PSP字幕活用編 | |
2008.03
こんにちは。[Flex]の☆みやしたあけみ☆ akemizo@beige.ocn.ne.jp です。 2007年12月、IPtalk broadcasterの実証実験のご報告として、 「朝礼、立ったままでも字幕を見よう〜PSPで気軽に字幕キャッチ!」 http://www2u.biglobe.ne.jp/~momo1/sub1/new_sub/akemi071210.htm を掲載させていただきました。 その後、各地でPSP字幕を使ってくださる方々が増えるとともに、IPtalk broadcaster自体もどんどん改善され、リアルタイム入力以外もできるようになりました。 …というわけで、今回は、「会場の外や演劇場面などでの、PSP字幕・活用編」です。o(^_^)o ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^ 【事例1:「メイン会場の“外”でPSP字幕を見る」 IAUD】 「国際ユニヴァーサルデザイン協議会」http://www.iaud.net/index.php ●↑● 【2007年度 国際ユニヴァーサルデザイン協議会活動報告会】 http://www.iaud.net/dayori-f/archives/0802/14-000000.php メイン会場には、情報保障として「手話通訳」と「スクリーン表示によるPC文字通訳」が準備されています。 当日はPSPを会場にもまわし、会場の皆様にPSP字幕を見ていただきました。 ●↑● 【受付・メイン会場隣の展示会場】 同じ会員でも当日、何かの係になった人はメイン会場に入れない場合があります。 今回は「受付」と、「展示会場」で展示説明を担当されていた難聴者(補聴器装用)の松森果林さんに、PSP字幕を見ていただきました。 ※メイン会場と受付や展示会場が近く無線LANが届く範囲でした。 |松森果林さんより(UDコンサルタント) | 先日の報告会では、講演を行う本会場と展示会場が、仕切られておりました。 | 私は展示会場での説明係りでしたので講演最中も展示場にいなければならず、 | 中の様子が気になっておりましたが | そんなときに、PSPで要約筆記を見ることができて感激しました。 | 持ってみると、想像以上に軽く、平たいので持ちやすいと感じました。 | 二画面で会場様子と、要約筆記が同時に見られたらもっといいですよね。 | | 私は自分で講演をしたり、パネラーとして登壇することも多いのですが、 | PC文字通訳があるときには、会場向けの通訳だけでなく | 自分用にもパソコンを用意してもらって、文字通訳が見えるようにしてもらいます。 | 数名で登壇するときには、私の前にだけ、パソコンが置いてあり | 違和感を感じたり、邪魔になってしまうこともあるのですが | PSPくらい小さいと、机においてさりげなく見ることができますよね。 | とてもいいなと思います。 | | 聴覚障害というのは、ドアや仕切りで隔絶してしまうと | コミュニケーションも、音声情報も得られない断絶状態となります。 | そんな状態でも、情報が得られる手段があるというのは | これまで考えられないことでした。 | ましてや小型のPSPで携帯し、トイレにいっても、どこに移動しても | 情報が得られるということは、「行動が自由になる」ということです。 | 幅広く、様々な場面で活用していきたいと思いました。 | 防水使用だったら野外レクリエーションでも使えますね。 | 進化する情報保障、期待しております。 ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^ 【事例2:「劇の会」 私立和光鶴川小学校】 http://www.wako.ed.jp/e2/ (2/22「今年も演劇で字幕を」) ●↑● 【リアルタイム(左)とスライド字幕(右)のPSP表示確認】 和光鶴川小学校には難聴児童が複数在籍しており、「劇の会」では毎年、PC字幕をつけています。 昨年12月時点でのIPtalk broadcaster・PSP字幕は「リアルタイム入力→表示」のみに対応していましたが、その後どんどん改善され、「スライド対応(文字色はIPtalkの色番号と同じ)」や「テロップ表示」もできるようになりました。 今回は、この「スライド表示」を使って、劇のセリフを表示します。 全部で7台へのPSP字幕。 難聴児童には1人1台ずつ、1台は表示確認用として入力者の手元に。 そしてその他のPSPを聞こえる児童や先生方に回覧し、みんなで見ていただきました。 ●↑● 【スクリーン表示】 いつものように舞台横「上手側」にはスクリーン表示があります。 