人工内耳友の会−東海−
卒業式・入学式

2005.5.

 小学校「卒業を祝う会・卒業式」、中学校「入学式」

〜地域の中学校へ進む/字幕作成エディター「sec」〜




こんにちは。☆宮下あけみ☆ akemizo@beige.ocn.ne.jp です。

『3月・小学校:卒業を祝う会→卒業式』が終わると、新しい『中学校:入学式』ですね。
小学校の『卒業を祝う会』では、通常、保護者が主催し、いろいろな企画が盛り込まれ、楽しいものとなっています。
『卒業式』は厳粛に…。卒業生・在校生・小学校の先生方も、何回も練習をして、本番の卒業式を迎えます。
そして『入学式』。新しい仲間、クラス発表、はじめてお会いする先生方…。
新入生も保護者もワクワクしつつ、緊張する1日です。

今回のお話は、2005年3月、都内小学校“卒業生の保護者主催”の『卒業を祝う会』→『卒業式』
その難聴児が入学した、地域の中学校の先生方の協力→2005年4月『入学式』
そして、新しい字幕作成エディター『sec』のお話です。

このご報告は、今回、利用してくださったH佳ちゃんとママさんから、
「あとに続くお子様たちのためにも、お役に立つのであればお伝えして下さい。」
とご了解をいただき、「人工内耳友の会:東海支部」のホームページに掲載していただいているものです。
お二人からの「感想やメッセージ」も掲載させていただきました。(最後のほうです)
H佳ちゃん、ママさん、本当にありがとうございます。

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【きっかけは『掲載された体験談』】

2005.3月に小学校を卒業するH佳ちゃん。以前から「難聴児の会」を通してH佳ちゃんもママも存じ上げていましたが、学校にお伺いしたことはありませんでした。
H佳ちゃんは、聴こえる学校に通う、たった一人の難聴児です。

ママは「人工内耳友の会:東海支部」に掲載していただいている体験談、
|『小学校「卒業を祝う会」〜ひとりの難聴児への字幕から“みんな”の字幕へ〜』
http://www2u.biglobe.ne.jp/~momo1/sub1/new_sub/akemi040922.htm
をお読みになって、A子ちゃんと同じ状況(難聴児一人)にあるH佳ちゃんへの字幕を希望し、連絡を下さいました。
学校との話合いは、全てママがおこなってくださいました。
小学校の先生方・保護者の方々は皆様、とても協力的でした。
それまで6年間のH佳ちゃんとママのおかげだと思います。


【小学校「祝う会」(3月上旬)保護者主催:「メッセージビデオに字幕を」】

昨年度、A子ちゃんの「祝う会」のことを、H.P.に掲載させていただきましたので、ママさんもH佳ちゃんも、そして学校側もイメージがつかみやすかったんだと思います。
(A子ちゃん、ありがと!! (^_-)-☆)



A子ちゃんのときは、↑「思い出写真のスクリーン表示」があったのをきっかけに、そこに文字(字幕)を入れる話しから、「思い出写真&字幕」や「♪歌詞」等のスクリーン表示と、ノートP.C.表示を上手く使い分けることができました。

今回、H佳ちゃんのときには、「思い出写真」ではなく、『児童から担任の先生へ、感謝のメッセージ“ビデオ”』でした。
「祝う会」の全体の内容は、ゲーム、保護者の歌、児童の歌、先生方の挨拶、校長先生のお話し、保護者の言葉、児童の言葉、「メッセージビデオ」などです。

H佳ママは、既に「字幕を入れた、動画CD」も見てくださっていたので、私もママも、このメッセージビデオに「字幕を付けること」をイメージしていました。

しかし、このビデオ自体、保護者が児童を個々に追いかけ、“先生にナイショで”撮影→編集するビデオだったので、ギリギリまでビデオ撮影→編集がすすまず、直前まで不明なことが多かったのです。

そんなこんなで、当日は、「ビデオ=舞台天井から降りてくる大きな作り付けスクリーン」「字幕=可動式スクリーン別立て」になったのですが、それとは別に、そのビデオをCDに落とし、それに「字幕」をつけて、当日、H佳ちゃんに、プレゼントさせていただきました。

このとき(2005年2月)、ちょうど「開発中」だった、字幕作成エディター≪sec≫に出会いましたので、今回は、まだデビュー前だった≪sec≫を使用させていただきました。

