
「そんなもん、ドラえもんが出さなくてもあるわ」
※たしかに車についてるのもスモールライトですけどね。映画「ゼロ・グラビティ」は、
地球から600km離れた宇宙空間で、
女性宇宙飛行士ライアンが
任務遂行中に思いがけないトラブルに見舞われ、
絶体絶命の危機を何度も乗り越えながらも
地球に帰還するという物語です。
ラストはライアンの乗ったカプセルが着水しますが
その中に水が流れ込み、危うく溺れかけます。
そこからなんとか脱出したライアンは
力強く大地を踏みしめます。
私はこの映画をゆうさんと見ましたが、
後日、妻ともう一度見に行きました。
その後の、ゆうさんとのメールでのやりとり。
「奥さんにも好評だったかな」
「最初の感想は、疲れただった(^^)」
「あはは。入り込んでたのね。ゆうもビックリするとこ
いっぱいでハラハラしてたけどね。
水死じゃないのが一番ビックリだったけど(^^)」
「水死じゃビックリなんてもんじゃないだろう」
「そ~お?」
「水死がよかったのか」
「映画のストーリーとしてはその方が度肝を抜かれると思う(^^)」
「そんなの望むのはあんただけだ」
映画の感想は自由ですが、
私はゆうさんの恐ろしい一面を見た気がしました。facebookに載せた129話『ゼロ・グラビティ』 で、
ある方から「ゆうさんは、バッドエンド好み?( ̄▽ ̄;)」
というコメントをいただきました。
その後、ゆうさんから来たメールとやりとり。
「fbのコメントにあったバッドマンって
映画なんだろうね?
極悪ものはあんまり好きじゃないけど、
すごい女に思われたかな」
「バッドマンなんて書いてないよ(^^)。
節穴健在だな。
すごい女だとは思われたかもね(^^)」
「え?ちがった?悪い男の映画かと思った(^^)」
「ハッピーエンドの反対語として使ったんだろう。
バッドエンド」
※節穴の話は、115話『謙虚!?』に出てきます。漫才お笑いコンビ「はんにゃ」の金田(かなだ)さんは、
剣道が強いので、ときどきテレビで披露します。
先日、私が見た番組をゆうさんも見ていて、
その話題になりました。
ゆうさんが言いました。
「はんにゃってカナダ人なの?」
どう見ても日本人だろ!階下に行きたいのに、
エスカレーターに乗れずに戸惑っているゆうさん。
私が言いました。
「そこ、上りだよ」お決まり
ある集まりで、知り合いが自分で本を作った話をしていました。
「製本は機械がやってくれるんだ。
A5だからできるんだ」
ゆうさん「え!英語で書いたんですか?」
※ゆうさんは以前、会社で上司から「英語にして」と頼まれ、
A5のコピーを取ろうとしたそうです。ゆうさんの車は赤のプリウスです。
人気車種なのでよく見かけます。
ある駐車場で、二人で車に戻る時のこと。
ゆうさんが止めた場所の手前のブロックにも
赤のプリウスがありました。
しかし、ナンバープレートがしっかり見えているので
ゆうさんの車でないことは明らかでした。
私はゆうさんの後ろを歩きながら
いくらゆうさんでもそれはわかっているだろうと思っていました。
ゆうさんはその車に近づきましたが
私は横を通り抜けるのだろうと思いました。
しかし次の瞬間、ゆうさんはその車のドアノブに手をかけました。
私は言いました。
「それじゃないぞ!」
ほんとに期待を裏切らないゆうさんです。ゆうさんは、かかりつけのお医者さんに行きました。
「片目をつぶると何か見えるんですけど」
ゆうさんは左右の目を交互につぶりながら
言いました。
「ここら辺と、ここら辺に……」
先生が言いました。
「それは、鼻ですね」私はビートルズが好きなので、
ゆうさんもよく聴いています。
ゆうさんが言いました。
「ビートルズにオリゴっているよね」
「え?いないよ。リンゴじゃないの?リンゴ・スター」
「そっか」
「なんで難しく覚えるんだよ。オリゴ糖かよ。
リンゴのが簡単だろ。
本名はリチャード・スターキーっていうんだ」
「変な名前」
「そうか?」
「だって、すたあきでしょ。
としあきとかのが普通じゃない」
「日本人じゃねえよ!」
さすが以前、スージー・クアトロを
すじくあとろうだと思ったゆうさんです。私の講演は落語でするので、勉強も兼ねて
ゆうさんとよく落語を聴きに行きます。先日、春風亭小朝師匠の独演会に行きました。
前座さんの話の後、
「めくり」を見たゆうさんが言いました。「さんちょう?」
めくりには、「小朝」と書いてあるのですが、
寄席文字なので小の下の部分がくっついてしまい、
ゆうさんは「山朝」と読んだようです。でも、小朝師匠の独演会に来たんだからね。
私が東京の実家の鍵を替えようと思って