これと同じ文字が全てのPSPにも表示されています。 ●↑● 【PSP活用法 2つ】 (写真:左) 舞台「上手側」には会場全体に向けてスクリーン表示がありますが、反対の「下手側」でセリフを言うときには視線が離れてしまい、役者か字幕のどちらかしか見ることができません。 そういうときは、自分が見たい方向にPSPを持ってきて字幕を見ることもできます。 (写真:右) PSPには無線LANが内蔵されているので、会場の後ろに座っても字幕を受信することができます。 自分の好きな席で友達と一緒に、一般の演劇やコンサートを楽しむことができますね。 ※無線LANを使いますので、実際には主催者様や会場関係者の方々とご相談下さい。 ●↑● 【聞こえる児童もちゃんと理解してくれました】 先生方のご配慮により、「劇」の最中、PSPを聞こえる児童にも回覧していただきました。 この写真は「休憩」のときです。 「聞こえにくいお友達に、こうやって文字で伝えることもできるんだよ」 みんな、ちゃんと理解してくれました。 「赤外線を使ってるの?」 おぉ〜、高学年ともなるといろいろ知ってるんだね。 「PSPには無線LANが内蔵されているので、そのシステムを利用しています」というと、みんな納得。 どこの小学校に行っても、システムにも興味を持ってくれるお子様はとても多いです。 |【和光鶴川小学校:副校長先生より】 |PSPでの字幕は画期的ですね。 |これが汎用されれば日常的な授業や野外の活動などにも使える可能性が広がりますね。 ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^ 【事例3:「披露宴・パーティー」 自分が招かれたとき】 「エグリーズ・ドゥ・葉山庵」http://www.hayamaan.com/eglise/ ●↑● 【披露宴に自分が招かれたとき】 自分自身の披露宴であれば、ウェディングプランナーさんと相談しながら自由な情報保障の形を作ることができます。 しかし、自分が“お呼ばれ”したとき。 お皿がたくさん並ぶテーブルの上にノートPCは置けない…。 かといって、別途、PCを置くためのテーブルを用意してもらうのもちょっと…。 そんなときにPSP字幕。 場所も取らず、自然な形で新郎新婦を祝福することができます。 「新郎新婦入場」や「キャンドルサービス」等で会場が暗くなったときは、PC入力者がPSPの表示画面の色を即座に変更(遠隔操作)できますので、「PSPのところだけ白く光って目立ってしまう」という心配はありません。 (「カスタマイズ機能」により、PSPを持っている自分が設定を変えることもできます) またPSPには無線LANが内蔵されているので、手に持って移動も可能。 席を離れて別のテーブルのお友達のところに行っても、立食パーティーでも、PSPを持っていれば、スピーチの内容を手元で知ることができます。 ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^ 【事例4:「ディスカッション」 円になって】 ●↑● 【発言者の方を見ながら会話をしよう・司会者も表示確認ができる】 【A病院 難聴者向け講習会】 円になって、みんなで自由に意見を言い合うフリーディスカッション。 司会者(赤)の後ろには大きな文字通訳用のスクリーンがあります。 しかし、スクリーンではない方向に座っている人の発言内容を知るためには、難聴者は話者ではなくスクリーンを見なくてはなりません。 そんなとき、PSP字幕。 発言者の方を向いて、発言の内容を知ることができます。 このときは7台のPSPを、「1台:司会者(赤)、5台:参加者(緑)、1台:入力者」で見ていただきました。 ※参加者(緑)は全員難聴者です。 司会者(赤)は聴者だったのですが、司会の机にもPSPを置いていただきました。 そして終了後、以下のようなコメントをいただきました。 |【成人難聴者】 | ぜひ劇場など、他の所でも使ってみたい。 | 多くの場所で応用できると思う。 | 音声変換字幕ソフトと連携できれば活用範囲が広がると思う。 | |【聴者 司会者】 | 司会席の机にもPSPを置いておいたので、そこに字幕が表示されていました。 | 普段はどこまで文字表示されているか確認するために、 | その都度振り向いてスクリーンを確認していたのですが、 | 目の前にPSPがあるとその必要がなかったので、便利でした。 ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^ 【事例5:やっぱり「朝礼」で字幕を見よう!】 