【字幕作成エディター『sec』】
http://www2t.biglobe.ne.jp/~yusuitei/soft/sec/index.html

≪secで字幕をつけた、メッセージビデオ≫↓

 

ママからいただいた「VHSビデオテープ」は、2005年2月、以下の手順でデータ変換しました。
|1.使用ソフトTMPGEnc DVD EASY PACKに含まれる
|  TMPGEnc 3.0 XPress Easy Editionを使用し、
|  DVDレコーダーで録画したディスクのデータをパソコンに取り込む。
|2.mpg1またはmpg2のファイルに変換。
|3.不要部分(動画の最初・最後・つなぎ等)のカット等を行う。

「CDに字幕をつけた」と言っても、「キャプションをON」にしなければ、字幕は出ませんので、このCDは、聴こえる人も、自宅で違和感なく、見ることができます。

…というわけで、この、『児童から担任の先生へ、感謝のメッセージ“ビデオ”』は、私はH佳ちゃんにプレゼントしたのですが、その場で、ママや保護者の方々からの提案により、先生方(ほか希望者)にも、CDをコピーして、自由に配布していただけることに決まりました。

するとH佳ちゃんとは違うクラスの「聴こえる児童の保護者」に、「聴覚障害のあるご両親」がいらっしゃいましたので、この『字幕をつけたメッセージビデオ(CD)』も、「祝う会&卒業式」の「スクリーン字幕のパソコン要約筆記」も、H佳ちゃんのみならず、保護者の方々にも、ご利用いただけました。

※以前報告した「ももたろう」では、字幕を「左詰め」にしましたが、「中央にそろえたほうが読みやすい」というリクエストも多かったので、今回は字幕の位置を、「中央(center)」にしてみました。


【字幕作成エディター『sec』】
http://www2t.biglobe.ne.jp/~yusuitei/soft/sec/index.html

今回「メッセージビデオ」の字幕作成のために使用したソフトは、「字幕作成エディター『sec(=セック)』」です。
※字幕作成方法は、上記URLに図入りで記載されています。

『sec(simple editor for caption)』(H.P.より抜粋)
|動画や音声のタイミングにあわせた字幕を作成するためのテキストエディター。
|きっちり美しく作ることよりも初めての人でも
|短時間に簡単に作れることを目的にしています。
|シンプルなテキストエディターにタイミングを入れるための
|最低限の機能を付加した程度の簡単なものです。
|単に音声の書き起こしをするのにも使えます。
|なお、まだテスト段階なのでいろいろ不具合もあると思いますし、
|操作仕様なども暫定的で今後変わる可能性があります。

『sec』では、
(1)同じ画面上の「Fキー」で、「動画や音声等メディア」の、「再生・停止・巻き戻し」等が可能。
(2)データtext上では、範囲を指定して、『[編集]→[タイミングをずらす] 一括タイミング・シフト』が可能。(範囲内を「全体的に○秒ずつ遅らせたい」とき等に使用。)

「sec」は2月上旬にver.0.01、2月中旬にver.0.10、5月4日にver.0.20となり、公開されました。


【卒業式(3月下旬)=学校主催】

 

もともと「祝う会」も「卒業式」もスクリーン表示でのご了解が出ていたのですが、先生方も保護者の方々も、実際に「祝う会」でのスクリーン表示のパソコン要約筆記を見て下さっていたので、様子を分かってくださっており、「卒業式」前日の「予行」の時点で、既に、「入力者席・スクリーン・プロジェクタ(表示調整済み)」等を、きれいに設置しておいて下さいました。

|・スクリーンは、舞台向かって左側です。
|・入力者席は、スクリーンと同じ側の壁沿い。
| 先生や保護者席の後ろですので、会場からはほとんど見えません。

「呼びかけ」は、普通は、「せっかく児童が覚えているので、表示しないで下さい。」という学校がほとんどなのですが、H佳ちゃんの学校では言われませんでした。
また、H佳ちゃん達卒業生は、「呼びかけ」のとき、“後ろ=在校生や保護者席”のほうを向き、前においてあるスクリーンを見ることはなく、聴覚障害のある保護者もいらっしゃるので、そのまま、表示させていただくことになりました。

