湖北の観音菩薩

江州伊香三十三所三十二番札所鶏足寺の十一面観音菩薩

(奥びわ湖観光連盟パンフレット写真)

奈良時代、僧行基が近江の国の鬼門に当たる己高山に十一面観音を祭った。その後僧院が衰退朽ち果てた頃、比叡山の最澄が薄雪に鳥の足跡を辿り灰燼に埋まった十一面観音の頭部を発見、胴体部分を新たに作り祀った、これを機に己高山鶏足寺として湖北の佛教文化が興隆した。しかし時代の推移によりこれを支えられなくなり衰退し現在は己高閣という収蔵庫にお祀つりされ地区の村人に守られている。

舟型の光背はもっと後年の作のようだ。右手は膝近くまで長く多くの衆生を済度せんとしておられ、右足の少し前に出し親指の少し持ち上げ、今にも済度のために歩き出さんとしておられる。

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