柳生武芸帳シリーズ


柳生武芸帳・片目水月の剣』(1963年・東映/監督:長谷川安人)

外様大名取り潰しの目録である柳生武芸帳を手に入れた有馬隼人正(大木実)は、薩摩を味方に引き入れて徳川を倒し、天下を奪おうと企んでいた。十兵衛は隼人正の野望を砕くべく、薩摩へ乗り込む……

幕府に反逆する悪党の目的が私利私欲でなく、強権に対する抵抗という、これまでの勧善懲悪の物語とは異なるニュアンスの作品になっています。大木実がカッコいいんだなァ。

この作品の見所は、阿蘇・草千里を舞台にした騎馬による立回りでしょうね。十兵衛と隼人正が騎馬でぶつかり、一瞬すれちがうや、十兵衛は肩を、隼人正は腿を斬られている。そこへ隼人正配下の騎馬隊が殺到してくる。近衛十四郎は、馬を走らせながらチャンバラができる数少ないスターで〜す。

 

柳生武芸帳・剣豪乱れ雲』(1963年・東映/監督:内出好吉)

高仁親王の13回忌に老武士が現われ、自分が高仁親王を暗殺したと言って自決する。暗殺者の秘密が記載されているという柳生武芸帳を求めて旅を行く十兵衛の行く手に、宿敵・山田浮月斎(山形勲)が待ちうけていた……

山形勲が圧倒的な存在感を持って迫ってきます。相手の剣を折ってしまう秘太刀で、十兵衛を窮地に追い込む立回りは迫力ありますよ。『独眼一刀流』での近衛十四郎との対決には不満が残ったのですが、今回は満足、満足。

柳 生武芸帳の謎をあばいて朝廷勢力の復権をねらっている若き公家役の松方弘樹はどうってことなし。

 

柳生武芸帳・片目の忍者』(1963年・東映/監督:松村昌治)

幕府の御用船が襲撃され、新式銃が紀州の九鬼一族に奪われる。十兵衛は柳生武芸帳に記されている柳生の忍者を召集し、紀州へ向かう。九鬼一族の背後には、天下を我が物にせんとする紀州家・家老(東千代之介)の野望があった……

後半の三分の一を費やす、紀州候の奥方(藤純子)が人質として囚えられている砦での死闘が凄いんですよ。この砦は断崖絶壁の岬の先端にあって、入口は新式銃で守られている難攻不落の要塞で、奥方救出のために配下の忍者を率いて十兵衛が攻め込むんです。

『十三人の刺客』と同じ集団時代劇の構造をしており、大殺陣描写はすさまじく、戦闘シーンだけなら『十三人の刺客』を上回ると私は思っています。

 

 

 

トップへ    目次へ    戻る