真・世紀エヴァンゲリオン

CHANGE GENESIS

EVANGELION


What is "Orbital shaft" & "Orbital ring" ?

『旧約聖書』の「創世記」より、
  ヤコブは詭計を用いて兄エサウから相続権を奪い取り、逃亡する途中、ベテルの野で野宿をした折、夢の中で「天と地を結ぶ長いはしご」を天使達が昇り降りしている情景を見た。

 1)ツィオルコフスキーの塔

  ロケットの祖であるロシア〜ソ連物理学者コンスタンチン・エドゥアルドビッチ・ツィオルコフスキー(1857〜1935)は、1895年、『空と大地の間、そしてヴェスタにおける夢想』という小説風エッセイの中で、
”赤道上から天空にまっすぐに塔を伸ばしていき、およそ3万6000Kmに達すると引力と遠心力が完全に釣り合い、静止軌道とを結ぶ架け橋になる"
 と述べている。

 2)アルターノフの構想

  1960年7月31日、「コムソモルスカヤ・プラウダ」紙上にて、『電車で宇宙へ』と題された記事があった。
  静止軌道から地表方向と反対方向にそれぞれ塔を伸ばしていき、遠心力と引力とを釣り合わせた紡錘状の建造物を設置すれば、静止軌道から外側の部分のアンカーに投入された宇宙船は、大きな速度で投げ出され、安価な輸送手段となり、運動エネルギーを再利用すれば静止軌道まで持ち上げるエネルギーも作り出せる。

 実際には、外側のアンカー部分を宇宙ステーションとして重しとすれば重心点の静止軌道から上の部分は短くすることが出来る。
 これによりエレベータの全長を5〜6万kmに抑える事が出来る。

 本作品上でのそれぞれのシャフト

 1)地球 : 地球上に運ばれて設置された4本のシャフト、ニルヴァーナ/イーラバーナティ/スールヴァーナティ/パールヴァーナティ。
         東経73度付近、インド洋モルディブ諸島ガン島の真上を起点として、それぞれ90度ずつの間隔で設置されている。
         全長約五万Kmで静止軌道より少し上の部分でリングと接合されている。

 2)月面 : 月面の静止軌道高度は8万7000Kmだが、地球とのラグランジュ点L1の高度は5万6230Km。ここを重心点とすれば全長は7万Kmに
         抑える事が出来る。月面裏のL2に2つめのシャフトが設置されている。そして2本のシャフトをチューブが結んでおり、それぞれの中間
         に1本ずつ、計4本のシャフトが有史以前から設置されていた。

 3)火星 : 火星の静止軌道高度は僅か1万7000Km。これにより3乗則より体積は地球のシャフトの11%に過ぎない。
         全長は2万300Km。このシャフトが11本軌道上に、衛星軌道の外側に3本、遺棄されていた。
         そして、その1本のシャフトに火星の衛星、ダイモス(質量2×10の15乗Kg)が接合され、基幹供給源として利用されている。
         また、同じく衛星フォボスも一つのシャフトに移設し、接合されている。

 次に、オービタルリングについて

  地球のシャフトはリングにより結合されている。他のはチューブ結合。
 リングで結合されている理由は、地球が真球でないため、重力場が完全な対称とならない。このため、「重力ポテンシャルの低い谷底」の場所に
 勝手に自然に移動してしまう。これを防止するために、静止軌道より上の位置で各シャフトを吊橋の主塔間ケーブルのように結んでネックレスの
 形で結んだもの。100Km毎にパーツで構成され、外周全長は26万kmに達する。
  このリング部分に居住空間や工場施設、発電施設が設置される事で数千万人の人類が居住できる自給自足の都市となる。

  そして、リング部で発電されたエネルギーをマイクロウェーブ照射で地表に転送することでエネルギー問題の解決を図る。

  何故ならば、外周部に設置された2つのチューブの中を互いに逆向きに流れる物質流により、膨大なエネルギーを獲得できると共に、この遠
 心力でリング部分は均等に間隔を維持でき、シャフトそのものの間隔も維持できる。

  故に、人類は遺棄されたオービタルシャフトとリングを利用しなければならないのだ!!

 そして、膨大な構成部材とエネルギープラントから目的としたものは?
 地球、月、火星とを結んだ広大な宙域に出現し、発動する宇宙樹。
 シャフトにより現出する虚数回路、リングが展開する相転移空間。

 今、ここに始まるものは?!

 

 補足:大きさのイメージについて
    
劇場版のリリスの身長を本作品の綾波(25歳)ぐらいとした場合、スペースコロニーの大きさは大体エヴァチップス缶ぐらいになります。
      地球用のシャフトは、約新幹線500系のぞみぐらいです。のぞみを120m離して向かい合わせ、さらにこれを十文字に配置します。
     リングをのぞみの10輛目と11輛目の位置ぐらいに設置すると、直径が390m弱の円になります。
     こんな途方も無く巨大で甚大な質量とエネルギーを勝手気侭に動いて宇宙樹のチャネルを開いていくのですから、凄まじいスペク
    タクルの状況です。ディープインパクトやアルマゲドンも話にならないくらい茫然自失の世界。

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98/11/28

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