ファンタジー映画


『ハリー・ポッターと謎のプリンス』(2008年/監督:デビッド・イェーツ)

闇の帝王ヴォルデモートが復活し、ダンブルドア校長(マイケル・ガンボン)はヴォルデモートの過去の秘密を知るホラス(ジム・ブロードヘント)をホグワーツ魔法学院の教師として復帰させるんですな。ヴォルデモートはホグワーツでホラスから学んでおり、ハリー(ダニエル・ラドクリフ)はホラスがヴォルデモートに教えたことを聞き出します。でもって、ヴォルデモートが魂を分割して隠しており、その全てを見つけださないとヴォルデモートを倒すことができないと解ったところで次回へ続くのです。

第1作目から7年経ち、可愛い少年だったラドクリフは、美男でも個性派でもない中途半端な青年になっちゃいましたね。可愛い少女のエマ・ワトソンは美人になりましたが、男優が昔のままのイメージで成長していくのは難しいですねェ。

映画の方も完結へ向けての序章といった感じで、作品的には中途半端なものになっています。惰性で観ているので忘れていることも多く、思い出すまで時間がかかりますよ。DVD購入を前提にシリーズ製作しているのでしょう。DVDを買わない人は一挙放送に期待ね。

 

『エンバー・失われた光の物語』(2008年/監督:ギル・キーナン)

200年以上前に“建設者”によって作られた地下都市エンバーから少年(ハリー・トレッダウェイ)と少女(シアーシャ・ローナン)が脱出するSFファンタジーです。

地下都市エンバーは外界から閉ざされており、住民にとってそこが唯一の世界なんですが、発電機が老朽化してきて停電が頻発するようになります。住民は長い年月に亘って、外界は暗闇の世界だと教えられており、不安を持ちながら暮しています。そんな時、少女が屋根裏で古箱を見つけます。その中に、“建設者”が残した地上世界への出口の指示書があったんですな。少女は少年に相談して、出口を探そうとしますが、悪い市長(ビル・マーレイ)が妨害します。少女と少年の冒険が始まりま〜す。

他の世界の情報がなく、自分たちの世界がユートピアだと信じこまされている設定はSFではお馴染みのパターンです。未知の世界への脱出もね。

主人公を少女と少年にしたので、暗い設定も暗くなっていません。核戦争後の地球が舞台なのかと思ったのですが、地球とは別の惑星が舞台のようです。原作本は“エンバー”シリーズとして続いているようで、続編も映画化されるのかな。

 

『インクハート』(2008年/監督:イアン・ソフトリー)

劇場未公開の冒険ファンタジー映画です。

主人公(ブレンダン・フレーザー)は朗読した本の世界の物を現実の世界に呼び出すことができる特殊能力を持っていて、その力を知らないで娘(エリザ・ベネット)に“インクハート”を読んでやったら“インクハート”の世界の悪党が現世にやってきて、逆に妻(シエンナ・ギロリー)が“インクハート”の世界に行ってしまいます。

同じ能力を持っている男によって妻は現世に戻っているのですが、能力が未熟なため妻の声は出ません。彼が呼び出した物は、全て中途半端なのが笑えます。現世を支配しようとする悪党は、本の世界の魔物を主人公の能力で呼び寄せようとするんですな。主人公だけでなく、娘にも同じ能力があることがわかり……

悪党の攻撃に対して、“アリババと40人の盗賊”を読んで財宝を出したり、“オズの魔法使い”を読んで竜巻を起こしたりできるんですが、手元に本がないと能力が発揮できないというのが味素になっていてハラハラシーンが展開します。

演出的に特筆するようなところはなく、平凡な出来ですが、残虐シーンも血みどろシーンもなく、家族で楽しめる作品で〜す。

出演者では、主人公の叔母役のヘレン・ミレンが圧倒的存在感あり。

 

『アーサーとミニモイの不思議な国』(2006年/監督:リュック・ベンソン)

アーサー少年(フレディ・ハイモア)が家の敷地(庭を含む)の地下ある不思議な小世界で冒険するファンタジー映画です。地上世界が実写で、ミニモイが住む地下世界はアニメで描かれており、フレディ・ハイモアも実写からアニメとなりなります。

フランス映画ですが私が観たのは英語版で、ラストのクレジットで知ったのですが、アニメの声優が豪華なんですよ。マドンナ、デビッド・ボウイ、ロバート・デ・ニーロ、ハーヴェイ・カイテル、エミリオ・エステベス等々。画像は、フレディ・ハイモアと祖母役のミア・ファーロー。

内容は、少年がミクロ化して地下世界に行き、世界を支配しようとしている魔王をミニモイ族の王女と一緒にやっつけ、庭に埋めたルビーを探しに行って行方不明になった祖父とルビーを見つける物語で、CG特撮において特に面白い試みはありません。

続いて、続編『アーサーと魔王マルタザールの逆襲』(2008年/監督:リュック・ベンソン)も観ました。知らない声優であれば、続編を観る気はしなかったのですが、声の確認ということでね。だけど、声が違うんですよ。後で、IMDBで調べたら声優は全て変更になっていました。前作と違って物語が完結していない(殆ど物語の導入部分)のも気に入りませ〜ん。

 

『アリス・イン・ワンダーランド』(2010年/監督:ティム・バートン)

アリス(ミア・ワシコウスカ)は19歳になっており、好きでもない男と結婚させられそうになっています。悩んでいる時、服を着たウサギを見つけ、追いかけて穴に落ち、不思議な国での冒険が始まるんですな。

子どもの頃に体験した不思議な国での出来事をすっかり忘れていたという設定で、原作の後日談というオリジナルストーリーです。不思議な国は赤の女王(ヘレナ・ボナム・カーター)の恐怖政治に支配されおり、アリスは預言書の救世主として白の女王(アン・ハサウェイ)と戦うことになります。

子ども向け作品というより、子どもの頃『不思議の国のアリス』を読んだ大人向け作品といえますかね。

ティム・バートンらしい映像表現はありますが、内容的には数多あるファンタジー映画と大同小異です。アリスがドラゴンと戦ったりしてね。マッドハッターのジョニー・デップは意外と見せ場がなく、ヘレナ・ボナム・カーターの前に影の薄い存在となっています。

 

 

 

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