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アーサー王伝説への第一歩

00/09更新

1.1.アーサー王物語
1.2.解説書・雑誌など
1.3.もう一つのアーサー王物語
インターネット上のアーサー王物語

0.アーサー王物語について


アーサー王、ランスロット、マリーン、キャメロット、トリスタン、パーシヴァル、そしてアヴァロン. いくつかは皆さんも聞いたことがあると思います. これらはみな、遠大な「アーサー王物語」を構成する人物、地名です.

残念ながら「アーサー王伝説」は日本国内ではあまりポピュラーではなく、多くの人は子供だましのファンタジーという印象を持っているようですが、英国では「アーサー王」に関する学会もあるそうで、なかなか深いものがありそうです.

何冊か本を読んで感じるのは、ストーリーが細切れのわりには複雑に絡み合い、さらに登場する人物が多いため混乱させられるということです. また人名の表記も訳者によってまちまちで、たとえば「トリスタンとイゾルデ」のトリスタンは一部の本ではトリストラムで、イゾルデはイズーになっています. とっつくにくい部分さえクリアしてしまえばたいへん興味深い世界が開けることでしょう.

「アーサー王物語」はもともと口伝てで伝えられてきました. それを何人もの作者が文章にまとめたあげたものが何種類も存在しているため、書籍によっては細かい部分に相違が見られます. その「違い」は社会背景を反映し、あとで紹介する解説書の中で詳細がくわしく述べられています.
あらすじにあたる部分、つまりアーサー王の誕生、円卓の騎士たち、ランスロットと王妃であるギネヴィア、モードレッド、聖杯の探求、そしてアーサー王の死、これらはどの作者によるものでもほぼ共通しているようです.

このページでは私が所有しているアーサー王関連の書籍のなかから参考になりそうなものを紹介していきます.
「アーサー王物語」そのものは意外と出版されています. ただし解説書があまりないのが残念な限りです. ここで紹介するのは実際に手元にあるものなので、出版されているもののほんの一部です.


1.アーサー王伝説に関する書籍- 国内編 -

1.1. アーサー王物語

一番ポピュラーなのがサー・トーマス・マロリーの「アーサー王の死」だそうです. ここで紹介する本は「アーサー王の死」を元に書かれており、各社から出版されているので、値段と厚さを考慮した上でどれか気に入ったものを選ぶと良いでしょう. また、一冊読み終わった後、きっと他の出版社のものと比較したくなると思います. その他にも最近は何種類もあらたに出版されているようです。


中世騎士物語
books01.gif ブルフィンチ作:野上弥生子訳
岩波文庫 620円
ISBN 4-00-322252-0

本好きの方なら名前はどこかで聞いたことがあるあかもしれない. 中世以前の英雄にまつわる短編集的な内容で、自分が「アーサー王」に興味を持つきっかけとなった本. (もともとの構成上、)登場人物の関係などがやや理解しにくいと感じる部分がないわけではないが、同時期にチャレンジしたフレイザーの「金枝編」(岩波文庫、こちらは非常に有名)よりははるかに読みやすかった記憶がある. 安いこともあり、とりあえず「アーサー王の世界」を覗いてみたい方にはお薦め.


新訳 アーサー王物語
books02.gif トマス・ブルフィンチ著:大久保博訳
角川文庫 560円
ISBN 4-04-224303-7

「以前出ていたものを今日向けに編集し直したもの」ということで確かに読みやすい. 「中世騎士物語」からアーサー王関係を抜き出したものなので内容的にはほぼ同じはず. どちらかを選べばよいだろう(読みやすさからすれば断然こちら).


図説 アーサー王物語
books03.gif アンドレア=ホプキンズ 著:山本史郎 訳
原書房 3200円
ISBN 4-562-02668-5

平易な日本語で主にマロリーによる「アーサー王の死」を再構成?したもの. 人物で注釈も詳しい. 途中で何ヶ所か背景を紹介するページがあり、理解の助けになる. とても厚く値段も高いが、ストーリー全体をつかむには最適かも.


アーサー王の死 [ 中世文学集 I ]
books04.gif T・マロリー著:厨川文夫・圭子訳
ちくま文庫 910円
ISBN 4-480-02075-6

文庫本サイズの厚い本だがたいへん読みやすい. こちらも深いところまで知りたい方には手放しに薦めたい.



1.2. 解説書・雑誌など


最近少し数が増えてきたようですが、どれもそれぞれの特徴があるのでそれなりに楽しめます.

アーサー王伝説万華鏡
books05.gif 高宮 利行 著
中央公論社 2600円
ISBN 4-12-002403-4

こちらは様々なアーサー王にまつわる劇・映画そして小物に至るまで、さまざまなジャンルを紹介した一冊. 文章も読みやすく、内容も充実. この本を読めばさらに興味が増すことだろう. サイド・ブックとして最適.


アーサー王 〜 その歴史と伝説
books06.gif リチャード・ハーパー著:高宮 利行訳
東京書籍 2470円
ISBN 4-487-76005-4

「アーサー王は実在したのか?」そして「その正体は誰なのか?」という話題に始まり「アーサー王伝説がどのように変化していったのか?」などに触れ、円卓の騎士たちがどのように描かれていったのかということを解説している. ちょっとお堅い内容で、一歩踏み込んでみたい人向け.


