エイプリル・フール
|
||||||
「ハーマイオニー、ロン、ちょっと頼み聞いてもらえるかな?」
次の授業の教室へ向かおうとしたハーマイオニーとロンに突然ハリーがどこかの国のマネのように手を合わせお願い…頼みに来た。 「僕たちにお願いだなんて珍しいね、ハリー。どうしたんだい?」 「そうよ、あなた何も悪いことしてないじゃない。」 何を突然…と言った感じで不思議そうにハリーを見つめた。 「え〜っと…その、子供みたいなんだけどさ。もうすぐ4月1日じゃない?」 「えぇ。」 「うん。」 ちなみに、ハリーの顔を見ると困っているようだが目が笑っていた。 それをターゲットと言われている二人は見逃した。 「僕、ダドリーにいっっっつも嘘つかれてさ良い思い出が無いんだ…。だから、その日はお互いに嘘はつかないでおこうよ。」 ニッコリと笑ったハリーを不思議に思いながらロンとハーマイオニーは「可哀想に…嫌な思い出があったんだ。」と同情し、軽く頷いた。 「もちろんよ、ハリー!私たちに嘘なんか必要ないわっ。」 「そうだよ!僕たちが嘘ついたときある?」 「あぁ、それなら良かった。」 さ、早く行かなくちゃスネイプに怒られるよ、と三人は足早に教室を去った。
「あっ、フレッド!ジョージ!」 丁度、授業が終わり、ロンとハーマイオニーが居ないスキを見てハリーはお騒がせ双子兄弟を引きとめた。 「やぁハリー。どうだい、作戦は順調かい?」 「そうだよ!僕たちの可愛いロニィ坊やを素直にさせる作戦!」 二人が居ないことを良いことになにやら作戦会議を始めた。 「大丈夫!二人とも僕の説得で嘘つかないって言ったよ。あとは決めたどおりやれば大丈夫だ。」 「さすがハリー様!じゃぁ、僕たちも下準備に掛からなければ!」 「あの材料も手に入っていることだし♪」 そうこうしているうちに二人が教室から出てきてしまった。 「おっと!じゃ、ハリー頼んだよ!」 ブラックな笑顔で見送り、そのまま二人の方へ向く。 やはり、不思議そうな顔でこちらを見ていた。 「どうしたの、ハリー?あのバカフレッド&ジョージに用事なんて。」 「次の新製品を試さないかって脅されてたんだよ、ロン。さっ、教室に戻ろうよ。」 やはり、今回はハリー黒くなっている模様。笑顔のまま受け答えしている。
「…ねぇ、ロン。この頃ハリーってば妙じゃない?」 図書館からの膨大な本を持たせているロンとそれを平然そうにさせるハーマイオニーが聞いた。 「そ、そんなのっ知らないよ…!それよりこの本の量…っ異常だって…!」 「あら、でもこの本が無いとレポート書けないじゃない。それにロンだってそうでしょ?」 「そ、そりゃそうだけど…っ!」 自分の体重より重いような本を前に悪戦苦闘をしている。 「だって、エイプリル・フールなんて冗談で嘘つく日でしょう?なんで『嘘つかないでねv』なんて言ったのかしら…。」 「マグルに苛められたからだろ?」 「でもね〜…。」 腕を組み替えながらハーマイオニーは更に悩んでいるようだった。 「ハーマイオニー、悩み過ぎだって。ハリーが変なことするわけないじゃん。」 「――僕が何をするんだい、ロン?」 と、突然後ろからハリーが耳元で言ってきた。 「うわぁっ!!」 「キャッ、ロン大丈夫?!」 その反動で今まで持っていた本全部をロンは足に落としてしまった。 「あっ、ロン、ごめん。そんなにビックリするとは…。」 「い、いきなり後ろから声掛けて来ないでよ、ハリー…。」 「あははは、ゴメンゴメン。じゃ、本半分持つよ。」 何事も無かったかのようにハリーは落ちていた本をキッチリ半分持ってすたすたと歩く。 「…ハーマイオニー、訂正。やっぱ変だ、ハリーの奴…。」 「だから言ったでしょう…。」 どうしたのー?早くー!と言っているハリーを尻目に二人して呆然としていた。 |
||||||
アトガキ。
何か続くみたいです。やっぱりハリポタは読み込まなくちゃキャラをつかめません。 ちなみに言い訳をば。 うちのハリーさんは絶対黒いです。原作みたいに純粋じゃありません(笑)ロンハーもよくまだ形固まってません(爆) 2003 4 1 伊予 |
||||||