≪呼称・将来の夢(名前はサンプルです)≫↓



「卒業式」に来て下さった、もう1名の入力者“T澤さん”は、「祝う会」にも来てくれていたので、体育館の状況も分かっていましたし、既にH佳ちゃん&ママとは、「難聴児の会」でも“顔なじみ”だったので、H佳ちゃんも、リラックスしてお友だちとともに、「祝う会&卒業式」を迎えることができたんじゃないかなぁ〜…と思います。


【進学予定の、地域の中学校の先生が見学に!!!】

この「卒業式」のとき。H佳ちゃんが4月から入学する「地元の中学校の先生」が2名、「入学式に付けるパソコン要約筆記の様子」を「見学&打合せ」に来てくださったんです。
一名は“来賓”としても参加されていたのですが、終了後、入力者席に来て、いろいろとお話して下さいました。また、もう一名の先生は「機材関係」を確認しに来て下さいました。

…というのも、実は、その、もっと前の12月。
H佳ちゃんのご両親が、H佳ちゃんの中学校生活の「支援策」の打ち合わせに出向いた時のこと。
(これは、役所の学務課がセッティングして下さったものだそうです。)

中学校側から、「小学校では、どのような支援をしてもらっていたのですか?」と聞かれたので、文書と口答にて、ママ&パパが説明されたのですが、その最後に、
「卒業式と卒業を祝う会で、パソコン要約筆記の導入を予定しています。」
とお話してみたところ、間髪いれずに、“中学校の校長先生”が、
|「うちの中学校の入学式にも
| パソコン要約筆記のボランティアさんに来て貰いましょう。
| 最初の大事な日ですから、私たちも、あたたかく迎えたいです。」

とおっしゃってくださったそうなんです。

まだ、この校長先生は、「パソコン要約筆記」をいうものを、見たこともないのに!

それで、急遽、進学先の地域の中学校での「4月:入学式」でも、パソコン要約筆記「スクリーン表示」が決定されたのです。

この中学校にとっては、はじめて、難聴の生徒が入学してくるとのこと。
前例がないためか、かえって気にかけてくだり、先生方は既に「難聴・聴覚障害・難聴児者」等、聴こえないということ」に関する勉強をして下さっていました。


■【中学校入学式(4月上旬)=学校主催】 

≪会場全体へのスクリーンは、舞台向かって左側≫↓



…というわけで、「入学式にも、P.C.要約筆記ボランティアの方々に来ていただきましょう!」と校長先生が言って下さり、3月「卒業式」のとき、「来賓」と「見学&打合せ」として2名の先生がいらして、実際の「パソコン要約筆記・スクリーン表示」を見てくださっていたので、「4月・入学式」に向けて、とてもスムース且つ密に連絡を取って下さいました。(配置、機材、名簿等など)

式典で一番重要なのは、「新入生名簿」。
≪呼称(名前はサンプルです)≫↓



通常、この「予定されるクラスわけ“案”」は、入学式本番1週間〜3日前ぐらいに届きますので、その時点で、「ふりがな・漢字確認」をし、学校に送りなおし、チェックしていただきます。
そして、「クラスわけ決定した、本当の新入生名簿」が届くのは、たいてい、入学式の前日です。
(卒業式はもっと早いですが、入学式は、直前です。)
この連絡も、とても密に丁寧にして下さいました。

≪斜め後ろに置いた、もう1つのスクリーン≫↓



≪♪歌詞≫↓



「入学式」本番では、H佳ちゃんたち“新入生”が、途中で後ろを向いて、在校生の先輩方の「ことば(呼びかけ風)」を聞いたり、在校生と一緒に「歌を歌う」場面がありました。
そのために、中学校は、プロジェクタ&スクリーンを、前だけでなく、もう1台、“斜め後ろ”にも設置し、H佳ちゃんが、前を向いても、後ろを向いても、文字が見えるようにして下さいました。

|・入力者席は、スクリーンの右隣、壁沿い。
| 先生方の後ろですので、ほとんど目立ちません。

また、当日の朝、セッティングしているときも、いろんな“先生方のほうから”、私に、
「何か、気をつけること、ありますか?」
「他に必要なものはありますか?」
と、声をかけて下さいました。

|「そんなに特別なことじゃないんです…。
| 普通にすすめていただいて、大丈夫です。
| ありがとうございます。」
と、おこたえ。(^_-)-☆

もう1名の入力者さん“J子ちゃん”のおかげで、ハラハラもなく、入学式も、無事、終了。
H佳ちゃんの小学校からあがってきた生徒&保護者は、「式典(祝う会&卒業式)での字幕(♪歌、呼称、リアルタイム字幕など)」を体験して知っていますが、別の小学校からこの中学校に入ってきた生徒&保護者の皆様は、はじめて「パソコン要約筆記」をご覧になったわけで…。
もちろん、先生方の多くも。

