子供の病気  P-201    ヒトの異常・病気を区分します。    子供の病気Topへ
 
 人の異常・病気を大別する用語を解説します。
 
 @ 器質的疾患  ヒトの体を構成する組織(内臓、器官、筋肉、等々)で構造の異常が起こっている。
 
 A 機能的疾患  構成する組織の働きが正常でない
 
 B 精神疾患
 
 この三分類が基本になるでしょう。
 
 この中で、B 精神疾患 とされるグループが複雑で混沌としています。 医療に従事している者なら大凡の区分を理解していますが、一般の人では微妙に混乱しているようです。
 
 B には、薬物で治療する異常から、 “心の動揺” と表現出来るまでの広い幅があります。 
 
 子供の “変な訴え” ・ “保護者が理解出来ない” と云われる状況への対処についての話しです。
 
 子供で @ A の場合に、異常の形態と原因が証明出来ないと、医師も保護者も 「精神的なものでしょう」 との結論は誤りです。 原因が明確に出来なくても、@ A B の区分を検討する努力が必要です。
 
 此処までは他のページでも説明しました。 このページでは子供の B に的を絞ります。
 
 上にも書きましたが、“心の動揺”から“薬物治療が必要”までありますが、後者に近い状況は少ないでしょう。
 
 “薬物治療が必要” な状況以前として、“知的障害”、“発達障害”と 云われるグループもあります。 (注 ここに列挙するグループが精神科の対象とはなりません)
 
 ここに列挙したグループの子供は早期に保護者が気づいて欲しい子供達です。 この状況と、安易に「精神的なものでしょう」と云われる状況の明確な区別が必要と考えます。
 
 子供が発した小さなサインを 「精神的なものでしょう (安易な判断)」 で見落とされている家族に出会いました。
 
 角度を変えて説明を加えます。
 
“精神科の病気” と “心理的な原因の状況” とは微妙にニュアンスが異なります。
 
 子供の訴えを正確に受け止めるために、使う用語も正確に使用したいと考えます。 旧来の・狭義の “精神疾患” か “心の動揺による状況”かの区分を厳格にして欲しいとの提案です。
 
 最近は小児精神科の研究も進み、いろいろな小児精神病が取り上げられています。 病名の細分化、新しい病名等は日進月歩です。
 
 子供に限っても、社会の変動からのストレスで精神科の領域に入る異常が多くなりました。
 
 上に書きました病的な状況と,心の反応として‘児童心理’の領域で対応すべき状態とは区分して対処すべきと考えます。
 
 心理的な要因の有無は的確に検討し、安易な表現で結論は出さないで欲しいと望みます。
 
“狭い意味の身体の病気” ・ “精神科の病気” ・ “心理的な要因が原因となる状況” の三つは的確に区分すべきです。 重複するなら的確に説明を追加すべきです。
 
 保護者はこの観点で説明を受けてください。 明確に区分した説明を受けてください。
 
 あいまいな説明で診察室を離れ、子供の訴えを受け止めていない保護者に出会います。
 
 状況を悪くしてから再検討を始められる家族も見受けます。
 
 保護者と診察医が真剣に取り組む問題でしょう。

 この話題に関連する説明を他のページで読んでください。 [ 精神的な原因

 

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