呉要塞地帯区域標石
呉要塞地帯区域標石、呉要塞第二区地帯標石、呉要塞第三区地帯標石は要塞地帯法に基づいた陸軍・海軍省連帯告示によるもので、呉要塞地帯区域標石は宮島町弥山の奥の院から岩船岳に至る尾根筋に五基と紅葉谷道で一基確認し、安芸区の絵下山系で一基確認出来た。 　呉要塞第二区地帯標石は入船山記念館内に一基移設されているがどこに建立されていたものかは不明である。呉要塞第三区地帯標石は宮島町の鷹ノ巣高砲台跡に至る道脇に一基と南区似島町の似島学園南端付近の道路脇に一基、呉市の灰ケ峰山系で一基確認した。また、入船山記念館内に一基移設されているがどこに建立されていたものかは不明である。 これらの標石は花崗岩製の１５�p角で９０〜１３０�pの高さで建立してあり、転倒しているものをみると埋込み部分を含めた全長は１４５�pであった。 　呉要塞地帯区域標石の銘文は一面に「呉要塞地帯区域標」、二面に「大正十五年八月」、三面に「海軍省」、四面に「第〇〇号」と通し番号が刻されている。また、呉要塞第二区及び第三区地帯標石には一面に「□呉要塞第二区地帯標」、「□呉要塞第三区地帯標」とあり、上部には第二区、第三区を表わす記号が「ＦＺ　２ＮＤ　Ｚ」、「ＦＺ　３ＲＤ　Ｚ」と刻してある。二面、三面、四面は前者と同じ刻銘である。 　前項の呉要塞地区域は明治３６年（１９０３）に広島湾要塞区域と改称され大正１５年（１９２６）７月３１日に陸軍・海軍省連帯告示で廃止された。同日新たに陸軍・海軍省連帯告示で呉要塞地帯区域が制定され翌８月1日よりこれが施行された。 　これらの区域内では要塞地帯法や要塞地帯法施行規則による禁止事項や制限が引き続いて行われていたのである。また、昭和１２年（１９３７）１０月７日陸軍省令軍機保護法施行規則で要塞地帯外方３５００間（６３７０ｍ）の区域内での航空制限、呉要塞近傍で北緯３４度２０分以南、北緯３３度５０分以北、東経１３２度１５分以東、東経１３２度４５分以西の区域内（市町村名は略す）での水陸の形状若しくは施設物の測量、複写などにも許可を得るよう制限が加えられていた。
呉要塞地帯区域標石(大正１５年８月)
標石番号	所　在　地	備　考
第８号	呉市・旧黒瀬町境　岩山山系
第１６号	呉市・旧黒瀬町・旧安浦町境
第５９号	廿日市市宮島町　岩船岳縦走尾根　大川浦道〜岩船岳間
第６０号	廿日市市宮島町　岩船岳縦走尾根　大川浦道〜岩船岳間
第６１号	廿日市市宮島町　岩船岳縦走尾根　大川浦道分れ
第６２号	廿日市市宮島町　岩船岳縦走尾根　大元道〜青海苔道間
第６３号	廿日市市宮島町　岩船岳縦走尾根　大元道〜青海苔道間
第６６号	廿日市市宮島町　大元谷道１２丁碑横
第６８号	廿日市市宮島町　紅葉谷道８丁碑上
第８４号	広島市安芸区　　明神山系	情報提供より　発喜のしおり第８６号
第８５号	広島市安芸区　　絵下山・市光山・明神山道三叉路
第８６号	広島市安芸区・呉市・安芸郡坂町境	情報提供より
呉要塞第一区地帯標石(大正１５年８月)
第1号	呉市阿賀町	(現在呉市阿賀町　Ｈ宅内)
第１７号	呉市音戸町　砲台山山系
第６５号	江田島市　大須山山系
第７２号	江田島市　砲台山山系
呉要塞第ニ区地帯標石(大正１５年８月)
第３２号		(現在呉市幸町　入船記念館内)
第３３号	呉市音戸町　砲台山山系
第４５号		(現在音戸町田原　丸平水産内)
第５５号	呉市倉橋町　火山山系
呉要塞第三区地帯標石(大正１５年８月)
第９号	呉市　灰ヶ峰山系
第２６号	呉市　吉松山系
第２８号	呉市　白岳山麓
第３０号	呉市　螺山山系
第５１号	江田島市　陀峯山系	御教示頂いたサイト　江田島って・・・どんなとこ？
第７４号	廿日市市宮島町　鷹の巣高砲台道脇
第７９号	広島市南区似島町　似島学園南端道路脇
第８８号		(現在呉市幸町　入船記念館内)
呉要塞第？区地帯標石(大正１５年８月) 　一面「呉要塞第？区地帯標」と三面「海軍省」が削り取られている。
第７４号		(現在岩国市柱島　賀茂神社境内)
第７５号		(現在岩国市柱島　賀茂神社境内)
第７６号		(現在岩国市柱島　賀茂神社境内)
第７７号		(現在岩国市柱島　賀茂神社境内)

近代戦争制限区域標石