ネット検索したら鍵屋さんがたくさん出てきた話を
ゆうさんにしました。ゆうさんが言いました。
「ゆうも前、上司にスペアキーを作りたいと頼まれて
半田市の鍵屋さんを検索したらいくつか出てきたけど、
スペアキーは作れませんってみんな断られちゃった」
「ええ!スペアキーなんて一番需要がありそうだけどね。
今の鍵は昔のと違って簡単に作れないからかな。
で、上司は何だって?」
「名古屋に知ってる鍵屋さんがあるからそこで作るって」
「ふうん。何で検索したの?」
「鍵」
「『スペアキー』で検索すればよかったんじゃない?」
「そっか!」
試しに『半田市 スペアキー』で検索してみると、
全国展開を含めて鍵屋さんがいくつも出てきて、
スペアキーもできそうでした。
2年くらい前のことだそうですから、その頃の事情はわかりませんし、
上司もすでに転勤しているそうです。チャンチャン。ゆうさんが私に演劇のチラシを見せて言いました。
「これ行かない?」
「いいよ。ワンドリンク付き2000円か。安いね」
「マンドリン?」
「マンドリンじゃねえよ。
マンドリンが付いてきたりしてね(笑)」
私が手で持つ格好をすると、
不思議そうな顔をしたゆうさんが言いました。
「マンドリンって何?」
「え?楽器だよ。何だと思ってたの?」
「さる」
「それは、マンドリル!」ソチ五輪、スピードスケートの放送で映る、
走っている選手の位置を示す動く青い線について。
ゆうさんが言いました。
「あの青い線は選手には見えてるの?」
「見えてないよ。CGだろ」
「CGって何?」
「コンピュータグラフィックス。
青い線はテレビを見てる人のためのもんだよ。
選手が足元に線が見えたってしょうがないだろ」
「ちょっと前に出して、がんばれみたいな」
「氷にどうやって出すんだよ」
「ハイテクな氷なのかと思った」
私が返事をせずにいると、
「ロシアも大したことないな」
国際問題に発展しそうです。ゆうさんと私は以前からよくフィギュアスケートの話しをします。
ソチ五輪、女子ショートプログラムがあった日、ゆうさんが言いました。
「キムヨナって韓国人だったんだ」
「え~~~!なに人だと思ってたの?」
「中国人」
「え~~~!フィギュアをよく見ててキムヨナが韓国人だって
知らない人なんかいないよ」
「韓国みたいな旗が出ててびっくりした」
こっちがびっくりだわ。ゆうさんは会社のパソコンで音の出る書類を見るため、
パソコンのジャックにイヤホンを挿しました。
しばらくして同僚が言いました。
「聞こえてますよ」
たぶん、マイクのジャックに挿したんでしょうね。※一緒に考えてみてください。
ゆうさんとの会話。
「かまやつひろしは知ってる?」
「グレムリンみたいな人?」
「グレムリン?」
「目がギョロッとしてて濃い顔の人」
「全然違う。誰を考えたんだろう……」
「……」
「高田純次じゃないよね?」
「うん。
……よくしゃべって、おばさんとかバサバサ斬っちゃう」
「みのもんた?」
「ううん」
「髪を後ろで縛ってるの」
「髪を後ろで縛ってるのは、安室ちゃんと結婚してたSAMとか、
松浪健四郎とか……」
「違う」
やや間。
「わかった!
綾小路きみまろ」
「そう!」
かまやつひろしさんとは
何の関係もありませんでした。ゆうさんからメールが来ました。
「安田大サーカスがポートメッセに来るんだって。
ゆうは見たことないけど、すごいのかな。
1ヶ月以上やってるみたい。見たことある?」
「安田大サーカスはお笑いだぞ」安田と木下では大分違います。
朝、ゆうさんからメールが来ました。
「携帯忘れたみたい。会社の携帯から送ります」
夜、ゆうさんからメールが来ました。
「携帯はおうちにありました。
今度は会社の携帯がないです」テレビで、海の生物ウミウシの特集をやっていました。
ゆうさんが言いました。
「演歌でウミウシってあるよね。
ボブみたいな人の」
「ジェロの海雪だろ」以前、静岡県での講演会で、
ずっと住んでいる愛知県の半島の名前を間違えたゆうさんと、
半島の話しをしていました。ゆうさんが言いました。
「ランゲルハンス島ってあるよね」
「ランゲルハンス島は半島じゃねえよ。島でもねえし」
「違うの?」
「体のなんかじゃなかったかな。生物かなんかで出てきたんだろう」
調べたら、膵臓にある細胞の塊のようでした。
ランゲルハンスは、発見者の名前。
難しい言葉を覚えているのはいいですが、
思い込みが激しいゆうさんです。ゆうさんが言いました。
「たにざきしゅんいちろうの好きな詩があるの」
「じゅんいちろうだろ」
「しゅんいちろうだよ」
「じゅんは、うるおうっていう字だぞ。
俺の親父は谷崎潤一郎からとって潤一郎って名前なんだから」
