美容師から、カットモデルを頼まれているんですが・・・。

「モデル」ということで、少しプライドをくすぐる言い方をする美容師もいるようですね。また、TVの女性の変身番組で、美容師に髪を切って貰って美しく(?)変身している女性達もカットモデルではあります。でも大多数のカットモデルというのはそういうものじゃないんですよ。
 美容院などで、閉店してから店の中でマネキンの頭部だけを使って髪を切る練習をしている美容師を見かけることがあると思います。カットモデルというのは、あのマネキンの頭部の代わりで、カットモデルというのは要するに美容師のヘアカットの練習台です。
 もちろん、たくさんのカットモデルを使って美容師が腕を磨いていくわけですから、カットモデルというのは必要な存在ではあります。でも、あなたが練習台にされる義理はあるのでしょうか?
 カットモデルを捜している美容師にとって、ロングヘア女性はとても美味しいカットモデルかもしれません。なぜかというと、髪が長いので、何度も繰り返し思う存分色々なカットを練習できるからです。
 美容師の中には街頭で女性に声をかけ、カットモデルにならないかと勧誘する人がいます。
 「ただで髪を切ってあげる」
 「格好いい髪型にしてあげる」
と言われるようですが、練習をさせてあげるのですから、美容師の側が「ただで髪を切ってあげる」と恩着せがましく言うようなものではなく、本来は
 「お金を払いますから私の練習台になって下さい」
とお願いするべきものです。例えば、ぼくが女性ポートレートの撮影練習をしたくてモデルを街頭でみつけようとしているとします。このとき女性に、
 「ただで撮影してあげるから」
と言ったら、
 「あなた何様?」
と声をかけた女性から張り手をくらっても文句は言えないはずです。「ただで髪を切ってあげる」というのはそれくらい尊大な言い方なのです。美容師はいつからそんなに偉くなったのでしょうか?
 ロングヘア女性はロング→ミディアムロング→セミロング→ボブ→ショート→ベリーショートと、一人のカットモデルで何回も・いくつもの髪型の練習台になりますから、街頭でカットモデルを見つけようとしている美容師にとっては「おいしい練習台」で、声をかける標的になりやすいかもしれません。また、今は黒髪ロングを「重い」「流行遅れ」と言って、黒髪のロングヘア女性を自分のヘアカットやヘアダイの練習台にしようとする美容師もいるかもしれません。そもそも、髪を短くしたいという意思を確認する前に「髪を切ってあげる」「格好いい髪型にしてあげる」という言葉を出すこと自体が相手(ロングヘア女性)の気持ちを無視した行為で、こういう人が美容師として果たしてお客さんの希望をきちんと聞く仕事をするかどうか、疑問です。
 街頭美容師対策としては、これはナンパ男と同様に無視することが一番だと思います。しつこい街頭美容師も多いようですが、きっぱりと拒否することが大切です。
 そもそも、街頭で見知らぬ女性に声をかけまくっている人に自分の大切な髪を任せて大丈夫でしょうか?ナンパしてきた男性に自分の体を自由に触らせるのと同じようなものだという気もするのですが・・・。

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[2003/08/23]

<関連メッセージ>
2002/02/02 聞いて(読んで)下さいますか?  HH
[2006/03/07]「お金を払うから切らせてください」  HH


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