アメコミ・ヒーロー


『スーパーマン リターンズ』(2006年/監督:ブライアン・シンガー)

5年間行方不明になっていたスーパーマン(ブランドン・ラウス)がメトロポリスに帰ってくる。ロイス(ケート・ボスワース)は1児の母親になっており、同棲している婚約者までいた。宿敵レックス(ケビン・スペイシー)は仮釈放され、北極にあるスーパーマンの聖地からクリプトン星の英知の詰まったクリスタルを盗み出し、自分が支配する新しい大陸を作ろうとしていた……

『スーパーマンU冒険編』(1987年/監督:リチャード・レスター)から5年後という設定です。“冒険編”で何があったかというと、ロイスとの愛のために超能力を放棄して一時的に人間になっているんですね。おそらく、その時……で、今回のラストに結びつくわけです。

ブランドン・ラウスがクリストファー・リーブにそっくりだったのと、ケビン・スペイシーがジーン・ハックマンに似せた演技をしていたのは愉しかったで〜す。

 

『X−MEN:ファイナルディシジョン』(2006年/監督:ブレット・ラトナー)

ジーン(ファムケ・ヤンセン)の声に引き寄せられたサイクロプスの熱線によってジーンは生き返るが、サイクロプスはジーンに殺される。ジーンを愛するウルヴァリン(ヒュー・ジャックマン)はジーンを学園に連れ帰るが、ジーンはエグゼビア(パトリック・スチュワート)ですら制御できない本能によって支配される危険なミュータントになっていた。その頃、ミュータントを治療するワクチンが開発され、マグニート(イアン・マッケラン)に率いられたミュータントは人間との戦いを決意する。彼らの行動を阻止するために、ウルヴァリンとストーム(ハル・ベリー)は……

シリーズ最終作。エンドクレジットの後に思わせぶりなセリフがあるのですが、エグゼビア(パトリック・スチュワート)は死に、マグニート(イアン・マッケラン)は普通の人になっちゃいますからね。

今回の脅威は何といってもジーンです。前回死んだと思われていたのが生き返り、最強のパワーを発揮します。何しろレベル5で、エグゼビアですら制御できません。ファムケ・ヤンセンの前にハル・ベリーも影が薄いなァ。

ジーンを倒すのはウルヴァリンですが、彼が最強かというとジーンの作戦ミス?(何故、観念動力を使わなかったのだ)による勝利でしたからね。ミュータントにとっては、ワクチン製造のために保護されていた少年が成長してパワーアップしたら、彼が最強になるでしょうねェ。

 

『ゴーストライダー』(2007年/監督:マーク・スティーブン・ジョンソン)

病気の父の命を救うために、悪魔メフィスト(ピーター・フォンダ)に魂を売ったスタントライダー(ニコラス・ケイジ)が、ゴーストライダーとなって、邪悪な魂を吸収して世界を征服しようとする魔界の反逆者と戦う物語です。

原作はマーブルコッミックね。元々は1940年代に誕生しており、その時の主人公は同じライダーでもカウボーイ。それをバイクライダーとしマーブル社がリニュアルしてヒットさせたのです。映画の中でも、伝説のゴーストライダーとしてサム・エリオットが出演していたのは嬉しかったですね。

テーマ曲として使われている「ライダー・イン・ザ・スカイ」は、1949年にスタン・ジョーンズが歌ってヒットした、現在ではカウボーイソングのスタンダードになっている名曲です。

それにしても、メフィストに息子がいたとは知らなかったなァ。弟がいるのは知っていましたけどね。メフィストを倒すにはソロモンの笛が必要だよ。エロイムエッサイム〜

 

『スパイダーマン3』(2007年/監督:サム・ライミ)

ハリー(ジェームズ・フランコ)との対決と友情の復活、宇宙からきた黒い生命体に取りつかれ憎悪に支配される心の葛藤、伯父を殺した真犯人サンドマン(トーマス・ヘイデン・チャーチ)との闘い、自ら黒い生命体に身を委ねたヴェノムとの闘いと、テンコ盛りの内容になっています。だけど、少し話しを詰め込みすぎていますね。そのため、サンドマンとの関係が少し説明不足です。ピーター(トビー・マグワイア)とサンドマンの娘が何処かで絡んでいないと、観客だけは事情がわかっていますが、サンドマンからの釈明だけではスンナリ納得できないと思うんですよ。

それにしても、“憎むな、殺すな、赦しましょう”は、月光仮面と同じテーマだァ。

ところで、シリーズを通して見ていくと、これはピーターの成長記録になっているんですね。幼馴染のMJ(キルステン・ダンスト)に対する悶々とするヒーローらしからぬ恋の悩みから始まって、2ではヒーローとしての責任に目覚め、3ではヒーローのあるべき姿にたどりつきます。ピーターは精神的に大人になったといえま〜す。

 

『ファンタスティック・フォー/銀河の危機』(2007年/監督:ティム・ストーリー)

ファンタスティック・フォーのリード(ユアン・グリフィズ)とスー(ジェシカ・アルバ)の結婚式の日に、サーフボードのよう飛行隊に乗った宇宙人シルバーサーファーが現れる。シルバーサーファーは、銀河の星を次々に破壊するエネルギー体に命じられて地球破壊のためにやってきたのだ。悪党のビクター(ジュリアン・マクマホン)が復活し、シルバーサーファーのパワーを手にいれようとするが……

シリーズ2作目で、地球の破壊にきたシルバーサーファーと前作で倒したビクターも復活し、ファンタスティック・フォーも個々の超能力だけでは勝てません。分析とチームワーク、それに人情によって勝利するという健全娯楽作品になっています。

岩石男になったマイケル・チクルスに配慮したような素顔になる設定も悪くありません。センベイを食べながら寝ころがってみるには最適ですね。

 

 

 

トップへ     目次へ   次ページ