1996年

週刊文春ミステリーベスト10(国内編) (海外編)
不夜城 馳 星周 死の蔵書 ジョン・ダニング/宮脇 孝雄 訳
左手に告げるなかれ 渡辺 容子 バースへの帰還 ピーター・ラヴゼイ/山本 やよい 訳
蒲生邸事件 宮部みゆき 敵手 ディック・フランシス/菊池 光 訳
奪取 真保 裕一 ホワイト・ジャズ ジェイムズ・エルロイ/佐々田 雅子 訳
鉄鼠の檻 京極 夏彦 鉄の枷 ミネット・ウォルターズ/成川 裕子 訳
絡新婦の理 京極 夏彦 千尋(ちいろ)の闇 ロバート・ゴダード/幸田 敦子 訳
星降り山荘の殺人 倉知 淳 ラスト・コヨーテ マイクル・コナリー/古沢 嘉通 訳
すべてがFになる 森 博嗣 われらのゲーム ジョン・ル・カレ/村上 博元 訳
名探偵の掟 東野 圭吾 原罪 P.D.ジェイムズ/青木 久恵 訳
10 凍える牙 乃南 アサ 10 五匹の赤い鰊 ドロシー・L.セイヤーズ/浅羽莢子訳
雪蛍 大沢 在昌 ローズ・マダー スティーヴン・キング/白石 朗 訳

 

このミステリーがすごい!’97(国内編) (海外編)
不夜城 馳 星周 死の蔵書 ジョン・ダニング/宮脇孝雄訳
奪取 真保裕一 ホワイト・ジャズ ジェイムズ・エルロイ/佐々田雅子 訳
名探偵の掟 東野圭吾 バースへの帰還 ピーター・ラヴゼイ/山本やよい 訳
蒲生邸事件 宮部みゆき 敵手 ディック・フランシス/菊池光 訳
海は涸いていた 白川道 友よ、戦いの果てに ジェイムズ・クラムリー/小鷹信光 訳
蒼穹の昴(上・下) 浅田次郎 罪深き誘惑のマンボ ジョー・R.ランズデール/鎌田三平 訳
鉄鼠の檻 京極夏彦 ラスト・コヨーテ(上・下) マイクル・コナリー/古沢嘉通 訳
家族狩り 天童荒太 原罪(上・下) P.D.ジェイムズ/青木久恵 訳
雪蛍 大沢在昌 スリーパーズ ロレンゾ・カルカテラ/田口俊樹 訳
10 人格転移の殺人 西澤保彦 10 われらのゲーム ジョン・ル・カレ/村上博元 訳

 

  受賞作(作者) 候補作(作者)
江戸川乱歩賞 左手に告げるなかれ(渡辺容子) 閻魔のいるミートパイ(桃河和行),魔笛(野沢尚),サンキュウ・デール(山瀬球平),ペトロバグ(高嶋哲夫)
横溝正史賞 ノーペイン・ノーゲイン(坂本善三郎;優秀作) 夏色の軌跡(西浦一輝,佳作)
サントリーミステリー大賞 八月の獲物(森純) 火の壁(伊野上裕伸,読者賞)、
鮎川哲也賞 海賊丸漂着異聞(満坂太郎) 朱の絢爛(柄刀一),唖吼の輪廻(舞子悦司),凶獣の森(山瀬翠)
日本ホラー小説大賞(長編部門)  − ISOLA(十三番目の人格 −ISOLA)(貴志祐介,佳作)、夢都伝説(妹尾俊之)、夏の想い出(小原夕奈)
日本ホラー小説大賞(短編部門)  − ブルキナ・ファソの夜(橋本滋之,佳作)、生き写し(須藤洛夜)、夏のおもいで ファントム イン サマーパラダイス(長島槙子)、ロシュフォールの箱(中澤健一)
日本推理作家協会賞(長編部門) ソリトンの悪魔(梅原克文)
魍魎の匣(京極夏彦)
 
日本推理作家協会賞(短編部門) カウント・プラン(黒川博行)  
日本推理作家協会賞(評論部門)  −  
直木賞(春) 恋(小池真理子)
テロリストのパラソル(藤原伊織)
巴里からの遺言(藤田宜永)、龍の契り (服部真澄)、スキップ(北村薫)、異形の寵児(高橋直樹)
直木賞(秋) 凍える牙(乃南アサ) 蒼穹の昴(浅田次郎)、カノン(篠田節子)、仄暗い水の底から(鈴木光司)、人質カノン(宮部みゆき)
山本周五郎賞 家族狩り(天童荒太)  

