ファンタジー映画


『ハリー・ポッターと秘密の部屋』(2002年/監督:クリス・コロンバン)

ドビーという妖精が現れ、ホグワーツ魔法学校へ戻らないようにハリー・ポッター(ダニエル・ラドクリフ)に警告するが、親友のロン(ルパート・グリント)とダンズリー家を抜け出して学校へ戻ってくる。ハーマイオニー(エマ・ワトソン)とも再会し、充実した学校生活が始まるが、校内で不思議な出来事が起こり始める。何者かが秘密の部屋を開け……

ホグワーツ魔法学校の2年生となったハリーの冒険ファンタジー。

空飛ぶ自動車や、変身の魔法でといった新しい小道具が増えましたが、物語は前作の方が面白かったですね。発展途上にあるハリーのキャラを巧く描けず、SFXばかり目立っていま〜す。

 

『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』(2004年/監督:アルフォンソ・キュアロン)

嫌味な伯母さんに魔法をかけて、叔父さん家を出たハリー・ポッター(ダニエル・ラドクリフ)は、魔法省でシリウス・ブラック(ゲーリー・オールドマン)がアズカバンの監獄から脱獄したことを知らされる。シリウスはハリーの両親の死に関わっており、ハリーの命を狙っていると噂されていた。ホグワーツ魔法学校に戻ったハリーの周辺で奇怪な事が……

監督がクリス・コロンバンからキュアロン監督に代わり、お子様ファンタジーからお子様ホラーに変わりましたね。

タイムトラベルというSF的要素も加わり、ハリーの成長にあわせて映画の方も少しずつ大人向けになっていくようです。原作は読んでいませんが、キャラクターの面白さは原作の力でしょうね。全体的に説明不足の感じを受けるのは、原作を読んでいないせいでしょうが、筋を追うだけの内容でも、結構愉しめました。

 

『妖怪大戦争』(2005年/監督:三池崇史)

両親の離婚で祖父(菅原文太)が住む田舎に引っ越してきたタダシ少年(神木隆之介)は、神社の祭りで、世界に平和をもたらす麒麟送子に選ばれる。その頃、魔人・加藤(豊川悦司)が人間への復讐のために、使い捨てられた物の悪霊を呼び起こしていた。加藤はアギ(栗山千明)を使って妖怪を捕らえ、機械悪霊との合体物を作り東京を殲滅しようとしていた。悪霊と戦えるのは聖剣を手にした麒麟送子だけで、妖怪の猩猩(近藤正臣)はタダシ少年を、聖剣を守る大天狗のところへ案内するが……

とにかく、脚本が悪すぎます。物語の体を成していないんですから。タダシ少年が麒麟送子に選ばれた理由がわからないし、加藤と妖怪の関係もわからない。説明不足が多くて、はっきり言って“独りよがり”ですね。

プロデュースに水木しげる、荒俣宏、京極夏彦、宮部みゆきの面々が名を連ねていますが、何をプロデュースしたのだろう。映画出演して嬉しがっているふうにしか見えないんですがね。豪華キャストといっても、出演者たちは妖怪に扮して楽しいかも知れませんが、観ている方は全然面白くありません。

近藤正臣とカッパなら、“金鳥”のCFの方が面白いぞォ。

怒りの大放屁、チャブ台返し!

 

『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』(2005年/監督:マイク・ニューウェル)

三大魔法学校対抗試合が開催されることになり、炎のゴブレットは出場資格のないハリー(ダニエル・ダドクリフ)を、4番目の代表選手として指名する。それは闇の魔王ヴォルデモートの僕となったビクトール・クラムが仕掛けた罠だった。勝者のカップを手にしたハリーは闇の墓場へ飛ばされ……

ハリーの魔法が発展途上にあって、回を重ねる毎にアップしていくのを見るのが、このシリーズの私の楽しみです。色々な魔法が出てくるので、それだけは楽しいのですが、魔法学校代表選手の魔法レベルが今イチよくわからなかったのが難点ですね。代表レベルの魔法がどの程度のものか、知りたかったです。

それにしても、登場人物がやたらと多いので、どれが新しいキャラか、前3作に登場したキャラかよくわかりませんでした。だけど、前回の中心人物だったゲーリー・オールドマンが炎の顔で出てきたのは嬉しかったですねェ。

 

『ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女』(2005年/監督:アンドリュー・アダムソン)

第二次大戦中のイギリス、ピーター・スーザン・エドマンド・ルーシー(ジョージー・ヘンリー)の4兄妹は田舎のカーク教授の家に疎開する。かくれんぼをした時、衣装ダンスに隠れたルーシーはタンスの奥に雪に覆われた森があるのを見つける。そこはアスランが築いたナルニア国で、白い魔女(ティルダ・スウィントン)によって100年以上も冬のままだった。ルーシーは半人半獣のタムナスと友人になるが……

邦訳で2000ページを越えるC・S・ルイスの大河ファンタジーの映画化。全部で7章あり、この作品は第1章にあたります。

以下、第2章:カスビアン王子のつのぶえ、第3章:朝びらき丸東の海へ、第4章:銀のいす、第5章:馬と少年、第6章:魔術師のおい、第7章:さいごの戦い、と続くのですが、各章は独立していて単独で楽しめるようになっています。

主人公は常に子供で、迷路や魔法や呪文によってナルニア国へ行くことになるんですな。『オズの魔法使い』や『不思議の国のアリス』、『ネバー・エンディング・ストーリー』と同種の児童文学といえるでしょう。

でもって、映画の方ですが、ディズニーらしい健全娯楽作品になっています。子供を中心としたファミリーを対象にしているのでこれで良いと思いますが、大人にとっては物足らなさが残りますね。

 

 

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