とにかく、一度でいいから多くの聴こえる生徒さんや保護者の方に「パソコン要約筆記」というのを見ていただき、
「呼称が“ふりがな付き”で出たり、
| “はじめて聞く校歌がカラオケのように色がかわって表示”されると、
| とっても分かりやすいんだね。」
|「文字で伝えるって、そこにあってもヘンじゃないじゃん。」
|「文字って、けっこう、“みんなに”やさしいんだね。」
ということが、わかっていただけたらいいなぁ〜…と、思っています。


【中学校では…】

ちなみに、この中学校では、春休み中に、既に「机&イスにテニスボール」も完了してたとか!!
「形としてできること」は、まず、やっておいて下さっていたそうです。

そして、授業の方法等については、「おいおい、一緒に考えていきましょう。」ということで、H佳ちゃんの中学校生活は、スタートしたそうです。


【H佳ちゃん&ママから…ヽ(^o^)丿】

事前にこの「報告」お送りしたH佳ちゃんとママから、メッセージをいただきました。

★H佳ちゃんより★
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わっはっはっは H佳ですう。
「卒業を祝う会」あんど「卒業式」あんど「入学式」ではあけみサン達が
『パソコン要約筆記』をやって下さり、本当に助かりました!!!!!(‘▽’)
説得力がないですが・・・(*▽*;)
とにかくすごく良かったです!良かった!
皆さんの言ってる事だってよくわかるんです。
話の進行だってちゃんとつかめるし。
スクリーンとか大掛かりな作業とかするのはちょっと気が引けるけど、やっぱり便利。
おすすめです。
まだ、これから中学校でどんな事があるかわかりませんが、
演劇教室など、そういう時はまたあけみサン達に来てもらいたいなと思います。(>_<)
ありがとうございました。そして、またよろしくお願いします!
(*σ▽σ)ノ****☆☆ヨロシクネ♪
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★H佳ちゃんママより★
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お世話になっております。H佳の母です。
いつも、宮下さんはじめ、パソコン要約筆記ボランティアの皆さん方のご活躍、ご尽力には頭が下がる思いです。ありがとうございます。
皆様方の今後のますますのご活躍を、心から期待しております。よろしくお願いいたします。

今回、「六年間頑張ってきた娘へ、せめて節目の卒業式には字幕をプレゼントしたい。そして、友達と同じタイミングで、卒業の感動を共に味わって欲しい。」
ということで、思い切って、宮下さんにご連絡させて頂きました。

そして、本当にお忙しい中、しかも、地域的にはとても遠い場所にもかかわらず、前述の宮下さんご報告の通り、宮下さん、T澤さん、J子さんに、H佳の小学校・中学校にお越し頂きました。
もちろん、私達にとって、個人的にパソコン要約筆記を依頼する事は初めてのことでした。
詳しい内容は、既に宮下さんのご報告の通りですが、利用者の母の立場から少しだけコメントさせて頂きます。

パソコン要約筆記導入について
H佳は、難聴児の会などでは、たびたび、パソコン要約筆記のお世話になっております。
難聴児の会の活動では、当然、司会者も話者も、ゆっくり、はっきり、解りやすく話すように心がけているものの、聴力の厳しいH佳の場合は特に、スクリーン字幕があれば、本当に助かり、最大限に活用している様子が、見ていて良く解ります。
難聴児が複数居る場所でのパソコン要約筆記の場合、当然子供達はごく自然に受け入れることができます。

しかし、難聴児が自分ひとりである通常の小中学校の場合、「自分だけのために通訳が来る」ということに、抵抗がある事が多いようです。これは、「聞こえない、聞こえにくい」ということを周りも自分も再認識せざるをえない、ということに抵抗がある場合も多いように思います。

今回は、利用者はH佳ですが、依頼者は私。H佳も、障害受容の進行形である思春期の入口ですから、やはり、慎重に進めなくては、と思いました。もちろん、どんな場合でも、本人の気持ちは大事にしなければなりませんし…。

