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[ M2D+MA ]2001〜2002

 埼玉県県北本市/個人住宅/木造軸組地上2階建て  
 設計_中辻正明・都市建築研究室(中辻正明+中辻雅江)   
 監理_同上
 構造_井上建築構造設計室
 施工_丸勝建設

※新建築住宅特集 2003/03 (No.203) 掲載
※東京都建築士会平成15年「住宅建築賞」入賞
※カナダ グリーン デザイン賞 2003年 住宅部門 最優秀賞
※平成17年度「まちなみ住宅」100選 ベターリビング理事長賞
※彰国社「ディテール」2003秋季号158掲載
※モダンリビング (July 2003-No.149) 掲載
※新しい住まいの設計 2003/08 掲載
※「こんな家に住みたい」2003年11月号掲載

 撮影_Archi-Photo 北嶋俊治氏

 木造2階建て住宅の密集地に、この住宅は建つ。敷地前面で
交錯する生活道路は、狭隘ながらも通行量が多い。複数で住む
というより、個人が音楽を楽しむアトリエ的な要素が強く、建
物全体を連続する一体空間となっている。敷地と同様、平面形
状も三角形で、その三つの隅は外壁で囲われた半屋内的な外部
空間とした。内外や内々を仕切る物理的な存在は希薄にし、あ
る質感(空気感)を持ったボリュームや領域をいくつか配置し
た。そこを人や視線が通り抜ける際に生じる微妙な感覚や意識
の変化によって、多様な空間体験と場面転換をもたらすことを
意図した。例えば、それは、建物と道路の間の石敷きの素材感
やグリーンベルトの清涼感であり、住宅内部を貫通するコンク
リート床の冷えた仕上げや、金属製有孔デッキの浮遊感などで
ある。それらの持つマチエールを、感覚や意識が纏うことで、
何らかの作用が発生すると考えている。           

 ヨコ張りの外壁は、材料ロスが無いよう表面、下地とも既製
の3×6判を三分割して使用した。周辺の落ち着いた町並みと
の調和から、表面は杉板耐水合板を濃色に仕上げた。その一方
で、既製のスパンドレルエンド金物を転用したアルミ目地が、
工業製品のシャープさで、下見板張りを現代的なデザインにア
レンジしている。これらの部材はステンレス化粧ビスで固定さ
れており、個別にメンテナンスや交換が可能である。このよう
な環境にも配慮した工法によって、既存の町並みとのバランス
の中で、凛として建つ新しい住宅が成立したと思う。
(某建築コンクール応募本文より抜粋。今後、加筆します。)

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