カピレイラ散歩
(滞在日1996年4月25日)



カピレイラへの道

    グラナダからカピレイラまではバスで3時間ほど。
    温泉で有名なランハロンの町を通りすぎ、バスは山肌を縫うように進んで行きます。
    やがて、険しい山肌に張り付くような白い集落がいくつか見えてきます。カピレイラはそんな村のひとつです。
カピレイラ遠望
カピレイラ遠望

カピレイラ散歩

    カピレイラの見どころといえば白い家並み。村すべてが見どころとも言えます。

    バス停からゆるい坂道を下って行くとマヨール広場に出ます。ここがこの村の中心にあたりますが、とてもそうは思えないほど静かな広場です。この一角にはこの地方の歴史や風俗を紹介するアルプハーラ美術館があります。
カピレイラの家
    午後のカピレイラの村には人影がほとんどありませんでした。村そのものが午睡(シエスタ)のまどろみの中に沈んでしまったかのような中、猫だけが歩き回っています。ここではほんとによく猫を見かけました。カメラを向けると逃げて行ってしまう猫、知らん顔で昼寝を続ける猫、近づいてきて擦り寄ってくる猫、いろいろです。
    細い道を歩いていると、まるで白い迷路に迷い込んでしまったような錯覚に陥ります。けれど家々をよく眺めてみれば、はためく洗濯物、玄関脇に無造作に置かれた自転車とサッカーボール…あちこちに人々の生活の匂いが感じられます。
道端のネコ
    小さな村なので、ぶらぶら歩いているとすぐ村外れに出てしまいます。村を起点にしてハイキングコースがいくつかあるみたいです。バス停近くに観光案内所があり、ここで地図がもらえます。
    バス停から坂道を上がって行くと牧場がありました。ヤギがのんびり草を食んでいます。四方は山。そして眼下には白い雪を乗せたようなカピレイラの村が見えました。
村外れの牧場
村はずれの牧場


夕食のひととき

    この日の夕食はホテルの1階のバルで取ることにしました。バルとはカフェ兼居酒屋みたいなもので気軽に軽食やお酒が取れます。
    カウンターに座り、タパと呼ばれる小皿料理をいくつか頼みました。野菜の煮込み料理や豆料理など。スペインではワインが美味しいので毎日食事の時はワインを頼んでいたのですが、この日はお腹の調子が悪くオレンジジュースを飲んでいました。けれど食事が終わる頃、私の前に一杯のグラスが差し出されました。きれいな赤ワイン。店のおごりだそうです。異国からの客にサービスだったのでしょうか。ちょっと困惑しながらもありがたく頂くことにしました。きっとこの地方のおすすめのワインだったのでしょう、美味しい赤ワインでした。


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