ファンタジー映画


魔法の剣(1961年/監督:バート・I・ゴードン)

女魔法使い(エステル・ウィンウッド)に育てられたジョージ(ゲイリー・ロックウッド)は、魔法の剣と甲冑に身を固め、6人の勇士をつれて、魔法使いのローダック(ベイジル・ラスボーン)に誘拐されたヘレン姫(アン・ヘルム)の救出に向かう。彼らの行く手には七つの呪いが待ちうけ……

聖ジョージの武勇伝説を元ネタにした冒険ファンタジー。聖ジョージの武勇伝説というのは、カパドス(現在のアルメニア)の王子だったジョージが邪悪なドラゴンを倒して民を救ったという伝説で、キリスト教徒が強大な異教徒と戦って勝ったという偉業を象徴的に讃えたものなんです。この作品でもジョージの扮装は十字軍そのものです。

内容は、お子様向きの単純なもので、特撮技術も当時としてはマァマァでしょう。張リボテの竜には笑いましたけどね。最低映画ばかり作っているゴードン監督としては上出来の部類になると思いますよ。

アン・ヘルムは青春映画に出てくるようなネエちゃんで、この手のヒロインとしては物足りません。イタリア映画だったら、色気ムンムンのお姫様になったんじゃないかなァ。

 

ハイランダー/最終戦士(2000年/監督:ダグラス・アーニオコスキー)

育ての親をコナー・マクラウド(クリストファー・ランバート)に殺されたジェイコブ・ケイン(ブルース・ペイン)は、復讐のために何代にも亘ってコナーの愛する人たちを殺していく。戦いに嫌気のさしたコナーはハイランダーの聖域で冬眠するが、ジェイコブは究極の力を求めてコナーの親友ダンカン・マクラウド(エイドリアン・ポール)の命を狙う。多くのハイランダーの命を奪ってパワーをつけたジェイコブと戦うには、ダンカンだけのパワーでは不足しており……

ハイランダーというのは、首を切り落とされない限り永遠に生き続ける戦士で、同じ仲間の首を切ると相手の知識と能力を手に入れることができるんですよ。第1作目で同じ仲間を一人残らず殺してコナーは普通の人間になったのですが、2作目ではハイランダーは宇宙人だったという設定で、故郷の惑星から刺客がやってきて、コナーは再び不老不死になるんですよ。仲間が地球上にできると、不老不死になる……というわけです。

3作目は第1作の直接の続編で、首を切らずに地中深く閉じ込めていたハイランダーが甦り、コナーはまたしても不老不死となって戦うんですな。でもって4作目のこの作品は、3作までの主人公コナーとTVシリーズ『暗黒の戦士/ハイランダー』の主人公ダンカンが合体したような作品です。TV映画レベルの演出で、迫力は感じられません。それにアクションを見る限りではドニー・イェンが一番強そうだったけど、ジェイコブに命を捧げてガッカリ。

ダンカンの恋人役のミニ・トラスカは魅力ないなァ。『暗黒の戦士/ハイランダー』からスピンオフしたTVシリーズ『新ハイランダー/アマンダ』のエリザベス・グレーセンの方が美麗だよォ。

 

ダンジョン&ドラゴン(2000年/監督:コートニー・ソロモン)

ボード版RPGが原作のファンタジー映画。主人公(最初は泥棒だが、最後は剣士にレベルアップ)が、見習い魔法使い、エルフ、ドワーフ、泥棒とパーティーを組み、強大な魔力を有する悪の魔法使いと戦う物語。

イズメール王国のサヴィーナ女王は、自由で平等な国を作ろうとしていたが、宰相プロフィオン(ジェレミー・アイアンズ)は女王を倒して王国を自分のものにしようと考えていた。そのためには、女王が操るゴールデン・ドラゴンより強力なレッド・ドラゴンを操る杖が必要だった。その杖の在処を知るために、腹心を魔法図書館へ派遣するが……

RPGの醍醐味であるレベルアップが明確に映像化されておらず、パソコン普及期に「ウイザードリー」などのRPGにハマっていた私としては不満で〜す。

ただ、ジェレミー・アイアンズが気持ちよさそうに悪役していたのには満足、満足。魅力的な悪役には、彼のような知性がないとダメですね。

(右画像は、カミさんの友人から送られてきたポストカードのイラスト。写真より特徴をつかんでいて、私のお気に入りで〜す)

 

ドラゴンハート(1996年/監督:ロブ・コーエン)

ジュリー・クリスティー

瀕死の重傷を負った王子が、ドラゴンから心臓の半分をもらい、命は助かるが、暴君となって民衆を苦しめるようになる。王子の教師であった騎士のボーエン(デニス・クエイド)は、それがドラゴンの心臓のせいだと考え、ドラゴン退治のドラゴンスレイヤーとなる。しかし、生き残っている最後のドラゴンとの戦いにおいて、お互いに意気投合し友情が芽生える。ドラゴンから、王子が暴君となったのは王子の持って生まれた性質と告げられたボーエンは、王打倒に起ちあがった農民と一緒に戦うことを決意する……

人語を解するドラゴンの声の吹替えをしているのがショーン・コネリーなんですが、このドラゴンが実に良い演技をするんだなァ。ボーエンと組んだイカサマのドラゴン退治での演技なんて最高ですよ。コネリーは楽しんで吹替えをしていますね。

久しぶりにジュリー・クリスティー(意外と老けていなかった)の顔も見たし、ブライアン・トンプソンは相変わらずトンプソンだったしで、内容はともかく、役者で楽しませてもらいました。

 

ロード・オブ・ザ・リング(2001年/監督:ピーター・ジャクソン)

内容を云々言う前に、これは映画館で観た方がいい映画ですね。テレビの小さな画面だとスケールの大きさが味わえません。

世界を悪の力で支配できる指輪を手に入れた少年が、悪の手から世界を守るために、種族・キャラクターの異なる9人の仲間と、唯一その指輪を破壊できる火山に向けて旅に出る。旅を続ける過程で成長していくRPGでお馴染みのパターンです。

子供の頃に観た新諸国物語、東映時代劇の『紅孔雀』なんかと同じですよ。子供が楽しみ、大人も楽しむ。精神年齢の低い私にとって、十分満足のいく作品でした。

でもって言わせてもらえば、90分程度の長さで全6部作にして、盆・暮に公開するのが理想ですね。3時間の上映で、年1回というのは、子供には長すぎま〜す。

 

ハリー・ポッターと賢者の石(2001年/監督:クリス・コロンバス)

魔法界を背負って立つ人物として期待されているハリー・ポッター少年が、魔法学校へ入学し、両親を殺した暗黒の魔術師と対決する……

魔法学校というのは、子供の心を捉えるには最高の舞台設定ですね。学校で魔法を教わるなんて、これほど楽しいことはないでしょう。映画を観て、原作本を読みたくなる気持ちもわかるなァ。映画は一過性で、魔法の呪文なんかは、本でないと覚えられない。呪文を覚えても使えるわけじゃないけどね。

大人が観て面白いのは“ロード・オブ・ザ・リング”で、子供が観て面白いのが“ハリー・ポッター”でしょうね。

私は精神年齢が低いので、両方楽しみましたが……

 

 

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