「にんべんの『とし』っていう字だよ」
「……わかった。谷川俊太郎だろう!」
ゆうさんは不満そうでしたが、
パソコンで調べて万事解決しました。
いつも自信満々のゆうさんですが、
正確に覚えるのが苦手なようで。ゆうさんは普段コンタクトレンズをしていますが、
しばらく前から見えにくくなったので
新しく作りに行きました。
いろいろな検査をした後、技師さんに言われました。
「お持ちになったレンズを左右逆にはめてみてください」
ゆうさんは言われたようにしました。
「あ、よく見えます!」
いつから逆にしていたんだか。
間違えた時にわかりそうなもんですけどね。ゆうさんから夜、メールが来ました。
「今○○医院です。
耳が痛くてかかりました。
普通はのどからおかしくなって耳の炎症が
出るみたいだけど、のどはぜんぜん痛くないの。
先生に言ったら不思議そうに飲み薬を出してくれました。
帰りに『ひどくなるようなら耳鼻科に行ってくださいね』
って言われた。なんでだろうね」
「え~。今度は耳(+_+)。どこが痛いのかな。
すぐ治るといいけど」
「耳の中です。腫れてるみたいです」
「ばい菌入ったかな」
「うん。この前耳洗ったからね」
「何入れたんだか(+_+)」
「せっけんです」
「こどもか!」
そんなことすりゃ、痛くなるのは当たり前。
のどは関係ありません。
先生もお気の毒に。ゆうさんとの会話で。
「ブラジルってアフリカにあるんでしょ」
「え~~~~っ!
ブラジルは南アメリカだぞ」
「南アメリカってアフリカじゃないの?」
「南アメリカはアフリカじゃねえよ。
じゃ、アルゼンチンやチリはどこ行っちゃうんだ」
「でも近いんじゃないの?」
「大西洋挟んでるぞ。
太平洋よりは近いかもしんないけど」
「形似てるでしょ」
「じゃあ、北アメリカの南にアフリカがあんのかよ」
ゆうさんの頭の中の地図は、
大陸が移動する前のものなのかもしれません。畏れ多くも龍人は、よく秋篠宮様に似ていると言われます。
ある時、ゆうさんがお友達二人に話しました。
「この間、秋篠宮様がうちの会社の展示館に見えて、
ゆうがご案内したんだよ」
二人は笑って言いました。
「あははは。ゆうちゃん、その人はね、
龍人さんっていうんだよ」
でも、これはゆうさんのボケではなく、
本当の話でした。ゆうさんがNHK総合テレビの番組
「ダーウィンが来た!生きもの新伝説」
について言いました。
「先週は、うまなみだったけど、今日は何かな」
先週はクマノミの特集でした。ゆうさんと私はイベントや会合の後、
よくロイヤルホストで食事をします。
ゆうさんは携帯で会員登録しているので、
割引になったりします。
先日のイベントの後では誕生日が近かったので
2割引になりました。
昨日の夜は会合があったのですが、
昼間ゆうさんからメールが来ました。
「今日は終わってからデニーズ行こうね。
割引使わないと」
私は返信しました。
「デニーズも割引があるの?」
ゆうさんはデニーズでも
お友達と行った時に会員になったとのことでした。
会合の後、ゆうさんと私はデニーズに行きました。
注文する時にゆうさんは店員さんに携帯を見せながら、
「これは後でいいですか?」みたいなことを聞き、
店員さんは「はい」と答えていました。
食事を終え、会計するためレジへ。
さっきとは違う店員さんでしたが、
ゆうさんは携帯画面を店員さんに見せました。
でも、金額は割引になりません。
不思議に思って聞くと、
「バースデーケーキが付くんですが」
デニーズのサービスは割引ではなく、ケーキなのでした。
でも今さら席に戻ってケーキを食べるわけにもいきません。
ゆうさんもボケてますが、
「はい」と言った店員さんもかなりのもんでした。ゆうさんとクッキーを食べていました。
個包装なのでそれぞれに
小さな乾燥剤が入っていました。
ゆうさんが言いました。
「ゆうは乾燥剤、嫌いなの」
「なんで?」
「だって、食べたら死ぬんでしょ」
「死なないよ」
「でも、食べられませんって書いてあるよ」
「食べられないだけで、食べたって死なないよ。
食べたら死ぬような猛毒、
食品に入れて売るわけないだろ。
あんた食品会社に勤めてるんだろ」
「食べたら死ぬのかと思ってた。
なんでそういう常識みたいなこと、わかるの?」
「常識だから」ゆうさんと京都に講演に行った時、
『孫兵衛』という居酒屋に入りました。
メニューを見ながらゆうさんが店員さんに言いました。
「そんべえサラダください」
私は思いました。
(まごべえじゃないのかな)
しばらくして店員さんが
料理を持ってきて言いました。
「まごべえサラダお待たせしました」
(やっぱりな)
