ホビットの冒険 上・下
訳:瀬田 貞二
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- 『指輪物語』の前日譚に当たるのが本書。『指輪物語』の序文を読んで挫折した方にもお薦めです。中つ国にあるホビット庄に住むビルボ・バギンズが、なぜ平和な生活を捨てて冒険の旅に出ることになったのか、どうして「姿を消す指輪」を手に入れたのか、いかにして故郷へ戻ってきたかというお話
- この物語で問われているのは「信義」や「約束」、「挫けない心」など、人間が生きていく上で忘れられがちな、しかし最も必要とされているものではないでしょうか。ビルボは自ら望んで冒険に旅だったわけではありません。ほとんど無理矢理に仲間として加わることになって、ドワーフの一行から最初は始終「役立たず」と言う目で見られます。それでも最終的にドワーフ達が目的地へ辿りつけたのは「約束」や「信義」を貫いたビルボの機転でした
- 普段の生活で陥りがちな「傲慢」や「貪欲」が、どれだけ報いのない結果をもたらすものか、これに打ち勝つのは「真摯な心」や「思いやり」なのだということを、「冒険」という分かりやすいガジェットを通じて語りかけているのが本書だと思います。ちなみにパット・マーフィーがこの話をSF小説に仕立てていますので、興味のある方は『ノービットの冒険』をお読み下さい
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