人工内耳友の会−東海−
ノートPC表示2

2004.9.
        小学校高学年

        「演劇教室【人形劇】」

    〜みんなが興味を持ったノートP.C.表示〜     


こんにちは。☆宮下あけみ☆ akemizo@beige.ocn.ne.jp です。

“秋”と言えば、芸術の秋。
各小学校では、まさに、「演劇鑑賞会シーズン」ですね。ヽ(^o^)丿
今回のお話は、2004年9月上旬、「小学校での演劇鑑賞会:ノートP.C.表示」の様子です。
9・10・11月の3ヶ月間、いくつもの小学校にお伺いさせていただきます。
みなさん、ヨロシクね!

補聴システム(人工内耳や補聴器など)を装用し、聴覚活用をしながら、
地域の「聴こえる小学校」に通う難聴のお子様は、たくさんいらっしゃいます。
…ということは、
「(自分は聴こえるけど)うちの学校には、耳の不自由な子がいるんだよ。」
と思っている聴こえるお子様は、その何百倍もいらっしゃるわけですよね。

|「それでね、ママ。
| 聴こえにくいときのために、『字幕』って言って、
| 文字でお芝居のセリフを出して見せてあげる方法があるんだよ。
| ボクね、今日、それ、見ちゃった!」

なーんて、聴こえるお子様が家に帰って、
お夕飯の時に、家族のみんなにお話しててくれたらなぁ〜…。
なんてネ。(^_-)-☆

この「ご報告」は、利用してくださったR君とママさんにご了解をいただき、「人工内耳友の会:東海支部」のH.P.に掲載していただいているものです。
R君は、事前にこの「ご報告」を、「おお〜!」「そうそう!」って言いながら、読んでくださったそうです。
R君、ママさん、ありがとうございました。ヽ(^o^)丿


【1/位置決め】



今回も、プロの劇団の方をお招きしての、演劇教室。
場所は体育館。出し物は「人形劇」。
そうです。口の形が見えない(ない)、人形劇でした。

児童の席は「イス」により固定されているのではなく、「学年ごとに入ってきた順番」で座るもの。
1年生から順番に座っていき…。
高学年のR君の位置が決まるまでは、R君の席の前に置く「表示用ノートP.C.」は固定できません。

「入力者席」は、相変わらず、“隅っこ”ですが、R君への「表示用P.C.」が見えるよう、『R君の斜め後ろあたり』に、机を置かせていただきました。


【2/ママたち、準備!!!】



R君の位置が決まったら、さぁ、スグにママたちが、「表示用P.C.+台」の設置、
「延長コードの固定」をしてくれました。手馴れたモンです。


児童の皆さんが、移動中、足をひっかけたりしませんように…。
安全には一番注意を払わなくてはなりません。

当日は、R君のママのほか2名のママが、“見学&お手伝い”に来てくれました。
紙媒体でいただいた台本の「台本入力」も、ママさんたちが手分けして入力し、
メールに添付して送ってくださいました。私はそれを、「字幕用に加工」です。

R君の学校には、R君一人しか難聴児はいません。
しかし他の小学校の難聴児のママさんたちがお互いに協力し合って、
「台本の事前入力」「当日の肉体労働(^_^;)」を手伝ってくれています。

今年は私にとって、9月上旬のR君の小学校演劇鑑賞会が一番最初だったので、
『これからの難聴児のママさん』にもお声をかけ、学校のご了解を得て、
「見学&セッティングの手伝い」をしに来てくださいました。


【3/演劇中:全体】



写真中央(赤いTシャツの女の子の前)で「青く光って見える」のが、
R君への、「表示用P.C.(IPtalkのSシリーズ)」です。
(R君は赤いTシャツの女の子の左隣。)

青く光って見えますが、実際には、
「背景色:黒、文字色:白、話者名:色付き」です。

今年の演劇教室は「人形劇」。
役者さん本人がお芝居をするのではないので、「口の形」を読むことができませんでしたが、
字幕(セリフ)を出すことによって、ちょっとはみんなと一緒に楽しめたかな?


【4/お子様たちは、興味津々ヽ(^o^)丿】



人形劇の休憩中に、R君がお友達と、「入力用P.C.」を見に来てくれました。

|R/へぇ〜、こうやって出してるんだー。
|宮/そうだよ。
|  「人形劇の台詞」と「先生のお話」は
|  別々のパソコンで出してるんだよ。
|  小さいP.C.(リアルタイム入力用)で打って出すと、
|  R君のパソコンに文字が出るよ。

早速、R君とお友達は、
「リアルタイム入力用P.C.」に自分の名前を打って「Enter」で出し、
スグに自分の席にある「表示用P.C.」のところに走って行って…

|R/あ! 本当だ!


