ORT Music
『 くりくら音楽会 vol.8』 「ひとり、ピアノ」 |
4月21日(木) 5月19日(木) 6月16日(木) |
東京・門前仲町 門仲天井ホール |
『 耳を開く vol.4』 「滴(しずく)の音(ね)」 |
10月20日(木) 11月17日(木) 12月15日(木) |
東京・門前仲町 門仲天井ホール |
『 くりくら音楽会 vol.8』 「ひとり、ピアノ」 |
日にち : 2011年 4月21日(木) 5月19日(木) 6月16日(木) (いずれも、その月の第三木曜日) 時間 : 開場 19:00 開演 19:30 場所 : 門仲天井ホール 東京都江東区門前仲町1−20−3 8F tel. 03−3641−8275 交通 : 東京メトロ東西線・門前仲町駅(出口3) 徒歩3分 都営大江戸線・門前仲町(出口6) 徒歩2分 料金 : 前売 3000円 当日3500円 (入場整理券は開場30分前に発行します) 会員・学生 2500円 (学生証提示) 回数券 7500円 (三枚綴り/前売、予約のみ) (1人で各回使ったり、友人とシェアできる、 超お得なチケット!) 全席自由/1ドリンク付き 出演 : 4月21日(木) 西山瞳(pf)、森下滋(pf) 5月20日(木) 林正樹(pf)、ハクエイキム(pf) 6月17日(木) 阿部篤志(pf)、黒田京子(pf) 予約・問い合わせ : 門仲天井ホール tel. 03−3641−8275 |
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くりくら音楽会。「くりくら」というのは、ドイツ語のKlingen(クリンゲン/響く)とKlavier(クラヴィーア/ピアノ)をくっつけた言葉です。ピアノよ、響け!みたいな感じですが、これはこの門仲天井ホールの“謝P祭”と提携した企画です。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 以下は、フライヤーに記載した黒田の文章です。 たくさんの手 あのね ひとり と書くと なんだかとてもさみしそうだけれど このピアノには たくさんの人の手が 生きているんだよ ドイツの家具職人、ハインリッヒ・エンゲルハート・スタインヴェクが自宅の台所で初めてピアノを作ったのは1836年。その後1850年にアメリカに移住し、3年後にヘンリー・エンゲルハート・スタインウェイと名前を変えて、ニューヨークにSteinway&Sonsを設立しました。これがスタインウェイというピアノのはじまりです。木材、フェルト、鉄骨など、ピアノに使われている材料。約8000個あまりの部品。一台のピアノができあがるまでに、約300人の手がかかわっていると言われています。 1993年、この門仲天井ホールに小さなスタインウェイがやってきました。このピアノは、有志による「門天ホールにピアノを贈る会」によって、つまりたくさんの人たちの寄付などで、奏でられるよろこびを得ています。 『くりくら音楽会』は、このピアノを生かすことをまず第一の目的に、2006年秋に始めました。今年であしかけ5年目になり、出演者はのべ64名、これまでのべ27人のピアニストが、このコンサートで演奏しています。 そして、今日も、大切にメンテナンスしているホール、さらに調律師さんのお力を借りて、私たちはこの楽器を演奏します。ひとり、で。 ピアノ・ソロ自体は別に珍しいことでもなんでもありませんが、このコンサート・シリーズでは初めてのこころみです。一夜に二人のピアニストの演奏を聴いていただき、ピアノという楽器の音色や響き、そしてピアノと自分自身に対峙するピアニストの息づかいや生き様を、こころゆくまで感じていただけるひとときにしたいと思っています。 8階にある門仲天井ホールの窓から見える夜景はとてもきれいです。東京タワーもスカイツリーも見ることができます。時代は移り変わっていきますが、ここのピアノ、そして奏でられる音楽が、いつまでもみなさんの心に置きとどめられることを祈って。 ぜひおでかけください。 |
『 耳を開く vol.4』 「滴(しずく)の音(ね)」 |
日にち : 2011年 10月20日(木) 11月17日(木) 12月15日(木) (いずれも、その月の第三木曜日) 時間 : 開場 19:00 開演 19:30 場所 : 門仲天井ホール 東京都江東区門前仲町1−20−3 8F tel. 03−3641−8275 交通 : 東京メトロ東西線・門前仲町駅(出口3) 徒歩3分 都営大江戸線・門前仲町(出口6) 徒歩2分 料金 : 前売 3000円 当日3500円 会員・学生 2500円 (学生証提示) 10月&11月&12月の通し券 もしくは、三枚綴りの通し券 (例:1つの公演に、 友だち3人で来る場合) 7500円←超お得! (前売、予約のみ) 全席自由/1ドリンク付き 出演 : 10月20日(木) 竹澤悦子(筝、三味線、唄))&黒田京子(pf) 11月17日(木) 辻康介(歌)&黒田京子(pf) 12月15日(木) 濱田芳通(リコーダー、コルネット) &西山まりえ(ヒストリカル・ハープ) 予約・問い合わせ : 門仲天井ホール tel. 03−3641−8275 fax. 03−3820−8646 e-mail acn94264@par.odn.ne.jp ORT Music(黒田) e-mail kkyoko@ortopera.com チケット取り扱い : 門仲天井ホール ORT Music(黒田) チケットのご購入 : 9月半ば頃より、予約受付開始 ★私宛にメール予約をされる方は、 お名前 ご連絡先(住所、電話番号) メールアドレス チケットの種類と枚数 を明記の上、上記メールアドレスまでご連絡ください。追って、料金の振込先などを記したメールを返信いたします。 なお、私は自分が演奏する時は、いつでもチケットを持参していますので、ライヴ会場などで直接お会いすることができる方は、どうぞお気軽に声をおかけくださいませ。 |
