ファンタジー映画


『光の六つのしるし』(2007年/監督:デビッド・L・カニンガム)

アメリカからイギリスに引っ越してきたウィル少年(アレクサンダー・ルトウィグ)は、旧い屋敷に住むメリーマン(イアン・マクシェーン)から、闇が世界を支配しようとしており、それを防ぐ“光の六つのしるし”を探し出す戦士であることを告げられる。闇の力から守る“光の力”が六つのしるしに分かれて異なる時代に隠されており、ウィルは“しるし”を予知し、過去の世界に行くことができる超能力を持っていた。しかし、ウィルの前に闇の力が現われ……

闇=悪、光=正義という実にわかりやすい構図です。私が子どもの頃わくわくして観た『笛吹童子』など“新諸国物語(髑髏党=悪、白鳥党=正義)”と同じ構図ですね。子供向けには解りやすさが重要なのですが、“光の力”が六つのしるしに分かれて異なる時代に隠されていて、主人公が“しるし”を予知して過去の世界に行くことができる超能力を持っている設定は少し説明不足かな。

 

 

『スターダスト』(2007年/監督:マシュー・ボーン)

原作はニール・ゲイマンの冒険ファンタジーです。B級映画と思っていたのですが、意外と出演者の顔ぶれが豪華でした。村一番の美女(シエナ・ミラー)の心を射止めようと、青年(チャーリー・コックス)が、願いがかなうという流れ星を追って魔法の国に足を踏み入れるんですな。その流れ星は、400年も生きている魔女(ミシェル・ファイファー)や、後継者争いをしている王国の王子たちも狙っており、青年は流れ星の化身(クレア・デーンズ)と冒険を繰り広げます。

画像は、主人公を助ける海賊(空賊)役のロバート・デ・ニーロ。性格的には面白い役柄なんですが、内容的には目新しいところもなく、デ・ニーロが演じるだけの価値があるかというと疑問ですね。

それよりも、魔法の国の王様役でピーター・オトゥールが出ていたのが嬉しかったなァ。昔懐かしいスターを発見して喜ぶようじゃ、私もオールド・ファンになったということですかね。

 

『ナイトミュージアム2』(2009年/監督:ショーン・レビー)

自分の発明商品の販売で事業家として成功したラリー(ベン・スティラー)が久しぶりに自然史博物館に訪れると、改装が行なわれていて、展示物はスミソニアン博物館に移された。ある日、ミニチュア・カウボーイのジェデダイア(オーウェン・ウィルソン)から、いたずら猿が魔法の石版を一緒に持ってきたためスミソニアン博物館が大変になっているとの電話が入る。ラリーが急いでスミソニアン博物館を訪れると、カームンラー(ハンク・アザリア)がイワン雷帝・ナポレオン・カポネを味方につけ世界征服を企んでいた。ラリーはカスター将軍(ビル・ヘイダー)やアメリア・イヤハート(エイミー・アダムス)を仲間にして、石版を自然史博物館に戻すべく奮闘するがジェデダイアがカームンラーに捕まり……

ニューヨークの自然史博物館からワシントンのスミソニアン博物館に舞台が変わった『ナイトミュージアム』の続編です。

前回同様、博物館の展示物が動き出し、ドタバタ大騒動を繰り広げるわけですな。理由付けが前作で全て解決しているので、今回は徹底してコメディー化しています。ベン・スティーラーも本領を発揮していますよ。博物館警備員との地下の資料室に行くためのやりとりは漫才です。アメリア・イヤハートのラストでの扱いや、携帯電話の行方など歴史パロディだし、展示物も全てコメディー演技で能天気に笑っておしまいです。

西部劇ファンの私としてはインディアン娘サカジャウェアの出番が少なかったのは残念ですが、カスター将軍が笑わせてくれたので是としましょう。

周りからは、あまり笑い声が聞こえなかったけど、前提となる知識がないんでしょうねェ。

 

『ナルニア国物語・第2章:カスピアン王子の角笛』(2008年/監督:アンドリュー・アダムソン)

ピーター(ウィリアム・モブリー)・スーザン(アナ・ポップルウェル)・エドマント(スキャダー・ケインズ)・ルーシー(ジョージー・ヘンリー)の4人兄妹は、叔父のミラーズ(セルジオ・カステリット)によって命を狙われたカスピアン王子(ベン・バーンズ)によって、再びナルニア国にやってくる。前回から1300年経過しており、ナルニア国は人間の攻撃により潰滅状態だった。人間とナルニアの生物との共存を考えているカスピアン王子に協力して、兄妹はミラーズの軍隊と戦う決意をするが……

“信じあう心”“勇気”といった、いかにもディズニーらしいテーマの家族向けファンタジー映画です。前作と比べて大がかりな戦争シーンはあるものの、魔法の国の楽しさは少なくなっていますね。

それにしても、能力的にはナルニア生物の方が人間より上だと思うのですが、人間にやられたということは、兄妹やアスランが去ってリーダーがいなくなったからでしょう。リーダーのいない国は滅亡するのだ。

 

『ハイランダー:ネクスト』(2007年/監督:ブレット・レナード)

ハイランダーと呼ばれる不老不死の剣士ダンカン・マクラウド(エードリアン・ポール)は、彼のもとから去った最愛の女性を捜して旅をしていた。彼女は不老不死の民を救うという奇跡の源:ソースを探しており、現存する不老不死の民たちそれを探していたが、ソースの守護者が彼らを待ち受けており……

首を斬り落とされない限り死ない不死身の剣士ハイランダーの宿命と、彼らに救いをもたらすと云われるソースの守護神との戦いを描いたSFファンタジーアクションです。クリストファー・ランバートが主演した1作目から観ているので惰性で観たようなものです。

前作(シリーズ4作目)の『ハイランダー:最終戦士』(2000年/監督:ダグラス・アーニオコスキー)で主人公はコナー・マクラウド(クリストファー・ランバート)からダンカン・マクラウド(エードリアン・ポール)に代わり、そのままTVシリーズ『暗黒戦士ハイランダー』に移行し、本作で最終となった感じですね。以前、CATVで放送されたTVシリーズを観たことがあるのですが、面白くなくて3回だけ観てサヨナラしました。TVシリーズの延長で製作されたためか登場人物は説明不足で、初めて観る人はハッキリ言ってよくわからないと思いますよ。私もわからなくて、退屈、退屈。

 

 

 

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