こんなにも青い空の下で(後編)
(ナレーション:小林清志)
惑星サラン北の大陸、バルヘルド・ガシュン山脈の麓の街。
T.P.P.D壊滅を企図し、アレスティングフィールドの彼方へとラクチャクマンを葬り去った悪の組織、
ドークロンであったが、破壊される神殿が嘆きに埋もれようとした時、新たに現れた紅いラクチャクマン。
そして、稲妻を背に復活した我らがラクチャクマンの勇姿。
「この世に正義を求める願い在る限り、私は死なない」
(OP開始。2Ndバージョン使用。歌詞は二番)
「はーははっはっは、今週で終わらせてやるからなあ」
高笑いするナゲッキーの後頭部をフライパンが直撃(毎週のパターンで)
(Aパート開始)
照明の無い神殿は、雷鳴の轟きに白と黒のハイコントラストに切り取られていた。
ゆっくりとプルンジャ達ににじり寄っていくラクチャクマン。
不意にほくそ笑むナゲッキー。
「これで最後だ、はあっはっはっはっはぁ」(声:八奈見乗児)
左手のカプセルスイッチを押しこむと閃光がラクチャクマンとアザリーを包み込んだ。
爆音と衝撃、立ち上がる粉塵。
プルンジャ達の背後に小型戦闘ロボが数十体、並んで両手からロケット弾を一斉射したのだ。
それだけではない。
同時にレーザーも無数に浴びせ掛けられたのだ。
しかし、コツン、コツン、と靴音が広い神殿に響き渡る。
「なんでっしゃろ、この音は」(ガンジャー;声:たてかべ和也)
「まさか、そんな事はないろうね、ね、ナゲッキー!?」(声:小原乃梨子)
返答せずに顔をリアルタイプにする。
硝煙の中からうっすらと現れるラクチャクマンの二人。
「ふっ、さすがはラクチャクマンだ。
あの程度ではくたばらんと思っていたさ。
(普段の表情に戻り、)
プルンジャ様〜、いやあ、どうしましょう、かなあ」
「えええい、一時退却だ」
3人を捕まえようとアザリーが飛び掛る束の間にヴォイド転送し消えていく。
返すように襲い来る戦闘ロボ。
声々に「ハイル、ハイル、ハイル」と喋りながら。
その様子をモニターで見る大男の影が一つ。
「復活したか。やはり貴様を倒すのはこの私だな」(無頼カングボス。声:内海賢治)
筋骨隆々の体を更に怒張させて喜ぶかのようだ。
戦闘ロボをコンビネーションで次々と撃破していく二人。
(アザリーの演出をメインで。後廻し蹴りやストレートでロボを打ち抜くのを中心で)
「ふふふっふ。本当の目的は神殿の破壊ではなくてよ。
今頃はバルケィコーチャがT.P.P.Dへの界面リープをしてる頃ね」〈プルンジャ)
バルケィコーチャの艦隊がT.P.P.Dの本部組織に奇襲していた(映像、入れます)
その様子を時と空間の彼方から見ている少女が一人
「我々の真の目的はT.P.P.Dの目を逸らすことですからねえ。
でも、忌々しいラクチャクマンが生きていたなんて」〈ナゲッキー)
「そんでもって、女のラクチャクマンが居るとは驚きですたい」(ガンジャー)
3体のメカに乗りこむ3悪トリオ。
「でも、なんだねえ、やっぱりやるのかい」(プルンジャ)
「まあ、お決まりですからね」(ナゲッキー)
「そいじゃ、ぼちぼちですな」〈ガンジャー)
云い終わらない内に追いついたラクチャクマンたち。
「ええい、メカ戦だああ」(プルンジャ)
(今までの轟天王の変形合体用のBGを使用)
3体のゴリラロボ(ガンジャー)、妖鳥ロボ(プルンジャ)、白虎ロボ(ナゲッキー)が変形を開始し、分離し、
上腕や太腿部、胴や腰回りで次々と合体していく。(この作画、カッコ良く、なにとぞよろしく)
ぐいっ、と顔面が現れ、眼をビシッと光らせ咆哮唸らせて、
「キングジャマンダー」(野太く、八奈見様、伴宙太の感じで)
「復活して、二人とはいえ、生身に変わりは無い。
轟天王の無いラクチャクマンに勝機は無い、
やっておしまい!!」