そこで、H佳に、「卒業式に宮下さんにお願いして、パソコン要約筆記をつけようかと思うんだけど。」と話すと、「へぇ〜!?すごいね。いいよ!」…心配をよそに、H佳もすんなり前向き。
これまでの六年間の小学校生活で、入学式に始まり、始業式、終業式、毎週の朝会、集会、演劇…、全て通訳無しでやってきたのですから、(*校長先生の講話のプリント、演劇の台本などは、いつも事前に頂いていました!)H佳にしてみたら、「ママ、何をいまさら…」という気持ちも少しはあったのではないかと思いますが、このホームページで、演劇鑑賞会や、A子ちゃんの卒業を祝う会でのパソコン要約筆記の様子をいっしょに見たとき、「いいなあ。うらやましいな。」などと言っていただけあって、喜んでくれました。

スクリーン表示について
今回、「卒業を祝う会」「卒業式」「入学式」の3回とも、スクリーンへの投影でした。
しかも「卒業を祝う会」「入学式」の2つは、スクリーンとプロジェクターを2台ずつ…という大掛かりなもの。
H佳が言っているように「ちょっと気が引ける」というのもわかるような気がします。
本当にお疲れさまでした。

スクリーンを使う事については、
1.パソコン要約筆記や「聞こえないこと」について、たくさんの人に認識してもらう
絶好のチャンスになった。
(例)
特に最初の「祝う会」のあとでは、パソコン要約筆記を初めて見た保護者や先生方から、「あんなに速く入力できるなんてすごいねぇ」とか「どうやって打っているの?」「ソフトは何を使っているの?」などなど、感嘆の声やら、質問やら…たくさんあがりました。

2.H佳自身の「自分ひとりのために来てもらった」といった心理的負担が軽減された。(もちろん母も)

3.たくさんの人が、字幕をそれぞれに活用できた。
(例)
・聴覚障害ある保護者は、手話通訳を利用していましたが、歌詞や子供の名前…など、通訳者が聞き取りにくく、表現が追いつかない時などは、「字幕があって便利だった」と言っていました。彼らは、パソコン要約筆記をはじめて目にしたとの事で、とても感動していました。
・聞こえる保護者からも、「字幕があると、個人名を漢字で見る事が出来たり、聞き漏らしたことを確認でき、スクリーンはとてもよかった」という声をたくさん聞きました。
・特にメッセージビデオは、ホームビデオでの撮影ということもあり、音声が小さく聞き取りにくかったので、字幕が多くの人に役立った。
・写真やイラスト入りの画面表示が、場の雰囲気を和らげて、さりげなく花を添えた感じが良かった。     (細かな配慮と作業に、敬服…です。)

4.一度の導入で、理解が広まった、深まった…。まるでドミノ。
つまり、1度目の「祝う会」までは、口下手な私が口頭で説明したり、ホームページのコピーを渡しても、先生方は「パソコン要約筆記」のイメージがなかなかつかめないようでしたが、百聞は一見にしかず…、「祝う会」で一度経験したあとの「卒業式」では、セッティングもとてもスムーズ!更に「卒業式」を見に来て下さった中学校では、まるで初めての導入とは思えない準備の良さ…でした。

入力体験について
宮下さんのお心遣いで、なんと「祝う会」では、入力を体験させて頂きました。
ど素人の私が、いきなり入力…。
しかし、なにしろ利用者は娘なんだから、これは絶好のチャンスです。
とにかく、入力席に座って、宮下さんとT澤さんの足を引っ張っただけではありましたが、とても素晴らしい体験をさせていただいて、ありがたく思っています。
自分が打った文字がスクリーンに表示される事の「感動!」、それを娘や他の子どもたち、会場の皆さんが読んでいるという事が、なんとも言えず嬉しいことでした。
そして同時に、リアルタイム入力の難しさ、宮下さん、T澤さん、J子さんはじめ、パソコン要約筆記ボランティアの皆さんの技術の素晴らしさ、ソフトの素晴らしさ、を再確認する事となりました。

私にとって、娘の「祝う会」は、「初めて娘の学校で情報保障をつけた」ということの満足感に加えて、「自分も入力ができた」ということの満足感も得られた素敵な一日でした。
貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました!

