食玩DVD


カバヤが、食玩DVD「水野晴郎シネマ館」を発売したのが、2004年7月でした。タイトルは、『キリマンジャロの雪』、『ふたりの女』、『マクリントック』、『愛のアルバム』、『片目のジャック』、『アンナ・カレニナ』、『バリ島珍道中』、『キング・ソロモン』、『古城の亡霊』、『黄金の腕』の10作品。

目当ての『マクリントック』が欲しくて近所のスーパーやコンビニを探し回ったけど、どこにも置いてなくて、カバヤに問い合わせして販売店を教えてもらったけど、近所にないスーパーでした。全セット購入(DVD1枚300円で、全部買っても3千円)を希望して通販を依頼したら、そんなサービスはしていないとの返事。でもって仕方なしに売っているスーパーを探してゲットしたのが『マクリントック』を含む『ふたりの女』、『愛のアルバム』、『黄金の腕』の在庫していた4作品。(9月になって通販の案内がきたけど遅いよ)

商品ジャンルは食玩。ガムの付録としてDVDが付いている形ですが、メインはDVD。特典として映画の始まりと終りに水野晴郎の解説(ジャマなだけ)がついています。画像は修正処理がされておらず、DVD映像としては今イチですね。

※『マクリントック』については西部劇シネマ館

 

ふたりの女(1960年/監督:ヴィットリオ・デ・シーカ)

第二次大戦末期のイタリア、ローマで食料品店を営む未亡人チェジラ(ソフィア・ローレン)は娘のロゼッタ(エレオノラ・ブラウン)を連れて故郷の田舎へ疎開する。疎開先で二人はミケーレ(ジャン・ポール・ベルモンド)という青年と知り合い、ロゼッタはミケーレに恋心を抱くが、ミケーレはチェジラを愛していた。ある日、ドイツの敗残兵が村にやってきて、ミケーレを道案内に連れ去る。ローマが連合軍によって解放され、チェジラとロゼッタは歩いてローマへ帰ろうとするが……

ソフィア・ローレンがアカデミー賞主演女優賞を獲った作品。戦争の悲劇をリアリステッィクに描いた作品で、下手をすると如何しようもなく暗くなる話を、ソフィア・ローレンのたくましさが救っています。

シリアスな演技をするジャン・ポール・ベルモンドを初めて観ました。

 

愛のアルバム(1941年/監督:ジョージ・スティーブンス)

ケイリー・グラントとアイリーン・ダンの夫婦が別れようとするところから始まり、アイリーン・ダンが家を出る前にかけたレコードから、次々と過去の思い出が甦ってくる。

アルバムというのは写真でなくて、レコード・アルバムなんですよ。レコードによる回顧的手法は、最近の映画にない演出なので新鮮な感じがしました。

内容はしんみりした古いタイプの愛情物語で、ケイリー・グラントが巧いんだなァ。アイリーン・ダンも良妻賢母型キャラクターで持ち味が出ています。

戦前の東京シーンが出てきますが、それほど違和感はありませんでしたね。アイリーン・ダンが流産した大地震は関東大震災……?

 

黄金の腕(1955年/監督:オットー・プレミンジャー)

“黄金の腕”とアダ名されるカード賭博にかけてはスゴ腕の男フランキー(フランク・シナトラ)が麻薬中毒を治して町に戻ってくる。フランキーはドラマーとして人生をやり直そうと考えているが、妻のゾシュ(エリノア・パーカー)は稼ぎのよいカード賭博師に復帰させようと画策する。フランキーは酔っ払い運転がもとで妻を車椅子生活にさせた負い目があり、生活のためにカード賭博をせざるを得なくなる。結局、手の震えを止めるために麻薬をうち、昔のようなみじめな生活がはじまる。唯一の慰めは酒場女のモリー(キム・ノヴァック)だったが……

ソウル・バスの洒落たメイン・タイトルに流れるエルマー・バーンスタイン作曲のモダン・ジャズ風テーマ曲は大ヒットしたので、音楽だけは知っている人は多いんじゃないかなァ。このテーマ曲に詞をつけた主題歌を後年サミー・デービス・ジュニアが歌っていましたね。

麻薬中毒者があんなにあっさり治るのは疑問なんですが、フランク・シナトラは禁断症状を巧く演じていました。キム・ノヴァックも安酒場のうらぶれた女を好演しており、イメージ的に合っていました。意外だったのがエリノア・パーカーで、これまで美人女優というイメージしかなかったのですが、この作品では複雑な女性心理を見事に表現していました。主役三人の中で最も印象に残りましたね。

 

 

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