子供の病気  P-050   “精神的” な原因    “精神的” な問題    “精神的” な病気    子供の病気Topへ
 
 “精神” を言語辞典で調べますと ‘人間の心’ ・ ‘知的な働き’ との意味が説明されています。
 
 医療の場では “精神科” が存在します。 「精神的な異常です」 ・ 「精神的な病気です」 と医師が話すと、“精神科で治療する病気” の意味になるでしょう。 
 
 ‘人間の心が関連する異常’ ・ ‘知的な働きが関連する異常’ と “精神科で治療する病気” をハッキリと区別するために前者を “心理的” として話しを進めます。 皆さんも明確に区分して話されることを勧めます。
 
 保護者は成人の常識で理解できない現象を見ると,“精神的” な原因として納得される様です。
 
 診察室でも,検査をして病気の原因・病名が明確に出来ないと,“精神的な原因です” として終わることもあるようです。 例えば、子供が原因も判らずに繰り返し腹痛を訴えると、「精神的なものでしょう」 として納得されます。
 
 ここでは二つの問題を指摘しておきます。
 
 身体の異常は内臓の異常で起こる変化(身体の病気)と心理的な影響で変調を来すこともあります。 後者の全てを精神的な異常として精神科で治療する病気にはならないはずです。
 
 成人と子供では状況も異なるので、ここから先は子供に限って説明します。
 
 @ 子供の場合、正確に・詳細に身体の異変を訴え・告げることは出来ません。 この為に診察室での診察・検査が的確に進められずに、診断に ‘あいまいさ’が残ることもあります。  これを 「精神的な状態です」 と診断するのは誤りでしょう。
 
 A 子供にも精神科で治療する必要がある状況も起こります。 しかし、成長過程での心理的な動揺(常識的に判断して正常範囲)による異変も多く起こります。
 
 B 知能発達の状況から起こる異変もあります。
 
 A・B については他の機会で説明するとして、今回は @ について触れておきます。
 
 上にも書きましたが、診察・検査が的確に進められなかったままで、「精神的な状態です」との診断で終わってしまわない様にして欲しいとの話しです。
 
 誤診とは違います。 子供の状況が詳細に伝えられないために起こる結果です。 子供の状況を多く観察出来るのは保護者です。 保護者が多くの情報を話して欲しいのです。
 
 保護者はこの観点で説明を受けてください。 明確に区分した説明を受けてください。
 
 少ない情報だけを伝え、あいまいな説明で診察室を離れ、子供の訴えを受け止めていない保護者に出会います。 
 
 帰宅して説明に不満足を感じても放置し、状況を悪くしてから再検討を始められる家族も見受けます。
 
 医師側にも努力は必要と認めますが、保護者も “精神的な・・・” で終えない協力が必要と考えます。

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