Star Trek the Next Generation 4th season
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第4シーズン 第84話
宇宙暦:44356.9
二次元の生命体と接触したエンタープライズは行動不能に陥ってしまう。その直後、トロイはテレパシー能力が失われたことを自覚する。
失われたテレパシー-あらすじ-
当たり前と思っていた能力を失ってしまったディアナ。彼女は不安な気持ちを押さえ切れなかった。
監督: Chip Chalmers
Cast
- Janet Brooks:Kim Braden
- Ensign Tess Allenby:Mary Kohnert
失われたテレパシー
ディアナはカウンセリングを行いる。相手は夫を亡くした女性士官、ジャネット・ブルックス少尉で、昨晩、夢を見てやっと夫の死を認める気になったと打ち明ける。彼女は肩身を残していなかった。ディアナは戸棚からオルゴールを出して彼女に渡した。
ピカードが「ヒマラヤで馬に乗るホロ・プログラムは最高だ」とライカーに話しながらブリッジに戻ってきた。艦のセンサーに未確認物体が感知され、すぐに消えてしまう。その物体は平面的なフィールド異常で出現したり消滅したりを繰り返している。
その頃、ディアナは耐え難い頭痛に襲われていた。
検査の結果、センサーの異常ではないようだ。フィールド異常も消えたため、ピカードはテリ・ベータ星まで急ぐよう命じた。しかしエンジンが作動しはじめた瞬間、艦に大きな衝撃が走る。何らかの原因でワープ・フェィールドが崩壊してしまったらしい。その直後、艦はまるで見えない力に牽引されているかのように引っ張られはじめた。
自室で苦しんでいたディアナはビバリーに部屋まで来るよう連絡を入れた。
エンタープライズはゆっくりと引っ張られ続けていた。ワープエンジンでも通常エンジンでも謎の力を振り切ることが出来ない。
ビバリーがディアナの部屋にやってきた。頭痛は収まったらしいが、ディアナは彼女を見て妙な顔をする。
観察ラウンジ。上級士官たちが現在の状況について検討している。ピカードから生命体の存在を尋ねられたディアナは「なにも感じられない。まったくの無です」と答えた。彼女は外部からの感情を全く感じることが出来なくなっていた。
医療室で検査した結果、ディアナの脳に損傷がある、一部の細胞が反応しなくなっていることが判明した。ビバリーはさらに調査すると約束する。ディアナは努めて明るく振る舞っているが、ライカーとビバリーはそんな彼女の態度に一抹の不安を感じる。
ディアナの部屋にライカーがやってきた。ディアナは「自分は変わっていないのに周りの人が腫れ物を触るように振る舞うのが、一番嫌なことなの。あなたに同情される覚えはない」と怒り出す。
エンタープライズから探査機が発射された。何も異常はないが、素粒子がエンタープライズの周りをとりまくように一定方向に流れていた。
ディアナがブルックス少尉のカウンセリングを行っている。だがテレパシー能力が無いせいかいつものようにはいかない。少尉は「一晩泣いたらすっきりするわ」と言う。ディアナが「逃げようとしているだけよ。そんなに簡単に悲しみを消すことは出来ないはずよ」と言うと、彼女は「そんなことはないわ。あなたに心の中を見せたいくらい」と微笑んだ。
観察ラウンジ。デイタとジョーディが探査機空の情報を説明している。エンタープライズは重力子フィールドで構成された平面的な、つまり二次元の物質、おそらく生命体にはまり込んでしまった。ジョーディが「生命体なのか確認できれば」とつぶやくと、ディアナが「それ、どういう意味?」ときつい口調で聞き返す。そして観察ラウンジから飛び出していった。
ディアナは医療室のビバリーの元を訪れた。だがビバリーに打つ手に無いと言われてしまう。ディアナは「人間にはテレパシーがないから、私の辛さなんて分かりっこない」と怒鳴り、出ていった。自室に戻った彼女は床にしゃがみこみ、途方にくれた。
