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-Harlock in ComicsWorld-

GUN FRONTIER (Harlock in ComicsWorld)

1972年11月11日号〜1975年12月14日号プレイコミック連載。
秋田書店より、秋田文庫で全2巻が発売中。

STORY

西部劇調の世界が舞台。
日本人の生き残りトチローと、その友人ウエスターナー・フランクリン・ハーロックジュニアと、妖艶な謎の美女シヌノラの三人が、トチローの同族を求めて旅をする物語。

 

<<独断と偏見のコーナー>>


※注意書き:
  私はこの作品は拒否反応的傾向にありますので下の内容も当然そのような文章です。
  その点ご承知おきくださり、それでもいいと思った方のみお読みください。

 

 「ガンフロンティア」といえば、松本零士ファンなら誰でもその名は知らぬ人はいない位、有名な作品だ。
仮に作品自体を知らない人でも、「999」等でさんざん山の名前などで登場しているので、聞いたことくらいはある名前かも知れない。松本零士氏が好んで使う名であることは彼の描く作品で頻繁に出てくることからもわかる。
 この作品はいろんな意味で有名な作品だと思うが、原作のハーロック登場作品一覧のコメントにも書いたように、ハーロックとトチローが初めて表立ってコンビを組んで登場した最初の作品なのである。


 最近、めでたく秋田書店から復刻されたということでじゃあそれを祝して特別にページを作ってみよう、などと軽く思いついたのが運のツキ。
 結局作るハメになってしまったのだが、実は、もしそういう復刻されるなどという事態がなかったら多分作らなかったかもしれない。

 この作品を読んだのは私が確か中学生の頃だったと思う。松本零士氏といえば、アニメーションでの有名な作品、「999」や「ヤマト」「ハーロック」といった健全な印象しかなく、過去の彼がどんな漫画を描いていたか、よく知らなかった頃である。
 そういう私がこの本を読んだ衝撃は大きかった。そして何を思ったかというと、
(こんなものを読んでいると親兄弟に知られたらまずいっ!)
と一度買った本を捨ててしまったのである。(結局捨てたことを後悔し後でまた買うことになるのだが…。)
 そして、多分これはきっと、私が大人になったら平気で読めるようになってこの世界も理解できるのかも知れないなどと健気に考えていたのだが、大人になった今見ても感じる印象が変わらず、やっぱりすごい内容だな〜!と思ってしまうのである。

 他の漫画家がどんなに大人向けのものを描いても松本零士氏独特の表現方法には太刀打ちできないのではないかという気がする。
 これほどいやらしさを感じさせる表現が描ける漫画家はいないのではあるまいか?
それは多分黒を多く使った独特のなまめかしさが他よりあるせいもあるかも知れない。
 「ガンフロンティア」を読んで好印象を持たれた方には申し訳ないが、私は正直いって「気持ち悪い!」との印象で、あまり好きな作品とは言い難い。

また、内容がアダルト”過ぎる”ということだけでなく、好きになれない理由がまだある。
 まずはシヌノラ。
彼女を見ていると同性ながら理解しがたい行動が多い。まあ、この世界は零士氏好みの男の世界なのでシヌノラは男性にとっては非常に都合がいいというか理想の女性ということになるのかも知れない。
また零士氏の描かれる世界で描かれる女性像にマジメにそんなことを今更言ってもはじまらない。
 が、同じアダルト系のヒロインでも私は「セクサロイド」のユキ7号はとっても好感が持てる。
シヌノラは彼の作品に登場するヒロインの中でも私の中ではワースト1だろう。
 まあ世の中広いから彼女を理解できる女性も当然いるだろうが、彼女を「女の中の女」などと言われた日にゃ…「あ、そうですか。」としか返しようがない。
 それと、ハーロックはあの宇宙海賊のイメージからするとかなり異質のハーロックということになるが、主役・トチローの強烈な個性の前にとっても影が薄いことである。(なんかやさ男だし…。)
 一応、ルックスはトチローよりもかっこよく、銃の腕前もトチローより優れているが、あまりかっこいいという印象がない。逆にそういう点が優れているからこそ余計にトチローのいい引き立て役になっているようだ。

 しかし、認めざるを得ないのは「ガンフロンティア」の世界は非常に無茶苦茶な世界でありながらこの世界自体がとても生き生きとしている、ということだ。
 松本零士氏が、本当に描きたいものを思う存分思いっきり描いた、そういう感じが伝わってくる。
少女漫画を描いていた頃の作品を読むと、まるで別人のようだ。
まさしくこれが松本零士氏の世界なんじゃないのかなあと思うのである。
トチローはまさしく零士氏自身の分身であり、シヌノラは理想の女性。
 自分の世界をここまで表現できるという点で考えたら、松本零士という人は本当にすごい人なんだなと思う。
 キャラクターも、時を経ても次元を超えて現在も尚、活躍し続けている。
ただ、今はどうも話がシチ難しくキャラクターもなんとなくセメントで固めたような固さを感じさせるから、この世界の「かっこつけているわけでもないのにかっこいい」生き生きとした楽しさがとても懐かしいな〜とは思っている。
小説版「ガンフロンティアII」は健全版で非常に受け入れやすく面白いのでこのような物語をもっと作ってもらえたらなと願ってはいるのである。

 

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