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コンサート・シリーズ『耳を開く』の第四回目は、第二及び第三回目に引き続き、門仲天井ホールとの共同制作になり、このホールの“謝P祭”と提携した企画です。 このコンサートは、毎回テーマを決め、黒田自身が演奏する自主コンサートというかたちをとっています。第一回目は「最前線の室内楽」、第二回目は「東京弦楽宣言 交響する非調和」、第三回目は「いとおしく、カバレット」と題して行ってきました。 今回は「滴(しずく)の音(ね)」とタイトルを付け、1400年頃から1900年頃まで(なんておおざっぱでしょ ^^;)、世界中に生きていた、語られる言葉と奏でられる音楽について、思いをめぐらせてみたいと思います。 ぜひぜひおでかけください! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 以下は、フライヤーに記載した黒田の文章です。 「滴(しずく)の音(ね)」 黒田京子(ORT Music) 突然の激しい雨がやみ、空は明るくなってきたというのに、木々の枝や葉からこぼれ落ちる滴の音はとだえることはない。さっと風が吹けば空気はざわめき、うっすらと霧も立ち始めると、森は自身を抱えたまま深い沈黙に落ちていく。 すべてが問い直されていると直観したとき、ふるえる私に押し寄せてきたのは、夥しい無数の声だった。そして、激しく揺れた地面と想像を絶する高い波に飲み込まれた命、さらに汚れてしまった、否、汚してしまった海や山、空や大地の永遠を祈らずにはいられなかった私を襲ったのは、今、ここにいる私は、歴史の一点に立っているにすぎないという感覚だった。 蓄音機、レコードプレイヤー、オーディオセット、ウォークマン、アイポッド、携帯電話。SP、LP、カセットテープ、MD、CD、ラジオ、白黒テレビ、カラーテレビ、衛星放送、地デジ。コンサートホール、スタジオ。音楽を享受する技術、媒体やシステムは、前世紀に飛躍的な変化を遂げた。そして今や私たちは、コンピュータ技術によって、その向こうに広がるインターネットの世界、虚実ないまぜになった現実を、瞬時に、ここにいながら知ることができる。 けれど、いつだって、音や声は、空気をふるわせる振動であることに変わりはない。 西欧社会における吟遊詩人や辻音楽師や放浪芸人、日本なら琵琶法師や瞽女などが、その時代に果たした役割、さらには今もなお声や音が重要な伝達手段として残っている地域のことについて、ここで述べる余裕はないが、その昔、“語りと歌”が混然一体となっていた時代に、私の思いは飛んでいく。それは単なる懐古趣味ではない。語りと歌を問題にすることで、今、失われていること、すなわち、人と人とのコミュニケイションの在り方を、根本的に問うことができるかもしれないと思ったのだ。 こうした考えは、これまで門仲天井ホールで行ったコンサート、すなわち「うたとピアノと」(2009年秋)「ことばとピアノと」(2010年春)「いとおしく、カバレット」(2010年秋)で取り組んできたことの延長線上にある。今回はさらに歴史的な視点も取り入れて、一歩つっこんだものにしてみたいと考えている。 そして、もう一つの視座は“即興演奏”。 10月の出演者、筝や三味線といった邦楽器を演奏する竹澤さんは、古典から現代曲まで幅広くてがけ、ジャズ・ミュージシャンとの共演も数多くこなしている。また、近年は歌を伴う演奏も積極的に行っている。筝を習う人は、三味線を用いて歌う地唄も必ず学ぶそうだが、彼女は落語の噺を三味線片手に語ったり歌ったりもする。 11月、12月に出演される辻さん、濱田さん、西山さんは、クラシック音楽の世界で古楽といわれる分野で活躍されている方たちで、その魂の根底には、音楽が本来持っている即興精神が生き生きと息づいている。 辻さんは1500年代から1600年頃のイタリア音楽、イタリア民謡、カンツォーネなどを、イタリア語と自身で訳された日本語で歌っている。そのポップでユーモアに満ちた語り口と歌は、きっと誰もが理屈抜きで楽しむことができるだろう。また、最近は折にふれて、大正期の童謡運動の中で生まれた歌もうたっている。 濱田さんと西山さんも、17世紀以前の作品をレパートリーとしている古楽アンサンブル「アントネッロ」の活動を続けている。いにしえの楽器の響きに包まれて奏でられる旋律、踊り出したくなるような躍動感あふれた演奏は、とっても魅力的だ。 このように、邦楽や古楽の世界で活動されているみなさんは、そこだけにとどまることなく、自身の志を貫いて、常に未知の領域へも挑戦し続けている。そんな方たちに共感する私は、10月は日本、11月は日本からイタリアへ橋を架け、12月のお二人に引き渡す。 古今東西、この地球のいとなみの中で、声や音は何を語り、歌い、伝えてきたのだろう。そして、私たちの耳や心は、何を聴こうとしているのだろう。 これらのコンサートの時間が、きらきらと光る滴の音に、しばし耳を傾けるひとときとなることを祈って。みなさま、どうぞおでかけくださいますよう。 |