富山シリーズ


富山に6年間在住し、ここを去るとき一晩で作りました。

八尾の田舎寺で家内のお通夜
(やつおのいなかでらでかないのおつや)
(註)うちのかみさんはまだ生きています。ごめんねかあちゃん。

橋、港、品物もなし、砺波市は

(はしみなとしなものもなしとなみしは)


(評)どうして地名が入るとこんなに暗くなるのでしょう。(新潟シリーズ参照)砺波市の人へ。ごめん!

ちまき良い婦負、良き町

(ちまきよいねいよきまち)


富山弁シリーズ

英語では「ノー」、オランダ語では「ネィ」、富山弁では「なぁ」か「な」

「あなた勤(つと)めやめとった?」「なぁ」

富山弁では、語尾にやや鼻にかかった「が」がつきます。

「癌らしい」「知らんが」

(がんらしいしらんが)

「何故医学行くが?」「医学行くがいぜ!」「な!」

(なぜいがくいくがいがくいくがいぜな)

疑問形は「け」です。

怪我、いいがけ?

「婦負は いいちまき なき町」「いいわいね!」

素手がナヨナヨながです

綿付かんかったわ

「穴、毛が立ったがけ?」「なぁ」

税が言い値でね、いいがいぜ

癌と決まって、妻来とんが

癌と生き、高き生き方聞いとんが

「癌」と記(しる)しとんが

癌と決定し、印(しるし)強いて付けとんが

体死ぬお主、だらか!(だら=馬鹿)

「回文傑作選」に

移転 機に 謹呈(いてんきにきんてい)

と上書きを付け、裏表紙には

雁飛ぶ富山医薬大 俺を抱くや 今や 飛ぶ鳥か

(かりとぶとやまいやくだいおれおいだくやいまやとぶとりか)

の一文を付け、学生に配ったまるちゃんは

新潟をよろしくしろよ、お互いに

(にいがたをよろしくしろよおたがいに)

の声に

慕わる様や ときめき ときめき 富山去る私

(したわるさまやときめきときめきとやまさるわたし)

と言い残し、よたよたと富山を去ったのであった。