『ばいばい!』など、短い言葉を入力しては表示用P.C.のところに走って、
表示されている文字を確認、入力しては走り、入力しては走り…。
楽しそうでした。(R君はローマ字入力でした。(^_-)-☆)


【7/その他の児童も、興味津々 ヽ(◎o◎)/!】





R君だけではありません。
その他の聴こえる子供たちだって、パソコンには興味津々。\(◎o◎)/!

|『何やってるの?』
|『聞こえない子がいるの?』
|『字を出すと、聞こえない子もわかるんだよね。』
|『わぁ〜、パソコンだ。うちにもあるよ。』
|『どうやってるの?』
|『わぁ〜、本当だ! スッゲー!!』
|『どうしてお芝居のセリフ、先に知ってるの?』←ナイショ(^_^;)

お子様はいろんなことに興味を持って聞いてくださいます。
おうちに帰ったら、家族の人に、お話してくれるかな?(^_-)-☆


【8/漢字、行数、文字数など】

R君は小学校高学年でしたので、「全ての漢字にルビ」ではなく、学年にあわせた「漢字かな交じり文」。固有名詞など、必要に応じてルビを付けました。

表示方法は、「テレビ・映画字幕」の様に、字幕が画面ごとに切り替わっていく方法で表出しました。

また、演劇鑑賞会や学芸会の字幕、基本は「舞台を見ている」ことなので、「絶対に○行ずつ!」とかは決めずに、「最大で、縦6行、横17文字」を、パソコン画面の上のほうに設定し、その中で演劇字幕を作りました。

ただ、「縦6行」と言っても、「話者名(色付き・左詰め)」で1行取りましたし、
「横17文字」と言っても、「横17文字“目”」で改行しているわけではなく、
この文章のように「話す区切りで改行」しているので、
ビッシリ!!文字が並ぶ…ということはありません。
平均すると、1枚の画面の字幕は、「話者名1行、セリフ3行(左詰め)」程度です。

「ナレーション」のように、一人が解説のようにずっと話し続けるものは、
字面は多くなりますが、お子様が「一気に読むことができる」ように、
1枚の画面に表示しました。

「話者名」を色付けし、「セリフ」は白に統一しました。
「セリフごと、色を変えようかなぁ〜」と、いろいろ試してみたのですが、
スクリーンではないノート表示だったので、セリフだけは白で統一したほうが、スッキリして読みやすかったからです。

「話者=顔の絵」「セリフ文字=テレビ字幕と同じ色」にしたのは、↓このときです。
|幼児〜小学校低学年向け【「着ぐるみ劇」での字幕・文字表示】
|●スクリーン表示● 『それいけ!アンパンマンショー』
| http://www2u.biglobe.ne.jp/~momo1/sub1/new_sub/akemi216.htm


【8/みんな、ありがとね!】

●演劇教室終了後、R君から、FAXをいただきました。
|「色が付いていたので、誰のセリフか、分かりやすかったです。」
|「早いところは読めなかったけど、(切り替わっていく)字幕は、見やすかったです。」
R君、本当にありがとね。ヽ(^o^)丿

●聴こえる学校に通う難聴のお子様は、学校でたった一人、多くても数人ですよね。
簡単に少人数で準備できる「ノートP.C.表示」。
聴こえるお子様も、実際に「その現場」を見て、ちょっとずつ、“文字があること”を
自然に受け入れてくださるようになるといいなぁ〜…って思います。

●「キャラクターもの」であれば、台詞は変わりませんし、大きな「演劇会」であれば、スクリーン表示で、且つ、直前の「台本【最終稿】」までいただける場合があります。劇団のかたも、「事前の台本の変更連絡」も協力して下さる場合が多いです。

しかし、学校単位の「演劇教室」ですと、「最終稿」というものはなく…。
それに、何しろ、「主催者さま依頼」や「劇団依頼」で字幕を付けるのではなく、
「一人のお子様のために、こちらからお願いして付けさせていただく字幕」
ですので、本番まで、何も分からないぃ〜〜!(;_;)
こちらにとっては、当日、「ぶっつけ本番」で字幕を表示することになります。
お子様には「ごめんね…」と言って、許していただいています。(^_^;)

(その点、お子様が演じる『学芸会』は、台本そのままです。)
(勿論、「セリフ、忘れちゃった…。(^_^;)」っていうのは、ありますけどね。)
(ただ、「忘れないうちに言っちゃう!!」ってぐらい、速いことが多いです。)

劇団のかたが来て下さる『演劇鑑賞会』は、台本と当日のセリフがかなり変わってしまったり、一部、カットされたり、順番が変わったり…。
今回も、うっ…うっ…うっ…(;_;) ありましたが、どうにか、最後まで文字を出し続けることができました。

●R君の時は「人形劇」
その次にお伺いした演劇は、「着ぐるみ劇」
その次が、「影絵」…。
うぅ〜〜〜〜ん…。
「口形が読めない(ない)演劇」って、多いですねぇ〜。

●今回も、貴重な機会を与えてくださいましたR君&ママ。
台本を入力して下さったママさん、当日、お手伝いをしてくださったママさん。
台本を事前に貸してくださった劇団の皆様、
情報保障を受け入れてくださった学校関係者の皆様、聴こえるお子様たち。
そして、
パソコン要約筆記用のソフトを開発し続けてくださっている栗田さん。
本当に本当にありがとうございました。


【IPtalk(アイ・ピー・トーク)のスライドエディター】

私が普段使用させていただいている「パソコン要約筆記用」のソフトは2つ。
IPtalk(アイ・ピー・トーク) http://iptalk.hp.infoseek.co.jp/
tach(タッチ) http://www2t.biglobe.ne.jp/~yusuitei/soft/tach/index.html

どちらも色を付けたり、映像をはめ込んだり、リアルタイムでの文字通訳以外のことがいろいろできる、楽しいソフトですが、今年の8月末、IPtalkに「映画等の事前字幕を、より簡単に作成するためのエディター」というのができましたので、それを使用させていただいております。
うんうん。本当に使いやすい、作りやすい。
「漢字の上にルビ」も付けやすい! こりゃ、いい!!
栗田さん、本当にありがとうございます。ヽ(^o^)丿

 ☆みやしたあけみ☆ 【E-mail】 akemizo@beige.ocn.ne.jp ☆(^^)/~~~☆




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