先日、回転寿司の看板を見たゆうさんが言いました。
「ぎょべえ」
看板には『魚べい』と書いてあります。
ゆうさんは、なぜ音読みにするんでしょうか。ゆうさんのパソコンの調子が悪くなり、
修理に出しました。
直るのに3週間かかるということで、
ゆうさんは不便を感じました。
3週間後、パソコンが直って返ってきました。
とりあえず、メールチェックなどを済ませ、
ゆうさんはホッとしました。
でもその後、私が行くまでの3日間、
ゆうさんはパソコンが返ってきたことを
忘れていました。
行かなかったらいつまで忘れていたでしょう。
順応性があるというかなんというか。大ヒット中のディズニー映画
『アナと雪の女王』を
うちの妻が『雪とアナの女王』
と言い間違えた話をゆうさんにしました。
後日、またその話しになった時、
ゆうさんが言いました。
「何がおかしいの?」
ちなみにゆうさんはこの映画を
公開直後に見ています。地球儀を見ていたゆうさんが言いました。
「エジプトってこんなとこにあるんだ」
「そうだよ。昔はアラブ連合って言ったんだ」
「へえ」
「アラブ首長国連邦っていうのもあるよ」
「何か主張するの?」
「字が違うよ。首が長いって書くんだ」
何か考えているらしいゆうさんを見て、
「首長族じゃねえぞ!」ゆうさんの勤務する会社の秘書室で
会議がありました。
社長交代が発表されたので
お祝いに訪問される方がいらっしゃると思うが
贈り物はお断りしてくださいと言われました。
一人の秘書が質問しました。
「ご持参になられたらどうしますか?」
ゆうさんが言いました。
「おじさん?」
岐阜県美濃市のお寺で講演させていただいた時、
ピンマイクをお借りしました。
本体の機械をポケットに入れるなどして、
そこから伸びたコードの先にある小さなマイクを
クリップ付きのマイクホルダーで
襟などに留めるようになっています。
最初にゆうさんが紙芝居をするので、
ピンマイクをつけることになりました。
ゆうさんはまず本体を腰につけました。
そしてマイクを持つと、髪をかき上げました。
何をするんだろうと思って見ていると、
ゆうさんはマイクを耳に入れようとしています。
私は言いました。
「マイクだよ!」
ゆうさんは何をするつもりだったんでしょう。ゆうさんの紙芝居が終わり、
私はゆうさんからピンマイクを受け取りました。
つけようとすると、マイクを留めていた
クリップ付きのマイクホルダーがありません。
ゆうさんの襟元を見ると、
それがぶら下がっていました。
ゆうさんはマイクだけをむしり取ったようです。
幸い、ホルダーは壊れておらず、
マイクは無事に装着できました。
めでたし、めでたし。ゆうさんと、少女時代のライブに行きました。
椅子は固定式で、座面を手で下げて座ります。
みんなライブ中は立っていますが、
着替えの時間にスクリーンに映像が映っている間などは
腰を下ろします。
何度か立ったり座ったりを繰り返した後のアンコールの前、
ホールが暗くなったのでみんな立ち上がりましたが、
映像が始まり、登場はまだだったため、もう一度座りました。
その時です。隣から叫び声が聞こえました。
「椅子がない!」
見ると、ゆうさんが地べたに尻餅をついていました。
なんでそうなるの?ゆうさんが言いました。
「会社で、メダカが大きくなったらカエルになるの?
って言ったら笑われた」
「そりゃ、笑われるわ。
トンボの幼虫は何ていうか知ってる?」
「ミミズ?」
「ミミズはずっとミミズだよ」
「オケラ?」
「オケラもオケラだよ」
「アメンボ?」
「アメンボもアメンボだよ。
なに『手のひらを太陽に』に出てくるのを
順番に言ってんだよ」
「わかんない」
「ヤゴだよ」
「知らない」
少なくとも、ヤゴが大きくなったら何になるか知ってる?と
聞くべきでした。
※オケラは、ケラの俗称です。「で、カエルの子は何だかわかったの?」
「笑われただけ」
「歌になってるよ」
「ええ?」
私が曲をくちずさむと
ゆうさんが歌い出しました。
「♪おったまじゃくしはカエルの子~」
「ほら、出てきたじゃん」
大人の会話とは思えません。
この人、誰の子?FIFAワールドカップ2014。
日本時間の午前7時から、
日本はギリシャと対戦して0対0で引き分け、
決勝トーナメント進出が難しくなった。
近頃暇らしいゆうさんは会社を休んで、
会社がフレックスタイムの私は
いつもより出勤時間を遅らせてテレビ観戦した。
試合終了後、私がゆうさんに送ったメール。
「日本だめだな。一人少ないチーム相手に
1点も取れないなんて。
ギリシャのがきわどいシュートしてた」
ゆうさんの返信。
「引き分けだったね。あれはプロが出てたの?」
(ええっ!)
