リメイク映画


『ホーンティング』(1999年/監督:ヤン・デポン)

不眠症治療の実験に応募したネル(リリー・テイラー)は、マロー教授(リーアム・ニーソン)に呼ばれて古い屋敷にやってくる。実験に参加するのは、彼女以外にセオ(キャサリン・ゼダ・ジョーンズ)とルーク(オーウェン・ウィルソン)がいた。教授を含め4人がその屋敷に滞在するが、ネルは超常現象を感じはじめ……

『たたり』(1963年/監督:ロバート・ワイズ)のリメイクなんですが、『たたり』ってよくわからなかった記憶(テレビの洋画劇場で観た)があるんですよ。とにかく、屋敷のいたるところで不気味な音がしていて、最後はどうなったんだっけ。『ホーンティング』のような分かりやすい結末じゃなかったですね。

でもって、『ホーンティング』ですが、幽霊の怖さがないホラーでした。ヤン・デポンは『スピード』だけだったなァ。

 

『キング・コング(特別編)』(2005年/監督:ピーター・ジャクソン)

売れない女優アン・ダロウ(ナオミ・ワッツ)は、映画監督のカール・デナム(ジャック・ブラック)に誘われて、冒険映画撮影の船に乗り込む。その船には、アンのあこがれの劇作家ジャック・ドリスコル(エイドリアン・ブロディー)も脚本家として乗船していた。船はやがて地図に載っていない謎の島に着くが……

『キング・コング』の三度目のリメイクです。前二作(1933年版と76年版)の長所を取り入れていますが、201分というのは長すぎますよ。島に着くまでが時間のかけ過ぎです。公開版より13分長い特別版なので、そう感じたのですかね。

33年版の長所は、エンパイアステートビルの頂上に立ったコングの巨大感が出ていて真にキングだったのですが、76年版では昇ったのが貿易センタービルで高層ビルが乱立していてコングが小さく見える欠点がありました。

76年版の長所は、ヒロインとコングの心の交流が33年版より深く描かれていたことでしたね。コングの顔の表情や動きなどを見ると、特撮技術の進歩により、今回の作品ではその両方が表現できていたと思いますよ。だけど特撮技術の進歩は、それだけが暴走して逆にリアル感を薄めるきらいがあります。島(骸骨島)でのアクションは、やり過ぎ。人間の身体はそんなに頑丈ではありませ〜ん。

 

『TATARI』

『TATARI』(1999年/監督:ウィリアム・マローン)

院長が人体実験をしていた精神病院で一夜を過すというイベントに6人の男女が招待される。彼らは当初の予定者でなく、呪われた力によって招き寄せられたのだ。そして、閉じ込められた精神病院で彼らを待っていたものは……

1959年のウィリアム・キャッスルが監督した『地獄へつづく部屋』のリメイクです。前作が怪奇映画に見せかけた犯罪映画だったのに対し、今回は純粋なホラーになっていました。殺人事件のあった屋敷が精神病院に、賞金1万ドルが100万ドルになっていましたが、金持ち夫婦に招待された男女6人が恐怖の一夜を過すプロットは同じです。血しぶきイッパイの典型的なB級ホラーで、特筆するところはないのですが、悪妻役でファムケ・ヤンセンが出演していたので是としましょう。

 

『TATARI/呪いの館』(2007年/監督:ビクター・ガルシア)

『TATARI』(1999年/監督:ウィリアム・マローン)の続編です。前作で生き残った姉が謎の死をとげ、雑誌編集者の妹(アマンダ・リゲッティ)が骨董収集の悪の組織に拉致されて呪いの館に連れて行かれるんですな。でもって、再び起こる血の惨劇。

全ての元凶は呪いの像にあるんですが、不気味さがなく、血しぶきばかりで怖さが伝わってきません。それにしてもアマンダ・リゲッティという女優さん、ミラ・ジョボビッチに似た顔の筋肉ムキムキのマッチョガールで、亡霊なんざ怖くな〜い。

 

『ザ・フォッグ』(2005年/監督:ルパート・ウェインライト)

町の発展の礎を築いた4人の功労者の銅像完成祝賀の日に濃霧が町を襲う。ニック(トム・ウェリング)がニューヨークから帰郷した幼馴染みのエリザベス(マギー・グレース)と過している時、彼の持ち船では惨劇が……

1979年の同名映画の監督ジョン・カーペンターが製作したリメイク作品です。前作は6人の男が濃霧の夜に偽の標識灯で船を難破させ、癩病の乗組員たちを殺して黄金を奪ったため、100年後に亡霊たちが復讐に来るんですな。濃霧にも、殺される人数にも意味があったんですが、リメイク作品では単に濃霧を発生させて町民を殺戮するだけの内容になっています。ラストの処理も、とってつけた感じで気に入りませんねェ。

前作ではジェイミー・リー・カーチスとジャネット・リーの親子共演(エリザベスと母親役)という話題もあったし、何もかも前作には遠くおよびません。リメイクする意味があったのかなァ。

 

 

 

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