 

1996年マイ・ベスト10(READ) 作品に対するコメント
タイムリープ あしたはきのう 高畑 京一郎 ハマりました。なんといっても10回以上再読した作品ていうのは、いまだかつてこの作品だけです。→感想文
彼女が死んだ夜 西澤 保彦 驚異的なハイペースで刊行される西澤作品の中で、SFがかっていないので安心して読んでいたら、とんでもないどんでん返しが待っていた、という傑作。→感想文
玩具修理者 小林 泰三 表紙とタイトルでピンときた本で、本当に良い作品だったのでうれしかったです。私の選球眼も捨てたものではない(笑)。→感想文
すべてがFになる 森 博嗣 ちまたに賛否両論を巻き起こした問題作。ここに登場する「密室に入るトリック」は、とんでもなく凄いと思います→感想文
パワー・オフ 井上 夢人 そんなことは実際起こりえないよな〜、と思いながらも引き込まれてしまう不思議な井上ワールドを満喫できる一作でした。→感想文
フォックスの死劇 霞 流一 お馬鹿な謎とシリアスな謎解き、このミスマッチをここまでまとめてしまうのは、それだけで著者の力量が理解できるというものです。→感想文
退職刑事3 都筑 道夫 シリーズものでよくあるパターンとしては、3巻目くらいが脂の乗りきって絶好調になるか、さもなければ落ち目になるものですが、これは前者。シリーズ4,5を読むのを楽しみにさせてくれる一巻でした。→感想文
奪取 真保 裕一 真保裕一の取材能力が遺憾なく発揮された作。京極と並び賞されるミステリ界の新鋭だけのことはある。
悪意 東野 圭吾 犯人を指定した後、動機の解明だけで読者の興味を持たせられるかどうかに挑戦した実験作(?)。さすが東野圭吾です。→感想文
10 妖異金瓶梅 山田 風太郎 設定といいトリックといい動機といい、すべてについてとんでもないぶっ飛び作品。風太郎を今まで読んでなかったことが悔やまれます。→感想文
苦い雨 樋口 有介 →感想文
  どちらかが彼女を殺した 東野 圭吾 →感想文
  蒲生邸事件 宮部 みゆき  

※これまではその年に出版された本の中からベスト10を選んでいましたが、今回から、その年に読んだ本の中からのベスト10に変更します。

その他印象に残った作品

長編小説
 林檎の木の道      樋口 有介
 朽ちた樹々の枝の下で  真保 裕一
 国書偽造        鈴木 輝一郎
 同じ墓のムジナ     霞 流一
 鉄鼠の檻        京極 夏彦
 絡新婦の理       京極 夏彦
 マイナス・ゼロ     広瀬 正
 パラサイト・イヴ    瀬名 秀明
 麦酒の家の冒険     西澤 保彦
 冷たい密室と博士たち  森 博嗣
 笑わない数学者     森 博嗣
 東亰異聞        小野 不由美
 蝦夷地別件       船戸 与一
 蒲生邸事件       宮部 みゆき
 夢にも思わない     宮部 みゆき
 不夜城         馳 星周
 腐食の街        我孫子 武丸
 日本沈没(上・下)   小松 左京
 夏の災厄        篠田 節子
 絹の変容        篠田 節子

短編集
 退職刑事1       都筑 道夫
 退職刑事2      都筑 道夫
 名探偵の掟       東野 圭吾
 カウント・プラン    黒川 博行
 幻色江戸ごよみ     宮部 みゆき
 眼球綺譚        綾辻 行人
 もつれっぱなし     井上 夢人

海外作品
 新車の中の女      セバスチャン・ジャプリゾ
 怪奇小説傑作集3    H.P.ラヴクラフト 他
 摩天楼の身代金     リチャード・ジェサップ
 緑は危険        クリスチアナ・ブランド
 星を継ぐもの      ジェイムズ・P.ホーガン

ノンフィクション・エッセイなど
 リアルタイム日本史   明石 散人
 続「超」整理法・時間編 野口 悠紀雄
 人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ  ロバート・フルガム
 隣のサイコさん(別冊宝島281)
 津山三十人殺し     筑波 昭
 闇に消えた怪人     一橋 文哉
 アヤツジユキト 1987−1995 綾辻 行人
 ミステリー倶楽部へ行こう      山口 雅也
 奇想の源流 島田荘司対談集  島田 荘司


←戻る