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マックス・エルンスト
Max Ernst
百頭女

訳:巖谷 國士

  • コラージュ技法を創造した、マックス・エルンストの「コラージュ・ロマン」。これは一つ一つのコラージュを順序だてて並べ、それに短いキャプションを添えて物語仕立てにしてゆくもの。
  • なぜこの本を買う気になったかというと、野阿梓氏の『花狩人』に「私は百頭の女」と謎めいた台詞を言う女性がいて、「百頭の女って何?」とず〜っと疑問に思っていたわけです。それで本屋さんでこの本を見た時、「これだ〜!」と買った次第です。
  • コラージュというと、既存の絵に別の素材や絵を貼り合わせ、全く別の次元の作品にすることですよね。絵だけでもかなり判りにくい芸術なんですが、「百頭女」はキャプションがあっても判りにくい。キャプションの隠喩を理解するにはまず聖書を頭に入れ、カトリックのなんであるかを把握しておかねば何を言われているか判らないかも。
    というわけで参考図書は旧約・新約の両聖書(^^)
カルメル修道会に入ろうとしたある少女の夢

訳:巖谷 國士

  • 「カルメル修道会(という女子修道院)に入ろうとする少女達は、はたしてどんな夢をみるのであるか?」というのがテーマ。修道会というから敬虔な話になるかと思いきや、内容はかなりセクシャルなイメージを暗示させるキャプションに彩られている。(これは百頭女と同じ)
  • 表題の他、エルンスト自身による履歴を述べた「M. E .の青春についての若干のデータ」、
    コラージュ論を述べた「ウィスキー海底への潜行」を収録。また訳者によるエルンスト作品の解説も。これを読むと、コラージュロマンを理解するかなりの手助けになるでしょう。
  • エルンストは『百頭女』『カルメル修道会に入ろうとしたある少女の夢』に続き『慈善週間あるいは七大元素』をものしてます。もちろん文庫化されているのですけど高い(\1,200位した)ので現在購入は見合わせてます。読んだことのある人はメール下さいm(_ _)m
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