「あらほらさっさあ〜」
ぱかっと目の前にゼニウソが出てきてソロバンを弾いて、
「願いましては、こらあ、いけまっせぇ!」
(アイキャッチA:「一件、ラクチャックマン」)
(アイキャッチB:「一件、ラクチャックマン」)
飛び上がり、キックやパンチをキングジャマンダーに繰り出すラクチャクマンの二人。
軽い打撃音が響くが外部装甲に何ら影響を与えられない。
「どすこぉぉぉぉおい、ジャマンダーパーンチッ!!」
巨大な手に払い退けられるアザリー、苦痛に表情が歪む。
ラクチャクマンを踏み潰そうと脚に全重量を掛けていく。
「はぁっぁはっはっはは、貴様もこれでおしまいだ」(ナゲッキー)
「やったね、いよいよだねえ、最高よぉ、ナゲッキー!!」(プルンジャ)
カチャリ、と椰子の木が出てきて、
「ブタも煽てりゃ木に登る〜、ブビッー!!」
「んん、あれは何でっしゃろう?」(ガンジャー)
キラリッ、と上空に輝点が2つ煌いた。
「なんだい?」(プルンジャ)
「はいぃぃ?」(ナゲッキー)
目を凝らしてみると、それは急速に接近して来る2つの大型双胴戦闘機だ。
グシャツッッーンと体当たりをキングジャマンダーに行い、山腹へぶっ飛ばした。
その合間を縫って搭乗するラクチャクマンとアザリー。
目を廻しながら立ち上がり、姿勢を立て直すキングジャマンダー。
「見てごらん、奴等、変形するよ」
「くくぅぅぅ、またしてもカッコつけやがって」
上昇する2機。
上体と下半身に変形を行いながら合体。翼を折り畳み、腕を延ばし、肩を広げていく。
次々と接合されていく内部メカと配管、動力パイプ、装甲に覆われる駆動系。
背中のランドセルを吹かして錐揉みを翔ける。
神殿から戦いを見守るミハル、モニターで冷厳に観察する無頼カングボス。
飛び蹴りを一発かまして、浮いた直後に2段蹴りを行い、ムーンソルトソバットを決めて
キングジャマンダーをリフティングのように回していく。
「だべええ」「どぅわぁっぁぁぁぁ」「しょえぇぇぇぇぇぇ」
ぐっしゃんぐっしゃんに振り回されていく3悪トリオ。
すっと着地し、見得を切り、
「闇に蠢く悪を照らしだし、これを穿つ鋼鉄の鉄槌、ここに在り。
蒼、穹、轟、雷、烈、覇、回、天!!
機界王、この姿なり!!」
(ドッガーン、と爆炎上げて、衝撃波を広げて)
睥睨するように、君臨するように、腕を組み、キングジャマンダーを見下ろす視線の機界王。
凛とした表情のアザリーと澄んだ表情の轟一郎、二人のラクチャクマン。
「ふふふふ、九回裏二死満塁、一打逆転の場面にリリーフしたピッチャーのようだな」
表情をリアルタイプにしながらおもむろにキャッチャーマスクを被るナゲッキー。
「だがよ、ラクチャクマン、勝負はどんな場面でもやってみなけりゃ判らんものさ」(○ッターロボGの弁慶の口調で)
「ラウンドスタンバイ」(プルンジャ)
大地に左手を突き刺し、アレスティングフィールドを展開していくキングジャマンダー。
「どおおおおおりゃぁぁああ、インフェニットブロークン!!」
豪腕を回転させながらロケットパンチを撃つナゲッキー。
大質量の慣性を利用して機界王目掛けて撃ち込まれる。
「ディストーション・フィールッド」
左手を翳し、前面の空間を一時的に歪曲させて時間軸を分断させた。
弾き返され、上腕部に再び収まる。
楽しそうな表情のナゲッキー。(BGMはここら辺りで管野○子に)
(2体の巨大ロボをパンするようにカメラワーク、廻しこんで)
全身から無数のマイクロミサイルを盛大にぶっ放すキングジャマンダー。
左腕から機界王エネルギーソードを抜いて、バトンのように回して粉砕していく機界王。
ジャンプし、空中戦に持ちこみ、パンチやキックを浴びせ掛けるキングJ。
逸らすように受けつつ、カウンターをキングJのわき腹に決める。
