生見の鉄燈籠
この鉄燈籠は山口県美和町大字生見の覆屋の中に建立されており、腐食による損傷が激しいために数年前に修補された。この鉄燈籠は重要な金工資料として山口県有形文化財に指定されている。
鉄燈籠は腐食が激しく銘文の判読は不可能であるが防長地下上申に銘文が記録されており、これによると山代衆の中村安堅が先祖の菩提を弔うために、天文15年(1546)に建立したもので、鋳工は廿日市之住の綱家であった。 鉄燈籠には火袋の中及び勾欄に地蔵菩薩が安置されていた供養燈籠であったが、地蔵菩薩は盗難で無くなっている。
鋳工の綱家は他の史料から久枝氏を称していたことが知られ、これらについては小稿、『宇佐の鉄燈籠鋳工についての一考察』 「山口県地方史研究」 第65号 山口県地方史学会 平成3年5月、に詳述している。廿日市の鋳物師 中世・近世初頭の廿日市鋳物師作品一覧表