ファンタジー映画


『クラバート 闇の魔法学校』(2008年/監督:マルコ・クロイツパイントナー)

中世のドイツを舞台にしたファンタジー映画です。戦火によって家を失った少年クラバートが闇の声に導かれて山村の水車小屋へやってくるんですな。そこは少年たちが集団で生活しており、魔法使いの弟子となって黒魔術を学んでいます。恋は厳禁ですが、クラバートは村の娘と仲良くなります。村の娘と恋をしていた親友が殺され、クラバートは親友の残した言葉から魔法使いの邪悪な企みを知り……

重苦しい雰囲気の作品です。笑いがないんですよね。ドイツ語がもつ厳めしい感じが、そのまま映画のイメージになっています。カラスに変身するシーンなどにCGが使われていますが、アメリカ映画のような派手なものはなく、性格描写を重点においた物語中心です。魔法使いとの戦いもアッサリしたもので、少し拍子抜けしました。

原作はドイツでは有名なファンタジー小説とのことで、話のタネとしてこの作品を覚えておきま〜す。

 

『エアベンダー』(2010年/監督:M・ナイト・シャマラン)

現世界と異なる別世界を舞台にしたファンタジーアドベンチャーです。その世界は気・水・土・火の4つの王国に分かれていて、各国にはそれぞれの国のエレメントを操るベンダーがいます。その中で4つのエレメント全てを操ることができる者はアバターと呼ばれ、世界に調和をもたらす唯一の存在なんです。ところがアバターになる修行中に逃げ出した主人公アン(ノア・リンガー)は氷の中に閉じこもります。それから100年が経過し、火の国によって世界が支配されようとしている時、水の国の兄妹によってアンは発見され、アバターとして世界秩序をもたらすべく様々な試練に立ち向かっていくんですな。

画像は、主人公のノア・リンガー。気の国のエレメントを操るエアベンダーね。修行を放棄したため、他のエレメントは使えなかったのですが、水の国で修行し、水のエレメントが使えるようになります。

原作はTVアニメとのこと。冒険を通して少年少女たちが成長していく『指輪物語』や『ナルニア国物語』などと同系列の作品ですが、東洋的世界感が色濃くでています。気の国は少林寺の世界だし、土の国なんてチョンマゲ時代の日本を想わせますよ。物語は完結しておらず、続編を予定したラストになっています。

全体としては、悪党たちに魅力がないのと、状況説明に時間を取られすぎていましたね。次回(他のエレメントをマスターしていく主人公と強化されていく悪党たち)に期待で〜す。

 

『アデル/ファラオと復活の秘薬』(2010年/監督:リュック・ベッソン)

原作はコミックで、事故(かなりマンガ的)で植物人間化した妹を治療するために、古代エジプトの医者(ミイラね)を蘇らせようとする女性小説家アデル(ルイーズ・ブルゴワン)の冒険ファンタジーです。間違ってプテラノドンが蘇ったり、蘇らせたミイラが医者でなく科学者だったり、ドタバタが繰り広げられます。真面目な冒険ファンタジーと思って観たら、肩すかしをくいます。

画像は、ルイーズ・ブルゴワン。1960年代〜70年代前半まではフランス映画が数多く公開されていたので、魅力的なフランス女優がたくさんいましたね。最近は全然知らな〜い。

 

『魔法使いの弟子』(2010年/監督:ジョン・タートルトープ)

アーサー王伝説に出てくる偉大な魔術師マーリンの弟子バルサザール(ニコラス・ケイジ)が、マーリンの遺言でマーリンの後継者“選ばれし者”を何百年にも亘って捜しているんですな。なぜ捜しているかというと、人形入れに幽閉した邪悪な魔法使いモルガナにとどめを刺せる唯一の人物だからです。

でもって、バルサザールは現代のニューヨークで見つけ出すんですが、それが物理オタクのアカンタレ大学生のデイブ(ジェイ・バルシェル)ね。愛する女性ベッキー(テリーサ・バーマー)相手に、まぬけた場面を展開したり、バルサザールとモルガナを蘇らそうとする宿敵ホルバート(アルフレッド・モリナ)との魔法合戦など、ディズニー映画の定番通りとなっています。未熟な若者が、“選ばれし者”なのかは、ラストのお楽しみなのだよ。

それと、魔法使いの弟子のミッキーが箒に魔法をかける『ファンタジア』の場面が、この映画にもちゃんと出てきて、なかなか楽しめま〜す。

 

『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1(2010年/監督:デビッド・イェーツ)

闇の帝王ヴォルデモートが支配を強める中、ハリー(ダニエル・ラドクリフ)とハーマイオニー(エマ・ワトソン)、ロン(ルパート・グリント)の3人は、ダンブルドア校長の遺言と形見の品を受け取って、ヴォルデモートを倒すために“分霊箱”を探す旅に出ます。ブローチに隠された“分霊箱”を見つけ、奪い取ることに成功しますが、破壊することができません。“分霊箱”の魔力で3人の仲に亀裂が生じますが……

三人が力をあわせてヴォルデモートの追撃から逃れるアクション中心の展開で、ドラマとしての深みはありませんね。謎のマークから死の秘宝(強力なパワーを持つ杖、死人を生き返らす玉、死からの逃れるマント)の存在が追加され、杖がヴォルデモートの手に渡ったところで続きです。これまで登場したキャラをどのように捌いていくかがポイントになると思いますが、それはPART2を観ないとね。

 

 

 

トップへ    目次へ