SF映画いろいろ


『火星探検ロケットシップX−M』(1950年/監督:カート・ニューマン)

5人の乗員(ロイド・ブリジス、オーサ・マッセン、ヒュー・オブライエン、ノア・ビアリー)を乗せた月ロケットが、エンジントラブルが起きて火星の軌道に乗ってしまう。火星に着いた彼らは、探検を開始するが火星は核戦争によって文明が崩壊していた。原始的な生活をしている火星人に襲撃され、生き残った二人が地球に戻ろうとするが……

後年、傑作B級SF映画『ハエ男の恐怖』(1958年)で名を上げるカート・ニューマンだけあって辛口な内容になっています。ツッ込み処は多々あっても、低予算B級SF映画における当時のレベルとしては合格といえますね。

1950年代にアメリカ国民が潜在意識として持っていた“核の恐怖”と“科学に対する不安”を描き出していると思いま〜す。

 

 

『サンシャイン2057』(2007年/監督:ダニー・ボイル)

太陽の消滅による地球滅亡の危機を救うため、核爆弾を積んだ宇宙船が太陽へ向かうんですな。核爆発によって太陽を甦らす計画です。宇宙飛行に必要な8人の専門家が乗り組んでいます。艦長は真田広之ね。水星を過ぎたところで、7年前に同じ目的で太陽に向かったまま行方不明になっていた宇宙船の信号をキャッチします。でもって、その宇宙船とドッキングするために進路を変えるのですが、ナビゲーターのミスにより宇宙船の外装防御シールドの一部が壊れます。艦長が船外修理している時に、焼けた通信アンテナが宇宙船にぶつかり、酸素を補充している植物室が火事になります。消火のためには宇宙船の向きを変える必要があり、真田艦長は修理を完了したものの船内に戻ることができず、太陽に焼かれて名誉の殉職。目的を達して地球に戻るための酸素は不足し、頼みは行方不明の宇宙船になります。そして、その宇宙船とドッキングするのですが……

前半は宇宙探検ものの本格的SFとして楽しめました。宇宙船の映像も満足できるものでしたね。行方不明だった宇宙船とドッキングしてから方向がズレてきましたね。宇宙旅行におけるサスペンスからホラーに変っちゃったんですよ。ハラハラドキドキの質が違うんですよねェ。全体としては今イチ!

 

地球最後の男・オメガマン』(1971年/監督:ボリス・シーガル)

国境紛争から中ソ間で細菌戦争が勃発し、ウイルスが世界中に蔓延する。対疫ワクチンを開発したネビル(チャールトン・ヘストン)は輸送中の事故で1本だけ残ったワクチンを注射して免疫体質となる。それから2年後、ウイルスに感染した人間は、死亡するか、生存しても昼間は外に出ることのできない異形人間となっていた。異形人間のリーダー・マサイアス(アンソニー・ザーブ)は、ネビルの命を狙っており、ネビルは異形人間たち戦う毎日だった。ある日、ウイルス感染していない黒人娘リサ(ロザリンド・キャッシュ)を見つけ、後を追うがマサイアスの一団に捕まってしまう。ネビルがスタジアムで処刑されそうになった時、まばゆいばかりの光が広場を照らし、異形人間たちが怯んだ隙に、ネビルはリサとダッチ(ポール・コステロ)に救出される。リサたちは町はずれで、奇跡的に感染から免れた6人の子供たちと暮していた。しかし、リサの弟リッチーは既に発病しており、ネビルは自分の血で血清を作ってリッチーを治療するが……

チャールトン・ヘストンが主演ですが、内容的にはB級SFアクション映画ですな。現代文明が破滅をもたらしたとして、あらゆる現代文明を破壊しようとする集団の黒ミサを連想させる黒服黒頭巾姿はオカルトの世界です。ヘストンの最期がキリストの死を連想させるのもね。

地球最後の男としての悩みなどなく、最上級の服を着て、最上級の酒を飲み、人生を楽しんでいる感じさえいます。異形集団と戦う時の嬉しそうなこと、これぞB級テイストなので〜す。

 

『フィラデルフィア・エクスペリメント』(1984年/監督:スチュアート・ラフィル)

第二次大戦中にドイツのレーダー網を破る実験をしていた軍艦から1983年のネバダ砂漠の米軍施設にタイムスリップした水兵(マイケル・ペレ)が、軍から追われたり、人質にとった女性(ナンシー・アレン)と愛し合ったリして、最後は地球を破滅させるブッラクホールを塞ぐという冒険SF映画です。

何でタイムスリップやブッラクホールができたかというと、ネバダの米軍施設で同じ実験をしたからなんですね。強い電磁波で異次元トンネルが開いて、地球上のあらゆるものを吸い込み始めるんですよ。面白いアイデアで結構楽しめる作品になっています。

過去から未来にきて活躍する分には歴史を変えることにならないので、主人公を自由に行動させることができるんですな。未来の人間が過去に行くと、未来の自分に会うという不都合が生じますが、過去から未来なら記録は行方不明でいいわけですからね。過去から未来に来て、また過去に戻ると……、それもこの映画で解りま〜す。

画像は、マイケル・ペレとナンシー・アレン。

 

『マーシャル博士の恐竜ランド』(2009年/監督:ブラッド・シルバーリング)

タキオンなるエネルギーによって時空移動が可能という学説を唱えたマーシャル博士(ウィル・フェレル)が、自分を支持する女学生(アンナ・フリエル)と移動装置を持って、タキオンが異状発生している荒野にやってくるんですな。そこは安っぽいレジャー施設で、案内人のウィル(ダニー・マクブライト)と洞窟に入った瞬間、異次元にワープします。殺されそうになっていた猿人を助け、彼も仲間にしてワープの途中で失くした移動装置を探す旅が始まります。

1970年代に人気をはくしたTVドラマの映画化とのことですが、日本では放映されていないのでオリジナルがどのようなものだったのか分かりません。恐竜は最新のSFXで再現していますが、トカゲ人間は着ぐるみのチープなもので、TVドラマのイメージを残しているのかなァ。

ウンチやチ○コといった下ネタ満載のSFコメディで、私の体質にはあいませんでした。劇場公開されたようですが、金を出してまで観に行く映画じゃありませ〜ん。

 

 

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