本館は弘道館の中心建物で正門を入り、切石を敷いた道が斜めに玄関に導いている。大玄関には「弘道館」の扁額が掲かる。正面奥に大広間、その左方に三室が続き、ここを正庁という。最も奥の大室は正席で藩主出座するところ、大床には「弘道館記」の拓本大幅が掛かり、わき床の天袋襖絵の「老梅」は版画家萩谷巷喬の筆。そのナゲシには「遊於芸」の大扁額が掲かる。正庁前庭は対試場として武術の試験が行われた。
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