廿日市変電所の平面概要
 変電所の平面形状はほぼ正方形であり、間口が11.52m、奥行が12.15mの総2階建てである。線路側の正面階段から入ると2階部分の南床と1階中通り壁部分から少し上がった北床とになっており、現在南室は配電盤などが設置され、北室はシリコン整流器が2基設置してある。
 設計図によると南床部分には下階からの6ケ所の柱型及びその上に3ケ所の機器礎があることや杭の本数などから発電機1基と回転変流機2基の重量設備が設置されていたものとみられる。
 1階部分は中通り壁で2室に分かれており、南室には6ケ所の柱型があって室内空間は狭いものであったが現在は柱型が取除かれて鉄骨柱が設置してある。
 設計図によると北室には東出入口から長さ30尺(9.09m)、幅6尺(1.82m)、深さ1.6尺(0.49m)のピットが設けられており、その中には幅4.1尺(1.24m)の間隔でレールが敷設されていたが現在は土間となっている。この軌道施設は汽力(蒸気機関)の燃料である石炭を運搬するトロッコが設置されていたものと思われる。
 現在南室は制御盤・蓄電池などが設置され、北室はコンクリートブロックで区画された高圧室が設けてある。
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