予告編
  短いながらも番宣スポット用として、2バージョンのCM。

  また、上映時間が2時間42分という劇場用特別編集版の劇場用予告も収録。

 その各バージョンを以下に示します。(勿論、実際には存在しないことを御了承下さい)


[15秒バージョン]

(BGMはモーツァルトのフルート協奏曲)
 ハイキーかつソフトフォーカスの画面
 柔らかな春の午後の日差しの下、紅茶を飲む綾波レイ。
 テーブルの向かいに男が背中ごしに座っている。
 誰だろうか?碇シンジか?
 スコーンを二人で食べようとしている。
 うららかな時のたゆたう、心地よい一日。

 突然、静止する映像。
 ヴィユアアアアア、とノイズが走り、断ち切られる音楽。
「嘘ね」
 三白眼のアスカが睥睨するように呪詛を溢す。
「フォオオオオオオオオオ」
 と咆哮を上げる初号機
(綾波レイの声で)
「想い出を抱き締めて、明日にサヨナラ」


 Change Genesis EVANGELION


[30秒バージョン]

(BGMはマーラーの交響曲第3番)
 漆黒の宇宙に浮かぶ蒼い惑星、地球。
 突き出すように聳えるオービタルシャフトと取り囲むオービタルリング。(ゆくりとパンしていく)
(ナレーション:矢島正明)
 宇宙使徒との通称「降臨戦争」終結から約5年。
 地球の復興はようやく軌道に乗り始め、ますます厳しくなる寒冷化現象を遅くするために両極圏への暖気流入を
阻止し、赤道面海域の海水温の局所上昇を抑制するために、オービタルリングとオービタルシャフトへの依存度は
高まろうとしていた。同時にインド洋、月面、火星で発掘された超古代に相当する遺棄宇宙船の調査も再開されて
いた。
 何者かが遺したこれら建造物、宇宙船、そしてEvangelion。
 壮絶なる死闘を経てもぎ取った禁断の果実の真意が今、ここに始まろうとしていたことを知る者は少なかった。
 (カメラ、地球に猛烈な勢いで近寄っていく。雲を抜けると)
 舞い降りるEVAシリーズと激烈な戦闘を繰り広げる初号機と零号機。

「レイ!!」

「シンジ君」
 立ちはだかる様にほくそ笑むゲンドウ。
 司令室のミサト、ノリコ、碇ユイ。
 装甲擲弾兵の戦闘シーン。
 月、火星の大地。
 光の中に消えていく綾波レイのイメージ。
「フォオオオオオオオオオ」
 と咆哮を上げる初号機
(綾波レイの声で)
「想い出を抱き締めて、明日にサヨナラ」


 Change Genesis EVANGELION


[劇場用特別編集版予告編]
(BGMは「魂のルフラン:Aqua Groove Mix」のヴォーカル:綾波レイのオケのみ)

 

 第六話「涙」の最後のシーン、盛夏の屋久島、栗生海岸、海亀孵化を初めて見る二人。
 この作画リメイク&cut変更。画面、右下隅にキャスト&スタッフを2Kで表示。

「小さくても、必死に生きようとしてるんだね」(シンジ)
 宇宙使徒来襲の戦禍で島内の人影は少なく、この集落も無人だ。
 静かに荘厳に満天を照らし出す満月の下、漣の音しか聞こえない。
 孵化し、短いながらも砂浜を渡り、波打ち際へ懸命に向かう小亀たち。

 砂地の窪みに嵌ったのか、懸命に這い上がろうとしても抜け出せない小亀を綾波が見つけた。
 両手で抱えたその小さき命の躍動に琴線が触れたのか、綾波の体が小刻みに震え出す。
 波打ち際へ小亀を抱えたまま歩みより、膝までの深さに入っていく。
「綾波!? どうしたの!?」
 ラミエルを撃滅した後、ビーム攻撃で大破した零号機からプラグを抜き取り、集落跡で手当てをして、
小休止の後、集落前の浜辺に来たのだ。
「どうしたの、綾波?」
 そっと両手を海に沈め、小亀を海原へ解き放つレイ。
 すぅー、とレイの頬を涙が流れた。
涙を流す訳が分からず、当惑するレイ。
「これは、涙?
 私、泣いているの? 何故、泣いているの?」
 小一時間ほど前の状態を心配し、シンジ、レイの傍に寄って来て、手を掴み、感極まり
「綾波!! 別れ際に"サヨナラ"なて哀しい事、云うなよ
 ちいさい命も必死で生きてるじゃないか
 サヨナラだなんて、もう、云わないで…」
 綾波を抱き締めるが、泣き声になり、口篭もってしまう。
 シンジに抱き締められた事態を把握できずキョトン、とし
「どうして泣いているの、…私、何故、泣いているの?
  ……生きていて嬉しい筈なのに、
 …ごめんなさい、こんな時、どういう顔をすればいいのかわからないの」
 照れるようにシンジ、顔を上げて
「嬉しかったら、笑えばいいとおもうよ」
 泣き笑いのまま、ウルウル。
 はっと見開くレイの瞳。
「…!」
 月光に照らされ、優しく慈しむようなシンジの笑顔(綾波心象モード、ウルウル)。
 応えるようにぎごちないながらも力を抜くレイ、ほんの少し笑った唇。
 カメラ、引いて画面内に二人と月を入れながら、
 (シンジの)モノローグで、
「生きてさえいればいつか必ず生きていて良かったって思うときが来るよ
 それがたとえずっと先のことでも。
 でも、それまでは、一緒に生きていこう。
 真っ暗で何も無い場所でも二人で行けば、きっと何かが見つかるよ。
 あの月が照らす光の道筋のように」
 次第に月へパンし、アップに。
(綾波のモノローグ)
「本当にあなたに会えて良かった。
 ありがとう、そして

 …さよなら」
 コピーがCGで浮かび上がる。

Change Genesis EVANGELION

"想い出を抱き締めて、明日にサヨナラ"


[BACK]
[NEXT]

Copyright By PasterKeaton project Inc(C) since 1992