「みんな各国を代表するプロだよ」
「そうなんだ。プロ出せばいいのにと思ってた。
じゃ、仕方ないね」
この納得の仕方は何でしょう。
選手にとってこれ以上の屈辱はないかも。ゆうさんからメールが来ました。
「さっきテレビでふなっしーが出てたんだけど、
梨の妖精なんだって。ビックリ!」
「そうだよ。千葉県船橋市の非公認キャラ」
「鮒の子だと思ってた。
非公認なんてかわいそうね」
たしかに梨の妖精とはわかりにくいですが、
鮒の子だと思い込むのがさすがゆうさんです。ゆうさんは、布団のダニ退治には
高温にするのがいいと知り、
大きなものが乾燥できるコインランドリーに行きました。
そこのオーナーは乾燥の仕方や
乾燥機の性能について詳しく教えてくれたそうです。
私が聞きました。
「で、ダニは退治できるって?」
ゆうさんが言いました。
「それは恥ずかしいから聞かなかった」
「ええっ!そのために行ったんじゃないの?」
妙なことを恥ずかしがるゆうさんです。ゆうさんは外出中にトイレに行きたくなって
コンビニに入りました。
でも、あいにく使用中です。
ゆうさんは言いました。
「ウ○チが出ちゃう!」
間もなくトイレから男性が出てきてくれたので
ゆうさんは無事に用を足すことができました。
でも、ジロジロ見られたそうです。
そりゃ、そんなこと言う大人は
滅多にいないでしょうしね。
ゆうさん曰く、言うのは本能だそうです。
何が出ちゃうかまでは
言わなくてもよかったと思うんですが。FIFAワールドカップ2014。
日本時間午前5時から、日本はコロンビアと対戦して負けた。
同時刻に同じグループの別の試合も行われ、
日本は決勝トーナメント進出を逃した。
午前9時半過ぎにゆうさんから来たメール。
「昨日サッカーの試合あったんだよね?」
「のんびりした人だね。今朝ね。負けたよ」
「今朝目覚ましを5時にかけてTVつけたけど
外国人が試合してたから今日じゃないと思って
寝ちゃったの」
「さすが。同じ時間に別の局でやってたよ」
「こういう被害に遭った人がたくさんいると思う」
いるんでしょうか。
日本も残念だったけど、ゆうさんも残念!役員秘書のゆうさんは、
海外出張に行っている役員に連絡を取ろうと思い、
同僚にどうやって電話すればいいか聞いたところ、
「ふつうにかければいいですよ」
と言われました。
言われたとおり、ふつうにかけましたが
つながらなかったので同僚に言いました。
「ふつうに内線でかけたけどダメだった」
同僚には大笑いされました。
内線でかかるはずはありませんが、
ゆうさんの会社の役員の携帯電話は、
海外でもそのまま使える契約になっているそうです。ゆうさんの会社ではときどき
お客様を招いてパーティが開かれますが、
ある時ゆうさんは、
残っていた数十本のビールや高級な日本酒の
賞味期限が切れていることに気づきました。
ゆうさんは秘書室の20人ほどに声をかけ、
皆で分けることにしました。
ゆうさんも数本をいただいて家に持ち帰りましたが、
よく見ると、ゆうさんが見ていたのは賞味期限ではなく、
製造年月日でした。
会社もたまりませんね。ゆうさんは会社で、
書類をラミネート加工するため、
機械のある別のフロアに借りに行きました。
定型でない紙を挿入したところ、
つまってしまったので、押し出せるかと思って
A4の紙も挿入してみましたが、
それもつまってしまいました。
他の人に助けを求めましたが、
結局、業者さんを呼ぶことになりました。
自分の部署に戻ったゆうさんが同僚にそのことを話すと、
ここにもその機械はありますよと言われました。
ゆうさんは今までずっと
他のフロアに借りに行っていたそうです。FIFAワールドカップ2014。
ブラジルは準決勝でドイツに1-7の大敗。
試合終了後、ゆうさんからメールが来ているのに気づきました。
メールは前半0-5の時点のもの。
「ブラジルどうしたのかな?ネイマールがいないから?