アーサー王 〜 その歴史と伝説
books07.gif
青土社 980円
雑誌68932-97

特集が「アーサー王伝説」. そうでもなければ一生手にすることもなかっただろうと思う雑誌. アーサー王関係でよく名前を聞く人たちが対談する記事はなかなか興味深い. かなり突っ込んだ内容になっているが、ぱらぱら読んでも面白い. 最後の方の文献リストも国内、海外ともに充実しており役にたった.


アーサー王伝説紀行
books08.gif 加藤恭子著
中公新書1062 640円
ISBN 4-12-101062-0

アーサー王ゆかりの各地への紀行記. おもしろい試みで、これから旅行する人には参考になるかと思う. 他のなにかの本に書いてあったように作者は旅行前の準備が不十分だったようで、目的地までたどり着くまでにかなり苦労している. 文章のなかにアーサー王ゆかりの人々の息遣いが聞こえてくるようだ(やや誇張).


アーサー王伝説
books09.gif ジェフリー・アッシュ著:横山茂雄訳
平凡社 1900円
ISBN 4-582-28423-X

「イメージの博物館 16」絵画や劇などをたくさんの写真入りで解説. いままで頭の中で描いていたイメージがさらに広がることだろう. 一冊 持っていても損はしないはず.

アーサー王伝説
アンヌ・ベルトゥロ著:松村剛訳
創元社 1400円
ISBN 4-222-21131-5

「知の再発見シリーズ」の一冊。やや物足りない気もするが、写真や絵画多く掲載されているのでぱらぱら眺めていると楽しいかも。


1.3. もう一つのアーサー王物語


正しい「アーサー伝説」なのかわかりませんが、いろいろな作者が様々な「アーサー王伝説」を発表しています. マーク・トウェインの「アーサー王朝のヤンキー」などは比較的有名だとおもいますが、いかがでしょうか?

「エクスカリバーの宝剣 上・下」

バーナード・コーンウェル著:木原悦子訳
原書房 各1900円
ISBN 4-562-02904-8
ISBN 4-562-02905-6

「神の敵アーサー 上・下」

バーナード・コーンウェル著:木原悦子訳
原書房 各1900円
ISBN 4-562-03010-0
ISBN 4-562-03011-9

「エクスカリバー 最後の閃光 上・下」

バーナード・コーンウェル著:木原悦子訳
原書房 各1900円
ISBN 4-562-03162-X
ISBN 4-562-03163-8

他のアーサー物とはかなり異なる設定(というかタッチ)の作品だが、当時の実際の生活はこんなものではなかっただろうか。物語は年老いた修道士が昔の事件を一冊の本にまとめていくという形ですすんでいく。
いきなり暗いシーンから始まるので明るい気分の時に読まないとぐったりしてしまうが、超お薦め。


異教の女王
books10.gif マリオン・ジマー・ブラッドリー著:岩原明子訳
早川文庫 660円
ISBN 4-15-020110-2

「アヴァロンの霧」シリーズ、全四巻. 独特の視点でストーリーが語られていく. 非常におもしろく、アナザー・ストーリーとしては超一級だろう. 四冊重ねるとかなりの厚さになるが、週末にでも一気に読めてしまう. お薦め.


永遠の王(上・下)
books11.gif T.H.ホワイト著:森下弓子訳
創元推理文庫 780円
ISBN 4-488-54901-2

ユーモラスなストーリー展開になかなかなじめないが、それはそれでよく出来た作品. 特に下巻にさしかかるころには完全に物語に引き込まれている自分に気付くことだろう.


トゥルー・ナイト
books12.gif E.チャドウィック著:布施由紀子訳
角川文庫 600円
ISBN 4-04-268401-7

映画「トゥルー・ナイト」のノベライズ.

マリーンや魔法などは一切登場しない。円卓の騎士たちそれぞれの活躍はほとんど描かれておらず、あくまでもランスロットとギネビア、そしてアーサー王の恋がメイン。


2.海外のアーサー王関連の書籍


本当の「アーサー王物語」を理解するには、当然英語で読むべきものなのでしょうが、私は原書を読みこなす英語力がありません. したがってここで紹介する書籍は物語そのものではなく、どちらかというと百科事典的なものばかりです.

THE ILLUSTRATED ENCYCLOPEDIA OF ARTHURIAN LEGENDS
books13.gif Ronan Coghlan
Element Books Ltd. $29.95
ISBN 1-85230-428-6

ほとんど全頁にカラーの絵画が掲載されている. 項目の解説は簡略だが、この本の美しさの前にはそんなことは問題にならない. 興味のある人は絶対に買うべきである. このページで紹介する本で英語を読まなくても楽しめるのはこの本くらい.


THE ARTHURIAN LEGENDS -AN ILLUSTRATED ANTHLOGY
books14.gif Richard Barber
BOYDELL $17.00
ISBN 0-85115-252-X

美しい表紙はJames ArcherのLa Mort d'Arthur「アーサーの死」. ほとんど読んでいないのでコメントは省略.


The Arthurian Encyclopedia
books15.gif Norris J. Lacy
Peter Bedrick Books $16.95
ISBN 0-87226-164-6

はじめて手にした時、その厚さ(650頁!)に驚いた. 白黒ではあるが、この本の充実ぶりはEncyclopediaという名に恥じない. 各項目をかなり詳しく解説し、絵、写真も載っている. 値段も安いし、お薦め. 枕にもなる.


AN ARTHURIAN DICTIONARY
books16.gif Ruth Minary & Charles Moorman
University Press of Mississippi $8.95
ISBN 0-89733-348-9

120頁ほどの小冊子で各項目を数行程度で簡単に説明している. 安くて良いが、あまり役に立たないかも.



"Arthur's Ledgends"

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