東日本大震災に伴う福島第一原発の事故から、原発に対する不安が一気に爆発。

各地の原発は一体地震や津波に対してどのくらい安全なのか、活断層は下を通っていないのか、などの議論が活発に行われている。

これを聞いていると「地震・津波対策が万全なら事故の危険は少なく、再稼働しても問題がない」と言っているように感じる。

果たしてそうであろうか?他に危険性はないのか?

 つまり、先ほどの議論は、原発のすべての問題を「地震・津波対策」にのみ矮小化して、これさえすり抜ければ安全のお墨付きを得られる、という風に目論んでいる何者かがおり、マスコミや一般人も、この「目くらまし」に騙されていると感じるのは私だけであろうか?

まず問題なのは、いずれ必ず来る原発の寿命と廃炉に伴う大量の高濃度放射性廃棄物の処理の問題だ。

これが不活化して全く問題がなくなるのは2万年~10万年かかる。

高々数十年の技術に基づく『毒』を、これだけの長期間残すという事がどういうことになるか、全く考えていないのだろうか?

原発開発当初、本当に全く何も考えていなかった事は間違いない。

私の父(現在88歳:医学者)がまだ若い頃、原発の開発に携わっていた著名な学者と会う機会があり、

「原発開発の最大のボトルネックはなんだと考えますか?」と質問したところ、

少し考えて

「燃料の調達でしょう」と答えたという。

父が

「そうですか。私は廃棄物の処理と考えますが、いかがですか」と問うたところ、全く返答できなかったという。

現在は、「安定した地層に埋める」などと言っているが、苦し紛れの策でしかない。

論理的には巨大なロケットで太陽に打ち込むのが最善策と考えるが、打ち上げ時のリスクは甚大。廃棄物の量を考えれば全く不可能。

(続く)