1人足りないのかな」
「攻守の主力が二人欠けたのは痛いけど、
今回のブラジルは圧倒的な強さはないし、
それだけ微妙なスポーツなんだよね。
人数は同じだよ」
「そっか。人数は同じなんだね。
ドイツのが多いからずるいと思いました」
ドイツ、ずるくないです。FIFAワールドカップ2014。
準決勝アルゼンチン対オランダ戦は、0-0のまま
延長でも決着がつかず、PK戦でアルゼンチンが勝利。
試合終了後、ゆうさんからメールが来ているのに気づきました。
メールはPK戦の前に来たもよう。
「見てる?すごい試合だね!じゃんけんじゃなくてよかった。
ベルギーがんばれ!!」
ベルギー?オランダはベルギーに近いから間違えたかな。
私は返信しました。
「ベルギーって何?」
さすがに気づくと思いましたが、
次にゆうさんから来た返信は。
「え?メッシがいるチームだよ」
その後のやりとり。
「ベルギーにメッシはいない」
「ほんとだ。アルゼンチンだって。ユニフォームの色で
ベルギーだと思っちゃった」
あのユニフォームはどう見てもアルゼンチンなんですが。
2時間何を見てたの?ゆうさんは歯医者さんに行きました。
スリッパにはき替えて入り、
初診だったので問診票に記入していると、
看護師さんに言われました。
「大人用のスリッパはいてくださいね」
ゆうさんがはいていたのは
カエルの絵のついた子供用のスリッパでした。どうりで足がはみ出すわけだと思ったそうです。
なんでそれ選ぶかな。ゆうさんと私の会話。
「人間は食べなくっても生きて行けるらしいよ」
「そうなの?」
「『不食の時代』っていう映画もあるよ」
「腐っちゃうの?」
不食は造語でしょうけどね。
たしかに腐食したものは食べられませんわなあ。※腐食は主に金属に対して使われる言葉です。
私が言いました。
「昔はおもしろい喜劇役者がいっぱいいたんだよ」
「ふうん。顔を白く塗るの?」
「え?塗らないよ」
「目の周りとか赤くして」
「え?喜劇だよ。喜ぶ劇って書くんだよ」
「うん」
「……京劇!?」
「あ、そうだ」
ゆうさんが中国の京劇を知っていたのも
ある意味驚きでした。『紙兎ロぺ』(かみうさぎろぺ)は
フジテレビの番組『めざましテレビ』の中で
朝6時47分頃から2~3分放送されているアニメです。
下町を舞台にしたシュールな笑いが
私はとても好きで、ほぼ毎日見ています。
ゆうさんにも以前からその話しはしていましたが、
ある朝、ゆうさんからメールが来ました。
「今朝、紙吹雪ロぺ見たよ」私はK-POPガールズグループ『少女時代』のファンです。
ある日、ゆうさんからメールが来ました。
「昨日、朝日新聞に少女時代のアルバムの広告が載ってたからもらったよ。また渡すね」
「おお、朝日に出たんだ」
「うん。なんという大きさなのかな?新聞右ページ1枚分」
「右でも左でもいいけど、1ページなら全頁広告または15段広告。
中日新聞はこの間、全ページが12段になったけど、いまだに15段って言ってるね(^^)」
「へえ。さすが専門だね。中日新聞は小さくなったのかな」
そう思われるかなとは思ったんですが。
中日新聞は、1ページの段数を減らして、
1段ごとの文字数を増やし、文字を大きくしたってことです。
「たぶん、新聞を小さくするのは無理だと思う。輪転機ごと替えることになるから」先日の日曜日は西日本を中心に大型の台風が来ました。
各地に広範囲にわたって大雨洪水警報などが出され、
土曜日は東海地方でもテレビでは夜を徹して
「今まで経験したことのない台風が来ます。命を守ってください」
と繰り返していました。日曜日にゆうさんからメールが来ました。
「すごい台風だね。こんな大きい台風って知らなかったね。
早く教えてほしいよね」「さんざん言ってたよ」
ある朝、ゆうさんにメールしました。
「今日は一日メルサの撮影立ち会い」
私は広告代理店でアートディレクターをしていますが、
メルサさんは私が担当させていただいているファッションモールです。
ゆうさんから返信が来ました。
「すごいね!!メイサかわいいかな」
「黒木メイサじゃねえよ!」
タレントさんの撮影にもときどき立ち会いますが、
この日はモデルさんの撮影でした。ある朝、ゆうさんからメールが来ました。
「すごいよ!!広場のイベント早くも14名参加みたい」
広島でのイベントを告知したところだったので、
間違えたなと思いましたが、私は次のように返信しました。
「どこの広場?」
すると、ゆうさんの返信は、
「広場じゃありません!!広島です!!」
自分が間違えたのに開き直ったか?
と思いましたが、すぐまたメールが来ました。
「あれ?ゆうが間違ってたの?」
(まだ気づいてなかったのかよ!)
「はじめから間違えたのはわかってて聞いたんだけどね」
「今日はつっこめたなと思ったのに」ある日のゆうさんとのメール。
「そういえば、お笑いコンビのボケとツッコミは
1人がすごくボケてるからボケ専門なの?」「ボケとツッコミの役割は分かれてるね」
「自分たちで決めるの?」
「だいたいそうじゃないの」
「そっか。私たちまだ決めてなかったね。
どうする?ゆうがボケでいいですか?」「天然はまた別でしょう」
「また別なの?」
「ほんとにボケてたら漫才はできないよ」
「まだそんなに本気でボケてないけど」
「えっ!?」
「本当です。がんばればツッコミもできるよ」
「漫才コンビ組んでいませんから」
「組んでないです!ふだんの分担のことです」
「ではなおさらツッコミは無理です」
先日、私は右足の付け根が痛み、
一時、歩行が困難になりました。
ゆうさんにその旨メールで伝え、
やりとりしていましたが、
ゆうさんからのメール。
「付け根というのは太ももの上のあたり?
