呆冗記
呆冗記 人生に有益なことは何一つ書かず、どーでもいいことばかり書いてあるぺえじ。


いたい話

 痛い。とてつもなく心が痛い。懐も痛いのだが・・・。男は1人直帰の街を彷徨うのだった。
 痛いなあ・・・
 「どうした?」
 おお、S。どうしたのだ、なに、かでる27(これもひどい名前だ)で研修会だと? いや、ご苦労さんなことではないか。しかし、私は、心が痛いのだ。ついでに言うと懐も・・・。
 「懐はいつものことではないのか?」
 うむ・・・。まあ、確かに、落ち鮎など喰っていい気分にもなれるのだ。いいご身分かもしれないが・・・。
 「ふむ・・・」
 Sは一言うなった。と・・・。
 「もちちねかちとにのちみにきちのなといにまにしちにくちのちみみきちいすちすいみちのちかかちのちすちみちち」
 どうしたS。
 「しらなとにかちかかいねしらなとにかちみらしち」
 いったいどうしたというのだ。
 「甘いニャ、S」
 おお、T。どうせ、おまえはゲーム購入だろう。そういえば、この前大笑いしていた『無花果浣腸』ゲームとかはどうなったのだ。
 「『無花果浣腸』じゃないニャ。『無花果艦長』ニャ!」
 そんなことはどうでもいい、ストレスのせいか、Sが壊れてしまった・・・。
 と、Tが突然言葉を紡ぎ出す。
 ゜とらみらんちすにのちかちみちすちちかちもちみらのちののらくち゜ねらとにもちにみらからまにのちののらくちむしいみちのいすいこちみちすちみちにミンチむ
 「てちくちくちくちねとちとなきちくちTるてちのちかかちのち」
 ・・・。そうか、そういう根性か。よおーくわかったぞ。
 異様に『ち・に・な・い・ら』の多い言葉を操りやがって。
 「ははは、ばれたか」
 「ばれたニャ」
 まったく・・・。何を考えているのか。

 気が付けば狸小路の『ライオン』にいる我々である。
 今日は平日の水曜日。週の真ん中。いったい何を考えているのか・・・。
 「先に入ったのは上杉ニャ」
 うるさい、心が痛いのだ。心が。それに、すでに大ジョッキ空けてるバカもいようが。
 Sはすでに全開、大ジョッキ状態である。
 「そうニャ・・・秋だからニャ」
 ビールは夏ではないのか・・・。そういう突っ込みを屁とも思わずTが続ける
 「確かに心が痛いニャ・・・」
 ため息を一つ・・・。
 「あるゲームで女の子に言われたせりふが心に刺さって切ないニャ」
 えーい。その程度か!
 「じゃあ、上杉はどうしてそんなに心が痛いニャ」
 教えてやろう・・・。我が愛車『雪風』がパンクしたのだ。
 「・・・」
 「・・・」
 それもだ、空気圧が下がっているところを工事中の歩道に乗り上げた際にチューブに穴が開いてしまったのだ。
 「それって確実に太った結果じゃニャ・・・」
 うるさい! それで、修理しようと思ったら、ゴム糊が古いのかうまく接着できなかったのだ。
 「それは、おまえが下手なだけでは・・・」
 うるさい! それでもどうにかこうにかくっつけて木槌で圧着しようとしたら・・・。
 「叩きすぎて」
 「穴を空けたニャ」
 うるさーい!

 ああ、心が痛いのだ。秋が来た・・・。心が痛いのである。(00,10,5)


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