半生・反省・繁盛記
(12号)
手榴弾
2〜3センチのボルトにちょっと大きめのワッシャー2枚を挟みナットで止める。ワッシャーの間に紙火薬(煙硝)を挟み地面に投げると「バン!」と大きな音ではじける。これが子供の手製手榴弾として流行った。
大八車は「大人八人分の仕事量が出来る車」ということから命名されている。取っ手で四角に囲まれた梶棒の中で、曳き綱を肩に架け子供でも引けた。
祭りで買った煙硝をポケットに数個要れて大八車を引いていたところ、梶棒とポケットがこすれて火薬が発火ポケットが火事だ、右の内腿が大やけど。
どんど
正月15日、各家から門松・注連縄などを集め向かいの山の放牧場入り口でどんど焼きをするのが子供らの正月行事の一つだ。
放牧場の山から松・竹・もろの木などを切り出し3〜4メートル高のピラミッドを作り火をつける。「どんどやー!」「どんどやー!」と掛け声をかけながら燃やす火祭りだ。
竹の先には正月2日に書いた書初めをつけて炎もろとも高く昇れば昇るほど字が上手になる。どんどの火に当れば一年間風をひかない、病気をしない。など残り火で餅を焼いて遅くまで火の周りで遊んだ。
ある年翌日の残り火で火遊びをした。ドロップ飴の空き缶に水を入れ密閉蓋をして火にかけると、『ボン』と音がして蓋が飛びはじけるのが面白かった。何回目かのときはじけなかったので覗き込んだ、突然『ボン』とはじけ熱湯を顔面に浴びた。しばらくはヒリヒリと顔面が疼いた。
天神講
冬休み12月25日ごろ毎年「天神講」という男女別の子供の集いがあった。天神さんの命日2月25日に寺子屋などで子供が天神祭りを行った流れだろう。
小学校の子供会で天神講の前日全員が各戸を回り、米や野菜小遣い銭を講宿に集める。講宿の子の母親がこれで料理を作り、昼夜にわたり、かやくご飯・赤飯や小芋の煮っ転がしなどのご馳走を食べ、カルタ・ゲームなどを遊ぶのである。
夜には「試胆会」(きもためし)と称し一人で暗い水車小屋の陰まで往って帰る冒険行があった。物陰に上級生が隠れるなどして下級生には試練だった。試胆会が菓子の配布基準になったりもした。