ひぐらしのなく頃に 推理の時間
鬼隠し編
驚異の大天才、どくたあうえーすぎ。であるぞ
「・・・」
どうした。武田。
「なにをやっているのかニャ」
いや、3文字まであの、天才と何とかは紙一重。どちらかというとむこうがわの方と同じ事に気がついてな。ちょっとお茶目をやってみたのだ。もう、精神的にずたずたなのだ。
(溜息)
「で、どうなのかニャ。犯人の目星はついたのかニャ」
いや、情報少なすぎ。ラストで新しい人物出てくるなぞ掟破り以外の何物でもないし。しかも、本来ならば完全な形で残らなきゃいけない手記はねつ造されるし。もう、ミステリーの定義をぶち破ってるぞ。
「ホラーかも知れないという所以ニャ」
ノックスの十戒。知ってるか。武田。
「(1)犯人は小説の初めから登場している人物でなくてはならない。又、読者が疑うことの出来ないような人物が犯人であってはならない。(例、物語の記述者が犯人)
(2)探偵方法に超自然力を用いてはならない。(例、神託、読心術など)
(3)秘密の通路や秘密室を用いてはいけない。
(4)科学上未確定の毒物や、非常にむつかしい科学的説明を要する毒物を使ってはいけない。
(5)中華人を登場せしめてはいけない。(西洋人には中華人は何となく超自然、超合理な感じを与えるからであろう)
(6)偶然の発見や探偵の直感によって事件を解決してはいけない。
(7)探偵自身が犯人であってはならない。
(8)読者の知らない手がかりによって解決してはいけない。
(9)ワトスン役は彼自身の判断を全部読者に知らせるべきである。又、ワトスン役は一般読者よりごく僅か智力のにぶい人物がよろしい。
(10)双生児や変装による二人一役は、予め読者に双生児の存在を知らせ、又は変装者が役者などの前歴を持っていることを知らせた上でなくては、用いてはならない。
という奴ニャ」
もう、破りまくりだろう。特に(4)番と(8)番。
「そうニャ。でもま、順々に考えていくニャ」
その1 カメラマン氏の死因は?
まず、これが最大の問題。自分で自分の頸動脈を掻きむしるなんて。素面では無理。いや、酔っぱらったってしないであろう。ならばまず考えられるのは毒物。
「でも、薬物は検出されてないニャ」
その通り。炭酸ガスあたりが臭いかなとも思ったのだが。あのあたり、電話ボックスもなさそうだし。
「電話ボックス?」
電話ボックスに入れて、炭酸ガス流し込んで窒息死。
「でも、炭酸ガスくらいでのど掻きむしるかニャ」
だから、本編でも言ったが落として意識不明にしてから、押さえつけて殺す。これしかないんじゃないかと思うのだが。
「でも、動機は何かニャ」
この作品はミステリーじゃないのだよな。たぶん、動機は未だ明かされていないダム建設に関する醜聞(スキャンダル)をカメラマンが触れてしまった事。だと思うのだ。それを村係で祟りに見せかけて隠蔽した。これ、鉄板じゃないかなあ。ミステリーだとしたら。
その2 何で主人公が狙われた?
常識的なところで言うと、警察官殺すよりは、中学生殺した方が簡単。という話だな。
「はあ?」
要するに、刑事への脅迫。貴様の手先の様になりたくなければ、手を引け。
「それだけで狙われたのかニャ」
まあ、常識的なところではだ。
次は、何としても主人公を殺さなければならなかった。行方不明の少年との絡みで。ただ、これは証拠が少なすぎる。
「確かにニャ」
でもって、主人公の精神状態だが、少々不安定すぎる。おそらく、これ、何も提示されていないが、転校の理由があったのではないかと愚考するのだ。で、やっぱり精神的に脆いレナとぶつかった。脅迫なんて、受け取り側でいくらでも変わるからな。
豹変も、実は、感情の抑制のきかなくなった状態のレナを主人公が過敏に反応して受け取ったからかもしれないし。魅音は村の支配者である園崎の孫として五月蠅い刑事の手下になろうとしている主人公に対して態度が変わるのは当然だし。まあ、納得できなくもない。以上、ミステリー編。
「ホラー編ならどうなるニャ」
実は、園崎の人間は特殊な能力を持っていて一族の人間の目を通してものが見えたり、喋ったりする。「おじさん」という口癖はそれ故だ!
「いくらなんでも、それはないニャ」
私もそう思う。
その3 主人公の死
「バッドエンド一直線の主人公の死は、どうなるニャ」
うーむ、やっぱり何らかのガスじゃないかな。そう思うのだ。電話ボックスでガスを流し込まれる。なんかそうでも思わないと解決しないのだよなあ。まったく。
「アレルギーとかはどうかニャ」
アレルギー?
「僕の従兄弟は、蕎麦アレルギーニャ。蕎麦茹でたお湯で茹でたうどんが唇に触れただけで唇が腫れ上がるニャ。そんな感じでアレルギーを誘発する事は可能なのかニャ」
確かに、風邪の注射と2回目の注射。スズメバチの毒は2回目に刺されるとショックを起こすんだが、それって、時間差で現れるものか。
「確かにニャア。じゃあ、こんなのはどうかニャ。風土病があって、感情の起伏によりホルモンバランスが崩れると発病するのニャ。そのワクチンを主人公に注射使用としたのだが、それを拒否して逃げ出したので死亡」
そりゃあ、アンドロメダ病原体でもあるまいし。それに、今まで雑文書き殴ってきたけれど、過去の事件との関連が薄すぎるのだよな。これって。
「確かにニャ」
どうやら、シナリオ全部解いてなんぼみたいだし、もう一つシナリオやってから考えるべきなのかもな。
「精神的に、持つのかニャ」
なに、最初からそういうゲームだと思えば、対応のやりようもあるさ。
「早瀬の鬼畜モード行けなかった癖にニャ」
それは貴様も同じだろう。(04,1,13)