それとも足首なのかな」
「股関節。足首じゃないよ」
「足首じゃないの?
一般的にはそうなのね」
ゆうさんの足の付け根は足首のようです。ゆうさんとテレビで高校野球を見ていました。
その試合は先頭打者が初球でヒットを放ち、
試合開始のサイレンが鳴りやまぬうちに出塁しました。
私が言いました。「すげえ。先頭打者が初球でヒットだ」
「もう始まったの?」
「見てたでしょ。試合開始のサイレンがウ~って鳴ったじゃん」
「練習かと思った」
そんな練習ねえよ。
ゆうさんからメールが来ました。
「今日もアリのようなゆうです」
「腰がくびれてるのかな」
「もう!くびれてないの知ってるくせにー」
「じゃ、勤勉に働いてるってこと?」
「もお!勤勉でもありません!!」
「じゃ、どういう意味?」
「んーもお!
ありんこみたいにかわいいという意味です!!」
わかんねえよ!ゆうさんの会社ではお昼前に、
めいめいがランチを選んで注文します。
その日のサンドイッチは、今まで食べたことのない
『男爵スティックバー』というメニューでした。
みんなで「フライドポテトがはさんであるのかな?」
などと話していましたが、
届いてみると、はさんであったのは細長いコロッケでした。
みんな「予想と違ったけどおいしい」
と言って食べていたので、ゆうさんも
「おいしい!」と言いました。
でも、ゆうさんは気づいて言いました。
「あたしサンドイッチ食べてなかった」
会社でもよく笑われるゆうさんです。バレーボールワールドグランプリ2014
日本VSトルコ戦の翌日、
ゆうさんからメールが来ました。
「昨日のバレー日本が白のユニフォームじゃなかったんだね」
「昨日は飲み会だったから見てないんだけど、
トルコを応援してたの?」
「ううん。もちろん日本を応援してました!
白に赤のユニフォームが日本だと思ってたらトルコだった。
日本は黒だったみたいです」
(気付かずにトルコを応援してたのかと思った)
「見ればわかりそうなもんだけど」
「梅干しカラーは日本だと思ったの」
(白に赤は梅干しなんですかね)※気付いてみれば、日本の国旗も日の丸弁当も、白に赤なんですが、
ゆうさんもそれを意識していたわけではなかったようです。ゆうさんのカーナビの無料更新期限が
近々切れるということなので、
私がゆうさんのうちまで作業をしに行きました。
昨年は車のシリアルナンバーの記してある紙が見つからず、
大騒動になったので、今回はすぐ出すように言いました。
ゆうさんは、今年は大丈夫と自信満々で
昨年あったところのクリアファイルを持ってきました。
そしてページをめくっていましたが……ありません。
青くなって車に探しに行きましたが、
「なかった」と帰ってきました。
他のクリアファイルを調べても、ありません。
そんなばかなと今度は私も車まで行って
ダッシュボードなどを探しましたが、やはりありません。
トランクの下にも収納場所があるのですが、
そこに入れた記憶はないようだし、
雨が土砂降りだったため開けませんでした。
とりあえず更新の作業は進めていましたが、
今年パソコンを買い換えたため、
新たにCD-ROMから地図ソフトのインストールをし、
ネットで最新地図がダウンロードできるサイトに行きました。
そこで必要になったのがID番号とパスワード。
昨年もやっているはずですから、これもどこかにあるはずです。
ゆうさんはいろいろなID番号やパスワードを書いた紙を
出してきましたが、そこにはありませんでした。
八方ふさがりになりかけたとき、
ゆうさんが大きめのポストイットに書いたメモを見つけました。
そこには必要なID番号、パスワード、車のシリアルナンバーが
書いてありました。
地図のダウンロードサイトでは、昨年もやっていたため、
結局、車のシリアルナンバーは必要なかったのですが、
そうして無事にカーナビは更新することができました。
昨年、シリアルナンバーの記した紙は、
カーナビをはずす時に必要なボルトと一緒にあったのですが、
ポストイットには、ボルトはトランクの下のボックスと書いてありました。役員秘書のゆうさんは、
担当している役員の出張のホテルを予約するため
電話しました。
相手が出たので「あ~」と言うと、
英語でべらべらべら~っとしゃべってきました。
外人だと思われたようです。以前、駐車場で車を間違えたゆうさんですが、
またある駐車場でゆうさんと私は車に戻るため、
並んでいる車のフロント部分が見えるところを
歩いていました。
ゆうさんの車は赤のプリウス。
ゆうさんの車の何台か手前に
赤のアクアがありました。
ゆうさんがアクアに近づいて行ったので
私は言いました。
「それアクアだよ!」
ゆうさんは戻ってきて言いました。
「前は何だった?」
「前はプリウス」
