実験・インターネットはどこまで「使える」か?

 さて、すっかり身近になったインターネットですが、実際に自分が知りたい情報をどれだけ入手できるものなのか、テーマを決めて検証してみよう、というコーナーです。検索には検索のテクニックが必要で、世の中にはそれこそ「検索達人」と呼ばれる人たちもいるという話ですが、ここは私程度の中途半端な知識と技術を持ったものがやるとどうなるか、試してみたいと思います。

第1回:「ウルトラセブン第12話」

はじめに:
 特撮ファンの私としては非常に気になるこのテーマです。知ってる人は知ってるこのテーマですが、一応簡単にご説明を。
 昭和42年に放送されたウルトラセブンには、現在再放送はもとより、ビデオ、LD,DVDにも収録されず、作品を紹介した各種活字メディアにも「欠番」として扱われている第12話というものが存在しています。調査開始の時点で私が知っていたのは、タイトルが「遊星より愛をこめて」、登場する宇宙人がスペル星人、ゲストで桜井浩子さん(ウルトラQの江戸川由里子、ウルトラマンのフジ隊員を演じていた方)が出演していること、などです。欠番になった経緯は、被爆者への差別を助長するとして抗議を受けたため、と聞いています。

目的:
 このように、現実(リアル)の世界ではほとんど詳細を知ることが出来ないウルトラセブン第12話について、インターネット(ヴァーチャル)の世界でどれだけ調べることができるか検証する。

方法:
 キーワードを適当に選んでyahooなどの検索ページで調べるのが一般的です。私は普段インターネットNinja2001(アイフォー)を使用しているので、これに付属している稲妻サーチで複数の検索ページを調べています。あまり多くの検索ページを使用しても時間がかかるしダブリが多いし、ということで、gooyahooの2種で検索することにしました(yahooを使用すると、googleでも検索してくれるので、実質は3種の検索エンジンを使用することになります)。キーワードはなるべく特殊なもので、複数のキーワードを使用すると精度よく目的の情報に当たります。今回は「ウルトラセブン」「遊星より愛をこめて」「スペル星人」をキーワードとして検索しました。引っかかってくるページが多すぎる場合はキーワードを増やし、少なすぎる場合はキーワードを減らして再検索することにします。

結果:
 gooで42件、yahooで121件のヒットがありました。ヒット件数としてはこれで多すぎるので、本来ならキーワードを増やして再検索するべきなのでしょうが、適当なキーワードが思いつかなかったので、条件に合っていそうな感じのページを選んで何件か読むことにしました。すると、もう12話のストーリーから見所から欠番に至る経緯から、現在出回っている海賊版ビデオの種類まで詳しく解説してありました。で、そこからリンクされている関連サイトに飛ぶことによって、さらに情報が得られます。スペル星人の鮮明な画像も初めて見ることが出来ました。
 もう一つ収穫といえば、現在出回っている海賊版ビデオのことです。12話が封印されたのは昭和45年のことですから、当然家庭用ビデオなどというものは普及しておりません。従ってどういう経緯で海賊版が出回るに至ったのか、というのが実は一番の謎だったりするわけです。私はテレビ局やプロダクションの内部事情には詳しくないのですが、当時のそういう状況を考えると、内部から流出したと考えないことには説明がつきません。で、こういう疑問についてもあちこちのページで様々な推理がなされており、それが私にはまるでミステリを読んでいるように感じられ、わくわくしてしまいました。

おわりに:
 というわけで、第1回は大成功でした。調査を終えてみると、テーマとしては簡単すぎた嫌いすらあります。おそらく、一般のメディアではなかなか取り上げることが難しいテーマなので、逆にインターネットの世界では取り上げようという方が多いのかもしれません。
 では、最後に今回の調査で特に役に立ったサイトを紹介します。いずれも特撮やウルトラシリーズに対する深い愛情が感じられる素晴らしいサイトです。
(ただ、困ったことに、下記4ページのうち直接検索されたのは「偽善者通信」だけでした。あとの3ページはリンクをたどっていくことでたどり着いたものです。実際に目的のテーマについて専門に調査・情報公開しているページが一発で検索されない、というのが現行の検索エンジンの抱える問題点なのかも)

偽善者通信」内「もっと!遊星より愛をこめて」のページ
712資料館
江古田駅前公民館
Super星より愛をこめて」内「ウルトラセブン第12話」のページ


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