最後に・・
初めて個人依頼でパソコン要約筆記をつけて頂き、一番感動したこと…
それは、宮下さん、T澤さん、J子さん、3人の暖かい気持ちと、子供たちへのまなざしでした。
毎回、たくさんの事前準備を整えて、遠いところをボランティアで来て下さり、要約筆記をして下さるだけで、本当に有難いことでしたが、3人とも、会や式典の最中、入力をしながらも、子どもたちの様子をニコニコと御覧になり、心から楽しんで下さり、会や式典の前後には、H佳に暖かい声を掛けてくださいました。このことは、依頼者としてはとても嬉しい事でした。
きっと、技術的な余裕があるからなんでしょうね。その余裕が、とても素晴らしくすがすがしいなあ、といつも感じました。

H佳たち、聴覚障害児を取り巻く問題は、まだまだ根深いものがたくさんありますが、こんな素晴らしいボランティアさんたちがいてくださる事は、親の立場としては、ありがたい事です。
H佳にとっても、改めてパソコン要約筆記というものを身近に感じるきっかけになりました。皆さんとの出会いと交流が、今後も宝物となると思います。
宮下さん、T澤さん、J子さん、ありがとうございました。これからも、よろしくお願いいたします。
********************************


【最後に…】

♪いつもいつも、ママさんには、本当に助けられています。
学校との連絡、下準備、その他の保護者への説明…。
本当にありがとうございます。

♪そして、パソコン要約筆記のボランティアとして、一緒に
「祝う会&卒業式」に来て下さった、T澤さん。
「入学式」に来て下さった、J子ちゃん。
本当にありがとうございました。
式典が重なるこの時期、お二人にご協力いただき、スクリーン表示を、それぞれ合計2名だけで担当できたのは、T澤さん・J子ちゃんのおかげです。
感謝するとともに… “また、来てね!”(^_-)-☆

♪そうそう!
保護者主催の、「卒業を祝う会」では、H佳ちゃんママ、「入力者さん」として、ちょこっと入力者席に座って、活躍して下さいました。
「卒業を祝う会」は保護者主催。
昨年度の「A子ちゃんママ」は、卒業生保護者の“係り”として「ビアノ伴奏」をされていました。
同様に、「H佳ちゃんママ」は、“情報保障係り”ということで、事前の学校との連絡や当日のセッティングをお手伝いしてただていたのですが、『ママからH佳ちゃんへの、文字のプレンゼント』として、「祝う会」の最初の2つのプログラムを、入力者のT澤さんとともに、リアルタイム入力して下さいました。ヽ(^o^)丿

≪H佳ちゃんママ(左)、打っちゃう!! (右:T澤さん)≫



♪「卒業式」は、今まで過ごしてきた仲間と、何回も練習してから迎えるものですので、難聴のお子様にとっては、内容を把握し、予想できることが多いのです。
でも、「入学式」は、「これから」「はじめて」のことばかり!
「どんな先生がいるのかな?」
「クラスメイトの名前は?」
「校長先生って、どんな話をするんだろう?」
そんな中で、「字幕」があると、ちょっぴり、安心できるみたいです。

♪あ、そうそう! そうそう!
この「ご報告」の一番最初に書いた、「A子ちゃん」
つい先日、とある「♪音楽コンサート」で、久しぶりにお会いすることができました!
中学校のセーラー服を着て、とぉ〜〜〜ってもカワイイ!!!
もう中学2年生なんですよね。
H佳ちゃんより、1つ、お姉さんです。

他の地域の学校でもそうですが、「小学校の、祝う会・修了式・卒業式」とお伺いしたあと、引き続き、「中学校の入学式」にお伺いすると、難聴のお子様、もう、ぜぇ〜〜〜〜んぜん、「オトナ」!!!
「卒業式」と「入学式」って、実質、2週間ぐらいしか間がないのに、「中学校・入学式」で再会すると、ありゃりゃ・こりゃりゃ!
「○○ちゃん」じゃなくて、「○○さん」になってる!!!
もう、びっくりしちゃいます。

♪H佳ちゃん、A子ちゃん。
また時々、携帯メール、送ってね。(^_-)-☆

☆★☆(^^)/~~~☆★☆ ☆みやしたあけみ☆ ☆★☆(^^)/~~~☆★☆




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