ロングヘア女性が美容院でアレンジをして貰う際のご注意

 普通、アレンジヘアというのは、髪を切らずにまとめるものですよね?でも、一部の美容師は、アレンジヘアのために髪をばっさり短くし、シャギー・レイヤーを入れ、パーマをかけます。具体的には、以下の事例があります。

上は極端な一部の事例ではありません。毎年のように被害報告がある「よくある事例」です。特に、髪を伸ばし始めて初めて美容院にアレンジをしてもらいに行く場合は、アレンジするだけと思っていたのに髪型を勝手に変えられてしまい、激しいショックを受ける女性が少なくありません。
 以下、それぞれの事例について、なぜ美容師がそんなことをしたがるのか、そしてどう対応すればいいかについて考えたいと思います。

「髪が長すぎて結えない」?

 「髪が長すぎて結えない」
というのは、正確には、
 「私には長い髪を結う技術がないので結えません」
ということです(`ヘ´)
 一部の(多くの?)美容師は、ある程度の長さ以上の髪だと結い方を知らないので、自分が結える長さに切りたいわけです。実際、アレンジヘアをするために美容院に行ったら、髪が長すぎると言われて、髪をトップバストくらいまでにばっさり切られてしまったロングヘア女性が何人もいらっしゃいます。また、少しだけ、と言って客を騙してばっさり切る美容師もいます(確信犯)。
 胸にかかる程度の長さの髪の方が短時間で結いやすく、髪が長いほどアレンジに時間がかかるため、髪を切りたがる美容師もいるでしょう。
 でも基本的に、髪が長くてアレンジができない、という美容師は、アレンジヘアの技術が低い、ということです。

「髪が真っ直ぐすぎて結えません」?

 髪を結う、ということからすると、艶があってさらさらで張りのあるストレートヘアは摩擦が小さくてまとめた髪が解けやすいです。逆に、傷んでいる髪は摩擦が大きいのでまとめやすいです。だから、アレンジをするために、ストレートヘアの女性にパーマをかけることを求める美容師がいます。

「毛先が揃っていると結えません」?

 今はシャギー・レイヤーの入っている髪型が主流なので、そういった髪型のアレンジの仕方しか知らない美容師が、毛先を綺麗に切り揃えている女性に勝手にシャギー・レイヤーを入れることがあります。シャギー・レイヤーの入っている髪型は毛先部分の摩擦が大きいので、まとめ髪が崩れにくいということはあるでしょう。ただ、まとめ髪をするためにわざわざ髪に傷みを作るのって、ヘアケアとは正反対の立場だと思いませんか?

「黒髪だとアレンジできない」?

 黒髪が結いにくいというのは、茶髪にして髪にダメージを作って摩擦を大きくした方が結いやすい、ということでしょう。
 また、黒髪が映えるアレンジヘアと、茶髪を前提としたアレンジヘアとがあって、茶髪を前提としたアレンジヘアしか知らない美容師だ、という可能性もあります。

逆毛を立てる髪型にされて、枝毛だらけになった

現在のアレンジヘアは、逆毛を立てる髪型が多いです。でも逆毛を立てるとき、キューティクルの方向とは逆方向に櫛を使うため、髪がひどく傷みます。美容師は髪型を作るためなら髪を傷めることに対してためらいがない、と思って警戒している方が安全です。

美容師がアレンジヘアをしに来たロングヘア女性の髪を切りたがるわけ

 女性がまとめ髪をするのは、成人式や卒業式など、特定の時期に集中しています。だから美容院としては、短時間で沢山の客をさばきたいわけです。その立場からすると、胸にかかる程度の長さでシャギー・レイヤーをたっぷり入れた髪型が手早く仕上げられて望ましいです。この髪型でない女性はこの髪型にしてしまいたいわけです。
 また、成人式・卒業式シーズンは、客が美容院に殺到し、美容院も強気です。「今日ここで髪を結ってもらえないともう別の美容院では受け付けてくれない」という客の心理を見越して、手早く結えるよう髪を短くするよう迫るわけですね。

美容師がアレンジヘアをしに来たロングヘア女性に茶髪やパーマを勧める経営上の理由

 美容院経営の立場からは、たまにしか美容院に来ない黒髪ロングの女性はあまり良い客ではありません。それを、茶髪・パーマ・シャギー・レイヤーの髪型にすれば、その髪型を維持するために頻繁に美容院に通う優良顧客に変えることができます。
 そういうわけで、美容院経営の立場からは、「黒くてワンレングス、シャギーも入っていない髪は結えない・アレンジできない」と言って客に髪型を変えるのを迫るのはよくあることです。

アレンジヘアをしに来たロングヘア女性に髪型を変えることを求める美容師の技術レベル

 そもそも、ロングヘア女性が髪を伸ばしているのは、美容師がまとめ髪をしやすくするためではありませんよね?傷んだ髪の方がまとめやすい、胸にかかる程度の長さの方が結いやすい、というのは、美容師の都合でしかありません。客はあなたです。美容師が客に合わせるべきであって、客が美容師の都合に合わせる必要は全くありません。
 そもそも、茶髪・シャギー・レイヤーが流行する以前は、日本女性はほとんど全員が黒髪で、髪を伸ばしている人は毛先を切り揃えていることが多く、腰くらいまでの長さの髪は若い女性の間では特に珍しくない長さでした。その頃は美容師も、そういった髪をそのまま結っていたはずです。だから美容師が、
 「髪が長すぎて結えない」
 「毛先が揃っていて結えない」
などと言うのは、自分は技術が低いと言うことを認めているにすぎません。
 もちろん、いくら髪が長くても、どれほど髪がさらさらでも、一切鋏を入れずに髪をまとめてくれる美容師もたくさんいらっしゃるはずです。そういう美容師さんをご存じの方は、ぜひ教えてください(自薦もOKです)。

対策

 ロングヘア女性に対してアレンジするために髪型を変えるよう求める美容師は、全般的に技術レベルが低い可能性があります。自分の低い技術の枠内に客の髪型をはめ込もうとする美容師とは付き合わないことをおすすめします。美容院はいくらでもありますから、きっぱり断って、よそに行きましょう。
 事前に電話で、自分の髪の長さ等を伝え、純粋にアレンジだけする技術を持っているかどうか確認してから美容院に向かえば、大切に伸ばしていたロングヘアをお金を払って失ってしまうといった最悪の事態は避けられると思います。
 また、美容院に行ってからは、美容師任せの姿勢は見せず、自分の注文通りにしない場合は細かくチェックを入れ、「うるさい客」と印象づけるといいかもしれません。間違っても、「自分に任せてくれる良いお客さん」と美容師に思いこませてはいけません。
 事前チェックリストやアレンジヘア注文フォームについては、美容院で失敗しないために:アレンジヘア編もご覧下さい。


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