呆冗記
呆冗記 人生に有益なことは何一つ書かず、どーでもいいことばかり書いてあるぺえじ。


土用丑の日、鰻の日

 7月25日は土用の丑である。たとえ平賀源内に騙されようとも、鰻を喰わねばならない。とにもかくにも鰻である。ああ、今年の鮎は食い損なっても鰻だけは死んでも喰わねばならない。十二指腸潰瘍がなんだというのだ。
 「たかが鰻でそこまで言うかニャ」
 たかが鰻、されど鰻である。最初からコーチンの串焼き喰ってる奴には言われたくないのである。
 ああ、ここの平皿に盛られた鰻の芳醇なか・お・り。
 「確かに、これは最高だよな」
 その通りだ。私はここの鰻を喰って以来、よその鰻が食えなくなったのだ。
 「その通りだ。ここの鰻を喰ってしまったらもう、立ち直れない。よその鰻は食えないぞ」
 うむ、朱雀、貴様の言う通りだ。
 静かに地ビールの木曽路ビールを飲み、鱒子の鶉生卵あえをつまむ。鰻を喰う前にはこれでも多すぎるかもしれない。鰻は空腹で喰うのが吉である。
 そして・・・鰻が来た・・・。
 「鰻は香りで喰うよな」
 その通りである。『K』さんは実は換気扇の容量が足りないのだ。これより小規模なガスコンロしかない『M』さんですらもっと大容量のファンを使っているのだ。
 それなのに・・・。結果として、私たちの鰻の香りがテーブル席にも流れたのだろう。宴会を済ませた人品卑しからぬ(コンピューター系平リーマンの上杉とか、私立高校平教師の朱雀とか、音響系平リーマンの武田とかよりはるかに人品卑しからぬ重役タイプの)お爺さま(私たちがすでにおじ様である・・・)がわざわざ私たちの宴席に近づくとこう言われたのだ。
 「君たち、この鰻でいくらなんだい」
 「はあ、ビールと突き出しと日本酒2合と鰻ともう一品で7千円くらいですが・・・」
 偉いぞ朱雀。その通りだ。
 「そうか・・・」
 そのため息は何なのだ? 一言言わせてもらえば、あなたの宴席、もっとおいしそうなもの出てただろうが! 私たちの場合一品豪華主義なのだぞ・・・。
 「若いのがそんな贅沢できるのか・・・」
 をい、待てくださいよお爺さま、そんな贅沢してるのは、6月16日、そして7月19日に鮎喰ってる朱雀だけだぞ、私は今年初めての贅沢なんだあ。武田なんて、名古屋コーチンと鹿肉しか喰っていないんだあ!
 「よすニャ・・・。あのおっさん、朱雀と上杉が油揚げと名古屋コーチンを一人まえずつ頼んで酒飲んでいた時代を知らないニャ」
 しかし・・・。
 「ま、いいさ。確かに贅沢には違いないからな・・・」
 貴様にだけは言われたくない・・・。
 ま、とおもかく貧乏人の唯一の贅沢、土用の鰻。今年もおいしゅうございました。
 コーチンと鹿肉しか喰っていない奴もいますが・・・それは別でして、やっぱりうまいぞ鰻! さあ予定では次は秋の落ち鮎だ!(01,7,25)


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