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0032 聖者の遺骨 TORG 00/04/01



はじめに

 このシナリオは、『TORG』専用である。

 用語について、こちらに簡単にまとめたが、不明な点はルールブックやサプリメントを参照して欲しい。



登場NPCおよび重要事項

若手僧侶 弱いポシビリティ能力者。教会の命でリビングランド内に入ったが、任務に失敗して独りだけ生還。PCに援助を求める。



事前状況

 偶然の事件にヒントを得て、コアアースの宗教団体であるローマ・カトリック教会は“聖人”の遺骨を利用してハードポイントを生み出す方法を編み出した。その技術を積極的に用いる方針が決まり、コアアース各地のレジスタンス組織と秘密裏に連絡を取り、侵略者たちのレムル内にハードポイントを設置して、ストームナイトの前線基地ないし敢えて侵略された地での生活を選ぶ人々の避難所を作り出す計画に乗り出した。
 利用される聖人の遺骨は古いものばかりで無く、ごく最近、聖人に列せられた者の遺骨も使用される。ついこの前に死んだストームナイトでもある司祭もその1人で、死亡後すぐに聖人になり、遺骨はリビングランド内のハードポイントの礎になる事となった。
 しかし、計画が関係者に通達された後で「実はこの司祭はコアアース人では無く、オーロシュ人だった」事が判明する。公にはしていない計画だとは言え、このままでは「オーロシュのガイア教信者を、それと気付かずに聖人にしてしまった」という失態が外部に知られてしまう。そこで教会の最高上層部は、ハードポイント設置をわざと失敗する事に決める。その為に計画をデルファイ評議会やリビングランド側にリークし、実行部隊の責任者として若手の何も知らない僧侶(一応、ポシビリティ能力は持っている)を任じ、その他、目立たない妨害工作を幾つも仕掛けた。
 その甲斐あって、ハードポイント設置は失敗した。しかし若手僧侶は瀕死の重傷を負いながらも遺骨を持ち帰る。



導入

 たまたま、アメリカのコアアースとリビングランドの境界地域にいたPCは、リビングランドから瀕死の重傷を負って脱出してきた若手僧侶(上記“事前状況”参照)を見付け救出する。
 若手僧侶は、バチカンの「聖人の遺骨によるハードポイント建造計画」の説明と、その設置任務を拝命したがエディーノスの襲撃を受けて仲間が死に、自分だけ生還した事情を話す。そしてPCに対して、新たな設置の手伝いを依頼する。

 若者の身分は確かだが、任務内容についてバチカンに確認を取っている時間は無い。以降、PCがこの依頼を受けたものとして進める。



本編

 リビングランドの旅の為の準備をしたり、情報収集をしたりしていると、デルファイ評議会のエージェントから有形無形の妨害を受ける。
 例えば、PCに物を売らないように商店主を脅したり、車両を購入したらブレーキに小細工を仕掛けるなどする。リビングランドに入る段になると、境界ギリギリのコアアース寄りの場所で戦闘を仕掛けて来る。

 リビングランドに入ると、目的地は徒歩で7日、車なら技能成功を出し続けて4日かかる。通常ならば、エディーノスのパトロール部隊と接触する可能性は、1日10%がいいところという地域なのだが、50%を超える。
 PCが、上空から霧を通して下を見下ろす事ができるならば、この地域で大規模なパトロール強化体制が敷かれているのが分かる。

 目的地では、さらに多くのエディーノスが待ち受けている。隠れて偵察するならば、PCたちが来る事を、コアアース人から聞いて知っているらしい事が会話から分かる。幸い、敵の中にポシビリティ能力者はいないようなので(オーズの司祭はいる)若手僧侶は「戦闘しながら、その横でハードポイント作成の儀式を行う」事を提案する。

 儀式が終了すると、そこは“オーロシュ”のハードポイントとなる。エディーノスたちはリビングランド領域まで撤退するが、それまで倒した死体がゾンビとして復活し、PCに襲い掛かって来る。データは同じものを用いるが、オーロシュの魔物の特殊能力を持ち、PCはポシビリティによるダメージの軽減を行う事ができない。
 ハードポイントの破壊を決意した場合、戦いながらABCD作業手順ルールに従って解体しなければならない。使う技能は<祈念>で、難易度はマスターの方で決める事。PCが行っても良いし、若手僧侶に任せても良い。ただし若手僧侶の技能値は低く、ポシビリティ残量も無く、カードも無い事をプレイヤーに伝えておく事。




結末

 PCがハードポイントを解体すると、聖人の霊がお礼を言って昇天して行くのを目撃する。

 すぐに帰路を辿れば特に障害も無い。若手僧侶は、暫くバチカンには戻らないと言い、PCに礼を言って去る。



さいごに

 秋山完の『ペリペティアの福音(上)』を読んでいて思い付いたシナリオだが、直接の引用は無く元ネタとは違う。その辺りが問題になる事はないだろう。




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