作戦室。ディアナはカウンセラーを辞任させて欲しいのピカードに申し出る。ピカードは「感情を読む必要はカウンセラーに絶対必要という訳ではない」と慰めるが、彼女は「私はベタゾイドのハーフだ。もうカウンセラーなど続けられない」と言い返し、再度辞職を認めるよう訴えた。
ディアナが腕を組んだまま自室を歩き回っていると、ライカーがやってきた。彼は彼女を抱きしめ、彼女は声をあげて泣いた。彼女は「どうしていいかわからない。皆の感情のない仮面にしか見えない。映像と同じだ。」と打ち明ける。ライカーは彼女から身を放し、「対等な立場になった訳だな。君はベタゾイドであることに優越感をもっていると感じていた」と告げる。ジョーディから呼ばれたライカーは「また来る」と言い残し出ていった。
ブリッジ。ジョーディの発案でワープ・ジャンプが実行された。だが艦は脱出できない。一瞬、素粒子の流れが乱れたようだ。ピカードはパターンの変化をユニバーサル・トランツレーターで分析するよう命じた。
テン・フォワード。しくしく泣いているディアナのテーブルにガイナンがやってきた。彼女は「カウンセラーになろうと思うの。艦に一人もいないと困るでしょ」と言う。ディアナは「本気じゃないんでしょ?直感で分かるわ」と言い返す。ガイナンは「人間としての直感を高めるのは簡単ではないがそれなりに面白いはず」とアドバイスした。
エンタープライズの前方に宇宙ヒモが観測された。流動体は宇宙ヒモに引き込まれはじめ、エンタープライズも同じ運命をたどろうとしていた。
エンタープライズは7時間もすれば宇宙ヒモに引きずり込まれてしまうだろう。ウォーフの提案で光子魚雷が発射された。成功すれば流動体はこちらの存在に気がつき、進路を変えるはずだ。だが流動体の動きに変化はない。注意を引くことが出来なかったのだ。
ディアナの部屋にジャネット・ブルックス少尉がやってきた。ディアナは「テレパシー能力が無くなったからカウンセラーはやめてしまった」と打ち明ける。すると少尉は前回のカウンセリングでディアナに言われたとおり、「自分を誤魔化そうとしていただけだった。テレパシーが無くなくても助けてくれたのはあなたよ。」と感謝する。
作戦室。ピカードはディアナを呼び、流動体とコンタクトする方法はないものか、と相談する。ディアナはしり込みする。するとピカードは「テレパシーが無くても君は心理的な問題の一人者だ。君が必要なんだ。」とピカードは告げた。
エンタープライズに残された時間はあと一時間足らず。観察ラウンジではデイタとディアナが流動体にコンタクトする方法を話し合っていた。ディアナは「私は何も感じない。あの流動体と同じように本能的に生きようとしているだけ」とつぶやき、はっとする。そしてデイタに「流動体が本能的になにをしようとしているのか探してみては?」と提案する。デイタが思わず聞き返すと、「強い重力に惹かれて本能的に宇宙ヒモに向かっているとしたら?」と彼女は説明する。つまり流動体は単に強い重力に向かっているだけであり、宇宙ヒモよりも強い重力を発生させれば進路を変えられるかもしれない、ということだ。
ジョーディの提案で、流動体の後方に宇宙ヒモと同じ重力を持つ「こだま」のようなものが作られた。しかしエンタープライズは宇宙ヒモの方へ引きずり込まれていく。「こだま」の重力を増すと流動体の動きが止まり、エンタープライズは脱出に成功した。ディアナが声をあげる。彼女は嬉しそうに「これでよかったんだわ。彼らにとって宇宙ヒモは故郷だったんです」と報告する。彼女のテレパシー能力も回復した。
テン・フォワード。ディアナがみなに謝っている。流動体からの感情が強すぎて、ディアナには処理しきれなくなってしまったのが原因だったようだ。「心理学者は患者としては最悪ね」とビバリーは言う。「まだカウンセラーの席って空いてる?」とガイナンから尋ねられたディアナは「もうふさがったわ」と微笑む。ディアナはライカーに言われたことが正しかったことを認め、ライカーが「やっとわかりあえたかな?」と言うと、彼女は「優越感については取り消してもらいたいわね」と笑った。
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