納得しているふうなゆうさんを見て
「プリウスならいいってもんじゃないよ!」最近は天候が不安定なので、傘を持たないと外出できません。
ある日、ゆうさんは会社に行ってから出張し、
その日はそのまま会社に戻らずに帰りましたが、翌朝のメール。
「会社に来たら長い傘と折りたたみが
机に置いてあったのでみんなに笑われた。
会社には持ってきたんだけど
出張には持っていかなかったの」
「さすが。ご丁寧に全部置いてったのね」
「うん。全部置いてったら土砂降りだった。
道中も(雨が降ったらどうしよう…)と心配だったよ。
昨日出張に一緒に行った人に
『青木さんの隣の席になったら
青木さんが天然だってことがわかった!』
って言われた。ばれてたんだ…」
やっと本人も気づいたようです。ある日の夜、ゆうさんからメールが来ました。
お昼にパンが食べたくなったので買って食べたそうですが、
あとで、会社のランチでもパンを頼んでいたのに気づいたとのことです。
「頼んだパンはどうしたのよ」
「持って帰ってきたので夕飯にします」ゆうさんは会社で書類をシュレッダーにかけていました。
ゴミがいっぱいになったので本体からゴミ箱を外し、袋を替えました。
でもそれを戻す前に
また書類をシュレッダーにかけてしまいました。
あーあ。お昼にパンが食べたくなったので買って食べたあとで、
会社のランチでもパンを頼んでいたことに気づき、
持って帰って夕飯にしたというボケ事件の
facebookのコメント欄より、ゆうさんと私のやり取り。
「この日私が食べるはずだった会社のパンは、誰が食べてないか、
誰も名乗ってこないから誰かが引き取ろうという話になったようで、
同僚の一人が買い取ったみたいです」
「持って帰ってきたパンは何だったんだろう」
「味噌カツバーガー」
「そういう意味じゃねえよ」
「そうなの?」
「 同僚の一人が買い取ったなら、持って帰るパンはないはずでしょ」
「あ、そういうこと。同僚が買い取ったパンを奪い返しました」
「食べたかったわけね(^^)」
「食べたかったわけ」ゆうさんの家の近くの知り合いの呉服屋さんで、
私が講演で落語をする時に着る着物を作りました。
帯を締める時に補助のために巻く細い帯を
サービスでいただき、持ち帰ったのですが、
なくてもできそうだったのでお返しすることにしました。
ゆうさんに返却をお願いしていたところ、
なかなか返せる機会がなかったようですが、
しばらく経ってゆうさんから、
お詫びしなければならないことがありますと
メールが来ました。
帯はいつでも返却できるように車の後部座席に
置いておいたのだが、なくなってしまったとのことでした。
バッグを下ろす時に落ちたのかもしれないと。
私が次にゆうさんのうちに行った時、もう一度一緒に探しました。
後部座席の周り、前のシートの下、背もたれのポケット、
トランクの荷物を全部出して、その下まで探しましたが
ありませんでした。
私は着物を買った時、ゆうさんがその帯を家の奥の部屋に
持って行ったところまでは知っていたので、
一応そこも探してみることにしました。
その部屋には私の着物の包装紙だけが置いてありました。
「ないでしょ」と言うゆうさんの声を聞きながら、
私は何気なくその紙の一部をめくりました。
そして、次の瞬間私の目に飛び込んできたものは、
まさしく探していた帯でした。
ゆうさんの、車の後部座席に置いたという記憶はいったい……ゆうさんが歌っていました。
「うさぎおいしかのやま、
こぐま……なんだっけ?」
「こぶなつりしだよ」ある日、会社にいるゆうさんからメールが来ました。
「今朝バスで来たんだけど、乗った直後に
次の停留所で降りるボタンを押しちゃって
次の停留所では誰も降りず
『まちがえました!』って大声で言うハメになりました」
別に黙っていても降りる人がいなければ
バスは走りだすと思うんですが。
正直な人です。現在放送中のNHKの朝ドラ『花子とアン』について
ゆうさんが言いました。
「『花子とアン』っていつまでやるの?」
「9月までじゃないの」
「『赤毛のアン』はいつ訳すの?」
「原語の本は出てきたでしょ」
「今からじゃ間に合わないんじゃないの?」
「ドラマなんだから、はいできましたで終わりじゃない」
「でも、赤毛のアンを翻訳するドラマなんでしょ」
「『赤毛のアン』を翻訳した村岡花子の生涯を描くドラマでしょ。
『赤毛のアン』を翻訳するだけのドラマだと思ってたの?」
「うん。なんで子ども時代なんかやってるんだろうと思った」
「NHKの朝ドラは『おしん』とかだって生涯を描いてるじゃん。
ずっと翻訳してたってつまんないでしょ」
「書いてくしゃくしゃぽいってするんだと思ってた」
ゆうさんは完全にイメージを裏切られたようです。