猫又が“猫又”の存在を知ったのは、ハマりにハマって読んだ京極夏彦さんの小説で。 京極本にはかなり影響され、京都の晴明神社へ行ってみたり、禅寺が舞台の話を読んでは『十牛図』なんて本を買ってみたり、毎作欠かさずと言っていいほど登場する鳥山石燕にはかなり興味を惹かれ、石燕が描いた“猫又”がどうしても見てみたくて『画図百鬼夜行』を思わず買ってしまったり。 そんな、様々な妖怪たちが跋扈している京極本の中で、妖怪画を多く描いている河鍋暁斎(かわなべきょうさい)という名前も度々登場し、ちょっと興味を持っていた。 今回たまたま河鍋暁斎記念美術館に於いて、「日本の不思議−暁斎の描いたもののけ−展」というのが開催されているのを知り、行ってみた。 JR蕨駅から30分弱位かな? 結構歩いた住宅街の中に美術館はあった。 こじんまりとした美術館の展示スペースの、半分くらいが今回のもののけ展、もう半分が常設展といった感じだった。 お目当てのもののけ展は、期待通りの妖怪画が沢山展示されていた。 石燕の妖怪画は、多分に謎掛けやら見立てやらが籠められているけれど、暁斎の画はそれよりも少しユーモアを感じられるものが多かった。 妖怪たちが学校で学ぶ様子を描いた“化々学校”とか、赤いちゃんちゃんこを着た猫又や狸やモグラが踊る“鳥獣戯画 猫又と狸”とか。 それらを間近でじっくりと見ることが出来、また常設展では、以前観たお芝居の中で聞いた「ジャパンパンチ」(風刺画?)なども発見(笑)したり、本当に面白かった。 見学し終えると、ミュージアムグッズ等が置かれた別棟に案内され、紅茶をふるまってくれた。 駅からは少し遠かったけど、閑静な住宅地の中にひっそりと佇む美術館で、とても充実した楽しい時間を過ごすことが出来た。
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