マイティ・ジョー(1998年/監督:ロン・アンダーウッド)
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1949年の『猿人ジョー・ヤング』のリメイクです。 前作がキング・コング・パターン(伝説の巨大ゴリラを興行を目的に都会に連れてくるが、逃げ出してパニックになる)だったのに対し、この作品では密猟者との戦いという新しい面を出しています。 火災現場で逃げ場を失った子供をジョーが救出するというラストシーンは前作を踏襲していますけどね。 あれだけの犠牲(もの凄い破壊状態なのに、不思議と死人は出てない)を出しながら、ジョーにみんなが同情するというのは大甘なラストですが、私はこの手の感動場面に弱いので、すなおに納得しました。 特撮はリメイク作品の方が各段に優れています(当り前か)が、前作はレイ・ハリーハウゼンが一人立ちした記念すべき作品なんですよ。そのハリーハウゼンと前作のジル役のテリー・ムーアがカメオ出演しています。 「あの娘、どこかで見たことがあるんだけど思い出せないわ……」 「昔の君だよ」 と、嬉しくなるようなセリフを言ってくれます。 |
サイコ(1998年/監督:ガス・ヴァン・サント)
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“ブックオフ”で購入(もちろん100円)したまま未読になっていたので、映画を観たついでに読了しました。映像の迫力にはかないませんが、ノーマン・ベイツの内面は小説(ロバート・ブロック/ハヤカワ文庫)の方が迫ってきます。 それにしてもこの映画、なんで今更リメイクしたのか理解できないです。脚本・カメラアングルのほとんどがオリジナルと同じ。ヒッチコックへのオマージュといってもねェ。私のように興味本位で観る者もいるから、商業ベースとして成立つんでしょうね。 名作の続編が製作されるのは否定しないのですが、名作のリメイクというのは冒涜だと思いますよ。 「ハリウッドの映画製作者たちは、名作リメイクに挑戦しては、悲惨なコピーを製造するだけに終わるという愚考を繰り返すのだろう? 欲深いからか? 想像力の欠如ゆえか? それとも自分のアイデアに自信を持てないからか? 私にいわせればそのすべてである」と言ったアメリカのミステリー評論家オットー・ペンズラーの意見に、私は全面的に賛成します。 |
リプリー(1999年/監督:アンソニー・ミンゲラ)
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貧乏青年のリプリー(マット・デイモン)は、アルバイト先で知り合った造船会社のオーナーから、イタリアで放蕩生活をしている息子のディッキー(ジュード・ロウ)を連れ戻してくるように依頼される。早速イタリアに向かったリプリーは、ディッキーとその恋人マージ(グウィネス・パルトロウ)と仲良くなり、一緒に行動するようになる。やがてリプリーは、ディッキーに愛情を感じるようになるが、ふとしたことから彼を殺してしまう…… パトリシア・ハイスミスの「太陽がいっぱい」を映画化したもの。同原作を映画化したものにルネ・クレマンの名作がありますが、そのリメイク作品というより全く別の作品に仕上がっています。 しゃれたタイトルから始まって、リプリーがディッキーを殺すまでは快調なリズムで展開し、なかなかやるわいと思ったのですが、ディッキーになりすます後半は冗漫になっていますね。 ディッキーとの関係(ホモセクシュアル)に集中して、上映時間を120分以内に収めたらピリッとした作品になったと思うのですが…… ハイスミスは、“リプリー”シリーズを5作(「太陽がいっぱい」、「贋作」、「アメリカの友人」、「リプリーをまねた少年」、「Ripley Under Water」)発表しており、「アメリカの友人」は1977年にヴェム・ベンダース監督によって映画化(主演:デニス・ホッパー)されています。 |
トーマス・クラウン・アフェアー(1999年/監督:ジョン・マクティアナン)
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美術館から名画が盗まれ、保険調査員のキャサリン・バニング(レネ・ルッソ)はその犯人が大富豪のトーマス・クラウン(ピアース・ブロスナン)と目星をつける。証拠をつかむために近づいてきたキャサリンにトーマスは魅力を感じ、キャサリンもトーマスに惹かれはじめる…… ソフィスティケーテッドな男と女が繰り広げるラブ・サスペンス。1970年の『華麗なる賭け』(シドニー・ポラック監督)のリメイクで、どうしてもこの作品と比較してしまいますねェ。 大金を奪った前作より、名画を盗んだ今回の方が、富豪の犯罪としてはピッタリきますね。保険調査員の拘わり方も、今回の方がスッキリしています。 ただ、ブロスナンとルッソのラブシーンが綺麗じゃないんだよなァ。裸になればいい、と云うもんじゃないですからね。前作のマックィーンとフェイ・ダナウェーのラブシーンはオシャレでしたよ。「風のささやき」が効果的に使われていましてね。今回もエンドタイトルでこの曲が流れていましたが…… ブロスナンはこの役柄にピタッとハマッていました。成り上がりの富豪という感じがしたマックィーンより似合っていると思います。 リメイク作品にはガッカリさせられることが多いのですが、この作品には満足し |
タイムマシン(2002年/監督:サイモン・ウェルズ)
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1890年代のニューヨーク。強盗に恋人を殺された大学教授(ガイ・ピアース)が、恋人を救うためにタイムマシンを発明する。事件当日に戻って、恋人を救おうとするが、恋人は別の事故で死んでしまう。 過去を変えることができない理由を解くために、教授は未来に向かう。80万年後の世界に到着した教授は、モーロックに襲われている人類を助けるために、モーロックの支配者(ジェレミー・アイアンズ)と対決する。そして、その支配者から過去を変えることができない理由を教えられ…… つまり、恋人が死んだから、タイムマシンが発明されたわけで、恋人が生きていたらタイムマシンは存在しないんですね。タイムマシンがないと過去へは行けない。だから、過去の歴史を変えることができないんですよ。わかったような、わからないような、ウ〜ン。 タイムマシンの造形が好評だったようですが、内容は思いつき的展開で今イチで〜す。 |