「さいたま市立大宮南小学校」http://omiyaminami-e.saitama-city.ed.jp/ 大宮南小学校には「ことばの教室」もあることから、各学年に難聴児童が在籍しています。 普段の体育館での朝礼や児童集会では、先生方による文字のスクリーン表示やプリント配布などをし、難聴児童にもきちんと情報が伝わるように配慮されています。 通常、文字スクリーンを見る児童は、スクリーン前に集まって見ていますが、今回は5・6年生の難聴児童に、「自分のクラスの、自分の位置で」、PSP字幕を見ていただきました。(計7台) |【児童の感想】 |・すごくよかった。 |・わかりやすかった。 |・スクリーン前に行かず、自分のクラスの位置で見ることができてよかった。 ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^ 【みんな、ありがとー!o(^_^)o】 今回ここにご紹介したのは5つの事例ですが、今年に入ってから1・2月と、いろいろな方から「PSP字幕」の取材申し込みやお問い合せをいただきました。 しかし今では多くの入力者さんが「PSP字幕」を使ってくださるようになりましたので、関東以外のお問い合せには、その地域の入力者さんに対応していただけるようになりました。 また、PC文字通訳としてお伺いした現場の主催者様のご配慮により、その場でPSP字幕のデモやご説明をさせていただく時間を作っていただく機会も多々ありました。 そのため、普段、情報保障とあまり接することがない方々にも、「文字通訳・PSP字幕」を知っていただくこともできたかと思います。 本当にありがとうございました。 ここ数ヶ月でのIPtalk broadcasterの進化はめざましいもので、まるで成長する小学生のようでした。 IPtalk broadcaster & IPtalkの作者のお兄さんたち、ありがとー! 最後になりましたが、今回のレポートに快くご協力下さいました、 潟\ニー・コンピュータエンタテイメント様 http://www.jp.playstation.com/hardware/psp/ 国際ユニヴァーサルデザイン協議会(IAUD)様 http://www.iaud.net/index.php 私立和光鶴川小学校様 http://www.wako.ed.jp/e2/ エグリーズ・ドゥ・葉山庵様 http://www.hayamaan.com/eglise/ A病院様 さいたま市立大宮南小学校様 http://omiyaminami-e.saitama-city.ed.jp/ Hosoyama UD-Unit様 http://www.hosoyamaudu.com/top.html 本当にありがとうございました。 ※潟\ニー・コンピュータエンタテイメント「渉外部」の方々は、1月に三田で行った「三田フレンズ勉強会・企画」にもゲストとして来て下さいましたし、既にPSP字幕を実行されている都内の柏葉中学校に見学にも行って下さいました。 また、ソニーのグループ会社の方々も「PSP字幕」に興味を持って説明を聞いて下さったりしています。 PSPというゲーム機が情報保障の道具になる。 必要とする人がいて、ソフトを作る人がいて、それを実行するためのPC入力者がいる…。 「手話をするベアちゃん」共々、今後ともよろしくお願いします。o(^_^)o 【「IPtalk Broadcaster」とは?】 http://www2.wbs.ne.jp/~condle/ IPtalkで入力した文字情報を、PSP、DS、PDAなどの無線LANシステムを使い、Webブラウザで見ることができるようにするツールです。 ・PSP1000、PSP2000には、無線LANが内蔵されています。 ・DSではインターネットへの接続が必要で、DS用ブラウザ、DS-Light用ブラウザが別途必要です。 ・IPtalk Broadcaster は、今も改善し続けているソフトです。 入力用ソフト IPtalk http://iptalk.hp.infoseek.co.jp/ 配信用ソフト IPtalk Broadcaster http://www2.wbs.ne.jp/~condle/ 表示機 PSP http://www.jp.playstation.com/hardware/psp/ ・実際には「表示する」のではなく「配信用PCのデータを読みに行く」ものです。 ・無線LANを使用しますので、事前に、環境(建物・施設・設備等)の確認をして下さい。 ☆★☆[Flex]☆みやしたあけみ☆ akemizo@beige.ocn.ne.jp ☆★☆ | |
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