続けざまにローリングソバットを胸元に決める刹那、一旦分離し3体に別れるキングJ。
再度変形合体し、ラッシュを全身に叩きこむ。まるで巨大ロボット同士のストリートファイト。
激しい応酬を繰り返しながら、持てるエネルギーの限り技と技を叩き込んでいく。
互いの中段蹴りが決まり、弾き飛ばされる2体。
着地し、間合いを取り、最後の一撃に備える両者。
表情が険しくなるプルンジャ、ガンジャー、ナゲッキー。
目線を厳しくするアザリー、轟一郎。
「轟君、大丈夫?」
「次ぎで決めます。駆動系をモーションPに」
「判ったわ、駆動系をモーションPに」
対峙するキングジャマンダーでは
「プルンジャ、最後は俺に決めさせてくれないか」
リアルタイプの表情のナゲッキーだが、ガンジャーとプルンジャは後でコタツに入って煎餅と
みかんを食べている。
「なんかさあ、場違いなんだよなあ、二人ともヒーローしちゃっているし、っさ」(プルンジャ)
「そうですたい、今週はおいどんの出番は無かとですたい」(ガンジャー)
「○ッシャーンやテッカ○ン、○ッチャマンみたいだし」(プルンジャ)
「ああ、おいどんもスルメッチ○ボの時のようにジャマンダースピンしたかっとです」
「あれぇええ、どうしてこうなるのかなあ」
ずっこけるナゲッキー。
振りかぶり、ピッチングモーションのような体勢をとる機界王。
右手に界面領域を展開し最後の決め手、爆熱ゴールデンフィンガーを炸裂させるのだ。
背中から櫂のように長い斬馬刀状を抜き、構えるキングジャマンダー。
さながら巌流島の決闘の武蔵と小次郎のように。
バットを構え、最後の一球に勝負を懸けるように。
大きく振りかぶり、左足を高く上げ、機界王、投げた!!
唸りを上げてバットを振るキングジャマンダー!!
真芯を捕らえたが勢いに粉砕されるバット。空振り、ゲームセット!!
湧き上る歓声、立ちあがるベンチの面々、グラウンドに飛び出していく。
「星!!!」(ナゲッキー)
駆け寄り抱き合うキングJと機界王。
それは、幻。
キングJのどてッ腹を打ち抜いた機界王の右手。
機界王の左手を圧し折ったものの粉々に折れたキングJの斬馬刀。
息を呑み状況を把握しようとするプルンジャ。
「負けたぜ、ラクチャクマン」(伴宙太の感じで)
パカッとパネルから
「愚か、ブッ!!」
「どういうこったい、ナゲッキー!?」
「ああ、こういうことです、ポチッと」
いつものギャグ顔になり、プルンジャの胸を指先で押すナゲッキー。
右手を牽き抜き、背を翻す機界王。
次ぎの瞬間、大爆発を起こし、立ち上るドクロ雲。
「また、来週、お会いしましょう、それでは、さよおならああああ」
上昇していく、ラクチャクマンとアザリーの2機。
「轟君、これからもよろしくね」
答えるように親指を突き出す轟一郎。
タイムワープを行い、消えていく二人。
「はっははっはっはっはっは、まだ戦いは始まったばかりよ、ラクチャクマン」
高笑いを上げるドークロンの最高幹部、バルケィコーチャ。
「はやく、はやく、ラクチャクマン」(声:林原めぐみ)
謎の少女が轟一郎とアザリーの意識を追う。
ナレーション:ラクチャクマンは復活した。
だが、ドークロンの野望はまだ潰えない。
さあ、明日も悪を討て、我等の一件ラクチャクマン!!
…次回に続く。
(次回予告)
「ああ、今週はもう少しで勝てたのになあ」(ナゲッキー)
「お前がシリアスなんかするから負けるんだよ」(プルンジャ)
「でも、オープニングと今回、最後に女の子が新たに出ていきましたけど、誰でっしゃろ」〈ガンジャー)
「世界が震えているわ」(?:声:林原めぐみ)
「わっ、誰? この小娘は!?」(プルンジャ)
「てことで、来週も見てねえ」(ナゲッキー)
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