アメコミ・ヒーロー


超人ハルク/デアデビルの罠(1989年/監督:ビル・ビクスビー)

デアデビルが住む町にやってきたバナー(ビル・ビクスビー)が事件に巻き込まれ、デアデビルに味方して町の犯罪組織と戦うTVムービー。

テレビ版のハルクだとサイズ的に問題なく、デアデビルとタッグを組んでもバランスがとれますね。

テレビ版は名前がブルースでなく、デヴィッドに変更になったのは、ブルースがゲイを連想させるからだったとか。ということは、バット・マン(正体はブルース・ウェイン)とロビンはホモ関係なんだ。

でもって映画版と比較すると、私の好みはテレビ版のハルクで〜す。

 

クロウ 飛翔伝説(1994年/監督:アレックス・プロヤス)

ハロウィンの前夜、街のギャングたちによって恋人と共に殺された主人公が、1年後、冥界とこの世を結ぶカラスの神秘的な力で甦る。そして自分を殺したギャングたちに復讐を開始する。

物語も、物語のすすめ方も単純です。単純ですが、味付けは濃厚で、くせになりそうな味わいがありますね。それがどこに由来するかというと、日本人の情念の世界である怪談話と同じなんですよ。怨念が強くて、成仏できない主人公。日本の怨霊話を西洋風に味付けしています。

日本の幽霊は夜しか現われませんね。この映画の魅力は、情念を描き出すのに最初から最後まで夜のシーンで押しとおしたことです。月明かりの中に不思議なデザインのビルや車や人々の顔が、深い影をまとわりつかせながら浮かびあがる。『ブレードランナー』の夜の街に負けない素晴らしい映像です。

原作はコミックとのことですが、日本の時代劇にかなり影響を受けてるんじゃないですかね。ギャングのボスが総髪で、日本刀を背負って出てきた時にゃ笑ってしまいましたよ。それと、殺し方にみられるユーモアもコミック的でした。このユーモアが、闇の画面の窮屈さを解消し、作品全体をバランスのとれたものにしてまいす。

主演のブランドン・リーは、この映画の撮影中に発砲事故で亡くなってますが、残りのシーンは撮影済みのフィルムを利用したCG合成により完成したそうです。

 

フリントストーン/モダン石器時代(1994年/監督:ブライアン・レバント)

採石工場で働くフレッド(ジョン・グッドマン)は、試験に合格して重役になるが、それは副社長(カイル・マクラクレン)の陰謀だった。フレッドは会社の金を横領した容疑で指名手配され……

ハンナ=バーベラの人気アニメの実写版。レバント監督は“フリントストーン”の超マニアで、この映画を作りたい一心でスピルバーグに売り込みにいったとのこと。

アニメの世界をSFXを駆使して忠実に実写へ置き換えているが、ただそれだけの、どうってことのないコメディーです。

バカバカしい物語の悪役は、カール・マクラクレンよりもっとアクの強い役者の方がいいですね。その点、特別出演のエリザベス・テイラーはバツグン。エイズ基金の資金目的で出演したらしいけど、個性派女優として、もっと映画に出てほしいで〜す。

 

スパイダーマン(2002年/監督:サム・ライミ)

DNA実験で作り出された新種の蜘蛛に噛まれた高校生(トビー・マグワイア)が超能力を持つようになり、スパイダーマンとなって正義ために戦うマーベル・コミックの映画化。

「大いなる力には、大いなる責任がともなう」と、クリフ・ロバートソンがトビーに与える教訓は、子供向けですね。大人が観るには、気恥ずかしい内容で〜す。

敵役は、グリーン・ゴブリンのウィリアム・デフォー。筋肉強化薬で得た、大いなる力を悪用する科学者なんですよ。仮面をつけるより、素顔にメーキャップしたほうが怖かったかも。 『シャドウ・オブ・ヴァンパイア』のノスフェラトーのメークは秀逸だったものなァ。

ヒロインのキルステン・ダンストは、オバさん顔で西部劇における開拓民の娘をやらせたら似合いそうで〜す。

 

スパイダーマン2(2004年/監督:サム・ライミ)

ピーター(トビー・マグワイア)は、アルバイトをしながら学生生活を送っていたが失敗ばかり。想いを寄せるメリー・ジェーン(キルステン・ダンスト)とも迂遠な仲になっていく。スパイダーマンに復讐を誓うピーター(ジェームズ・フランコ)は、父の会社を継ぎ、ドクター・オクタビウス(アルフレッド・モリーナ)のスポンサーとなって新エネルギーの開発に取り組んでいた。しかし、オクタビウスは核融合実験の失敗で、4本の金属製アームと合体した怪物ドック・オクになる。ドック・オクは再度実験を行う資金を得るために銀行を襲撃する。ピーターはスパイダーマンとなってドック・オクとの戦いを開始するが……

タイトルが素晴しいですね。本編は見なくてもタイトルは必見ですよ。タイトル抜きで、いきなり本編が始まる最近の映画の中にあって、こんなのは嬉しいなァ。

悩めるヒーローが今回の売りでしょうが、クリフ・ロバートソンが言っているように、ヒーローは自分の幸福を求めちゃダメなんですよ。弱い人たちを助けて幸福にすることが、自分の幸福だと思わないとね。ピーター君も最後に悟ったようですけど。

ところで、スパイダーマンが糸にブラ下がってビルとビルの間を飛び回るところは、蔦を伝わってジャングルの中を飛び回るターザンを連想しましたよ。ターザンの恋人もジェーンだったし……

 

 

 

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