ファンタジー映画


『ナイト・ミュージアム』(2006年/監督:ショーン・レビー)

元妻の再婚相手になついている息子の信頼を回復するために博物館の警備員になった男(ベン・スティラー)が、夜の博物館で体験するファンタジー・アドベンチャー・コメディです。SFXを見ているだけで退屈はしませんが、中身はないですね。博物館の展示物が動き出すという発想は、お子様向けの映画といっていいです。舞台が博物館なので歴史の勉強にもなるしね。

それにしても、最近のハリウッド映画はSFXばかりが目立って、演出テクニックとか映像美といったようなものが薄れている感じがします。何か一工夫ほしいんだよなァ。

 

 

『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』(2007年/監督:デビッド・イェーツ)

人間界に戻っていたハリー(ダニエル・ラドクリフ)は、魔王ヴォルデモートの復活を察知し、ダンブルドア校長(マイケル・ガンボン)に知らせる。しかし、魔王復活を信じない魔法省はダンブルドアを更迭し、新たな校長をホグワーツ魔法魔術学校に送り込んでくる。危機感をもったハリーは、仲間のハーマイオニー(エマ・ワトソン)やロン(ルパート・グリント)たちとダンブルドア軍団を結成するが……

シリーズ5作目。これまでずっと観てきているので惰性で観ているのですが、友情の力といったものがだんだん薄れていく感じです。筋を追うのに終始して、仲間が結束するまでの絆が描けてないんですよ。

登場人物がやたら多く、過去に登場したキャラなのか新キャラなのか、熱心なファンでない私にはよくわかりませんでした。過去のシリーズを観ないで、この作品だけを観た人は、何が何だかわからなかったんじゃないですかね。単独で楽しめる作品ではありません。

それにしてもヴォルデモートの顔は安っぽかったなァ。あれは、変身ヒーローに出てくる悪党の、その他大勢の手下顔ですよ。もっと魔王らしい顔にして欲しかったで〜す。

 

『ダンジョン&ドラゴン2』(2005年/監督:ジェリー・リブリー)

邪悪な貴族ダモダール(ブルース・ペイン)が生きかえり、闇のドラゴンを使って復讐のためにイシュミール国を滅ぼそうとするんですな。宰相ベレク(マーク・ダイアモンド)は、仲間を集めて闇のドラゴンを甦らすという宝玉(オーブ)を探す旅に出ます。ベレクの妻メローラ(クレメンシー・バートン・ヒル)は魔術師たちと闇のドラゴンを封じ込める方法を記した古文書の解読に……

原作はロール・プレイング・ゲーム(RPG)です。剣士・戦士・泥棒・魔術師・僧侶の5人がパーティを組んで、ダンジョンで魔物と戦うんですな。罠があったり、アイテムを手に入れたりとRPGの世界が展開します。

『ロード・オブ・ザ・リング』などと比べると、かなり安っぽい作りでして、1960年代にハリウッドの大作史劇を真似て作られたイタリア史劇の雰囲気を感じました。女戦士役のエリー・チドジーは、演技はまるで駄目でしたが、野生的な美貌で気に入りましたよ。

何か楽しめるものがあれば、それでいいのだ。

 

『ベオウルフ/呪われし勇者』(2007年/ロバート・ゼメキス)

6世紀のデンマーク、怪物グレンデルの襲撃に悩むフロースガール国王(アンソニー・ホプキンス)の頼みに応じて戦士ベオウルフ(レイ・ウィンストン)がやって来る。ベオウルフは怪物退治に成功するが、怪物の母(アンジェリーナ・ジョリー)が彼の仲間を皆殺しにする。ベオウルフは怪物の母を退治するために沼に行くが……

呪いの連鎖を描いたファンタジー・アクションで、原作はイギリスに伝わる英雄叙事詩です。それを“パフォーマンス・キャプチャー”という俳優の動きや姿をデジタル化するCG技術を駆使して作っています。

新しい試みは評価できますが、成功しているかと云うと疑問ですね。実写ほど、顔の細かな表情が描かれていなんですよ。PCゲームのレベルと、あまり変わらないような気がしますね。他のファンタジーと同様に実写とCGの合成の方が私の好みにあっています。オールCGの方がコスト的に安いんですかねェ。

 

『ライラの冒険・黄金の羅針盤』(2007年/監督:クリス・ウェイツ)

行動を共にする守護精霊ダイモンと人間が一緒に暮らす異世界を舞台にしたファンタジー映画です。ダイモンというのは、それぞれの心が狼とか猿とか兔といった動物の姿に具現化したものですが、さすがに象やキリンはいませんでしたね。あんなのは連れて歩けないものなァ。

内容は学寮で育ったライラ(ダコタ・ブルー・リチャーズ)という少女が、ダストという謎の物質の調査に北極へ向かった叔父のアスリエル卿(ダニエル・クレイグ)を追うために、上流貴族のコールター夫人(ニコール・キッドマン)の助手になるんですが、これが悪い女でね、子供たちを誘拐する謎の組織の黒幕なんです。二人の親友(男の子)も謎の組織にさらわれて、コールター夫人のもとから逃げ出したライラは、多くの子供たちをさらわれたジプシャンの部族や、気球乗り(サム・エリオット)、白熊(声はイアン・マッケラン)、魔女(エバ・グリーン)たちと子供たち救出の旅に出るのです。

フィリップ・プルマンの児童文学の映画化で、全三部作で製作されるとのこと。謎が残されたまま次回に続くことになります。ちなみに、黄金の羅針盤とは真実を指し示す計器で、ライラだけが使うことができるんですな。それにしても、これだけCGが進歩してくると、CG映像だけでは驚かなくなりましたねェ。

 

 

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