2000.10.28  新血鬼DRACULA

 レミゼの司教さま林アキラさんとアンジョルラス岡幸二郎さんのユニット「タナボタ企画」。そう聞くとさぞかし正統派なミュージカルをやっていらっしゃると思われるかもしれませんが、その実態は素晴らしい歌とものすごいギャグの融合で、毎回思い切り笑わずにはいられない舞台を観せてくださるのです。
 今回は5周年記念公演ということで、1998年に上演した『貧血鬼DRACULA』をリニューアルし、多くのゲストを迎えて『新血鬼DRACULA』として特別上演! これは絶対見逃せないぞと、いつもは友達に任せきりのチケットを今回は自分で取って当日に臨みました。
 しかし、午後1時まで仕事のある土曜日。いろいろとアクシデントもあり、痛恨の10分遅刻を致してしまったのです(涙) 肝腎のドラキュラ誕生秘話を見逃し、少々落ち込み気味。
 でも、席は結構よかったんですよ! 2階席でしたがど真ん中で、舞台全体を見渡せる位置。これでもっと私の目がよかったら最高だったんですけどね。

 タナボタ企画はいつも少数精鋭での公演なので、林さんと岡さんが一人で何役もこなしてくださるのが見物なのですが、今回は特別公演ということでゲスト様も多く、以前はお二人がやっていた役をゲストの方が演じるということもあったようです。
 私は『貧血鬼』の方を見ていないのでよくわからないのですが、ドラキュラに恋する少女ルーシーちゃんは、以前は林さんがやってらしたそうですね。今回の林さんはルーシーの母ヴェロニカと、吸血鬼の研究者ヘルシング教授の2役でした。
 岡さんはドラクル公と、彼が悪魔と契約した後のドラキュラ、ドラキュラに乗り移られる青年ブラッド、よみがえったドラキュラの最初の犠牲者皇女エリザベール(シシィよりも美しい!)の4役。ドラクル公のところは私まるまる見られなかったんですよね……(遠い目) でも、ご自身がデザインなさっているというドラキュラのお衣装はどれもかっこよかったですし、お約束の女装、皇女エリザベールもお美しかったです(^^)
 ゲスト様では、妖艶な死に神を演じられた上垣内ふみさんが素敵でした。動きの一つ一つが美しく、舞台の雰囲気を高めていらっしゃいましたね。
 そして、ものすごく妙味を出していらしたのがセワード医師役の藤浦功一さん! ことごとくギャグに徹していらしたのですが、それがすごく笑えるのに加えて動きがいい! いい役者さんですね〜 パンフレットを見たら、「エリザベート」や「シューズオン」にも出ていらしたんですね。「エリザベート」ではトートダンサーのお一人だったのですね。なるほど!

 歌もよかったです。CDの中に入っていた曲もあって、やっぱりその辺はいいですね。「この愛を信じて」と「イリュージョン・オブ・ラブ」。両方好きですが、やっぱり後者の方がいいかな。「姫のティータイム」は歌詞がかわって、「シシィよりも美しいというだけで 帝劇に出られないかわいそうなエリザベール」となっていてウケました。
 踊りではフェスタの場面が一番印象的でしたね。あー、やっぱりドラキュラものにはああいう妖しい美しさがないといけませんよね!

 そんな訳で、多少悔いは残りますが、たいへん楽しめるミュージカルだったことに間違いはありません。
 今度はタナボタ企画がどんなことをやってくれるのか、楽しみですね。


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