アメコミ・ヒーロー


『キャットウーマン』(2004年/監督:ピトフ)

大手化粧品会社ヘデア社に勤めるグラフィック・デザイナーのペイシェンス(ハル・ベリー)は、デザインを届けに行った工場で新化粧品の秘密を知る。毒性の強い副作用がある老化防止クリームを売出そうとしていたのだ。秘密を知られた社長夫人のローレル(シャロン・ストーン)によってペイシェンスは廃液で殺されるが、古代エジプトの神の使いである猫が現れ、ペイシェンスは甦る。特殊能力を身につけたペイシェンスはキャットウーマンとなって……

“バットマン”の戦い相手であるキャットウーマンがスピンアウトして独立した物語です。

でもって、ラズベリー賞受賞作品。CGとはっきりわかる特撮にまずシラケます。テレビゲームの画面であって映画的じゃないんですよね。

主演のハル・ベリーも駄目。素顔の方が魅力的で、変身したキャットウーマンは妖艶さもなければ美しさもありません。研ナオコが仮面を被ったみたいと評されていましたが、まさにその通りです。

『バットマン・リターンズ』のミシェル・ファイファーは良かったなァ。

 

『バットマン ビギンズ』(2005年/監督:クリストファー・ノーラン)

ゴッサム・シティの大富豪の一人息子ブルース・ウェイン(クリスチャン・ベール)は、目の前で両親を殺され、トラウマに悩む。放浪の果て、デューガード(リーアム・ニーソン)に誘われ、悪を滅ぼす“影の軍団”ラーズ・アル・グリーン(渡部謙)の道場で修行する。しかし、組織の目標がゴッサム・シティの破壊と知り、ラーズ・アル・グリーンを倒し、腐敗した故郷の町を再建するためにバットマンとなって戦いを開始する……

バットマン誕生秘話で、これまでのシリーズと異なり、悪役のオフザケなしでオーソドックスに作っていました。日本人の目から見ると、忍術修行は目がテンになるのですが、アメリカ人にはマジなんでしょう。

傑作とはいえませんが、退屈せずに最後まで楽しめましたよ。それに、ゲーリー・オールドマン、ルトガー・ハウアー、モーガン・フリーマンといった豪華な出演者が見るだけでも楽しいです。

注文を言えば、マイケル・ケインのアルフレッドも悪くないのですが、マイケル・ガフでやって欲しかったなァ。渡部謙は、「あれで終わりなの」という感じで物足らなさが残ります。“影の軍団”なら渡部謙でなく、千葉真一だよなァ。

 

『エレクトラ』(2005年/監督:ロブ・ボウマン)

暗殺者のエレクトラ(ジェニファー・ガーナー)は、目的地でターゲットの連絡を待っている間、マーク(ゴラン・ヴィシュニック)と彼の13歳になる娘アビ(カーステン・ブラウト)と知りあい仲良くなる。、暗殺相手が彼らという連絡が入るが、不審感を抱いて躊躇していると、ザ・ハンドという忍者集団がマーク父子を襲った。エレクトラは彼らを助け、エレクトラの恩師であるスティック(テレンス・スタンプ)の道場に彼らを預けるが……

『バットマン』から『キャットウーマン』がスピンアウトしたように、『デアデビル』からスピンアウトした作品です。

『デアデビル』で殺されたエレクトラは、盲目の武術家スティックの秘術“キマグレ”によって蘇生し、スティックによって鍛えられるのですが暗殺者の道を選んだために破門になったという設定です。

敵対する忍者集団の目的が、暗殺者に育成するために天才的身体能力を持った少女の誘拐だなんて“何じゃ、こりゃあ”ですよ。変な日本語も出てくるし、笑えますねェ。 内容的には馬鹿々々しいのですが、私はこの手の映画が好きなので楽しめました。

それに、ジェニファー・ガーナーはお気に入りの女優なので、ボブ・サップをあっさりやっつける彼女のアクションを見ているだけで満足で〜す。

 

『ファンタスティック・フォー』(2005年/監督:ティム・ストーリー)

人類の進化と宇宙嵐の関係を研究している天才科学者リード(ヨアン・グリフィズ)は、資金難で悩んでいた。彼は資産家のビクター(ジュリアン・マクマホン)に資金援助を頼み、宇宙ステーションで実験することになる。リード、リードの友人ベン(マイケル・チクルス)、リードの大学時代の恋人スー(ジェシカ・アルバ)、スーの弟ジョン(クリス・エバンス)、ビクターが宇宙ステーションに向かうが……

宇宙線を浴びてDNAに異変が起こり、超能力者となった4人が邪悪な超能力者と戦うヒロイック・アクションです。原作はマーベル・コミックで、『宇宙忍者ゴームズ』の邦題で放送されたテレビ・アニメもありましたね。

超能力を得た驚きと苦悩、そして正義のために戦う決意。対決する悪は身近な人物というプロットは、最近のアメコミ実写版の共通テーマです。そのため、物語に広がりがありません。キャラは周知のこととして、いきなり巨大悪と戦う発想があってもいいと思いますけどね。

ところで、『ダーク・エンジェル』では今イチ演技が未熟だったジェシカ・アルバが、結構魅力的になってきましたねェ。

 

『パニッシャー』(2004年/監督:ジョナサン・ヘンズリー)

FBIの潜入捜査官フランク・キャッスル(トム・ジェーン)は、逮捕時に暗黒街の大ボスであるセイント(ジョン・トラヴォルタ)の息子が警官隊に射殺されたことから、セイントに一家皆殺しにされる。一人生き残ったキャッスルは、セイントを法で裁くことができないとわかり、制裁人となってセイント一家に復讐を開始する……

原作はマーベル・コミック。といっても、このヒーローは特殊能力を持っていません。鍛え上げられた肉体だけなのです。今回のトム・ジェーンよりも1989年のドルフ・ラングレンの方が肉体凶器の感じがして良かったですね。物語も、家族を殺された復讐話がメインの今回よりも、犯罪組織に対する制裁人の位置づけが明確になっていたしね。

コミック・ヒーローが次々に映画化されていますが、ワンパターンの内容になっているのが気に入りませ〜ん。

 

 

 

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